がんの勉強部屋☆
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理化学研究所、ゲノムに変化をもたらす新たなDNA組換えの抑制機構を解明
ゲノムに変化をもたらす新たなDNA組換えの抑制機構を解明
- 進化をもたらす遺伝情報の多様化と現状維持の分岐を制御 -


◇ポイント◇ 
・ DNA組換えを抑制する新規 DNA切断酵素「MutS2」を同定、構造と機能を解析
・ 組換え反応の初期に中間体の切断でDNA組換えを抑制
・ 生命の進化や病気のリスク回避など、生命の重要な選択を解く鍵を得る

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、85℃という高温で生育し、進化の起源に近いと考えられる高度好熱菌サーマス・サーモフィラス(※1)を利用して、生命現象の根幹であるDNA組換え反応(※2)の初期の中間体構造を好んで切断する酵素を同定し、新規のDNA組換え抑制機構を明らかにしました。この機構は、ゲノム情報(遺伝情報)の安定化に寄与するもので、進化か危機回避かの生命の重要な選択を制御すると考えられます。これは、理研放射光科学総合研究センター(石川哲也センター長)放射光システム生物学研究グループの福井健二研究員、北村吉章リサーチアシスタント、倉光成紀グループディレクターらが「高度好熱菌丸ごと一匹プロジェクト(※3)」で行った研究成果です。
 生命の遺伝情報はDNAに書き込まれており、これが書き換えられることは進化の原動力となる一方で、細胞死やがん化の危険性を伴います。遺伝情報書き換えの要因の1つは、一方のDNAの情報と他方のDNAの情報を交換する「DNA組換え反応」です。研究グループは、サーマス・サーモフィラスの機能未知タンパク質「MutS2」が、細胞内でDNA組換え反応を抑制する働きをしていることを明らかにし、その立体構造を大型放射光施設 SPring-8(※4)を用いて決定しました。さらに、分子機能解析によって、MutS2タンパク質が組換え反応の初期に生じる中間体を切断することで、DNA組換え反応を抑制することを見いだしました。遺伝情報を更新して進化の可能性を探るのか、現状を維持するのか、生命にとって重要な選択をコントロールするのが、MutS2タンパク質であると考えられます。
 本研究成果は、米国の科学雑誌『Journal of Biological Chemistry』(11月28日号)に掲載されるに先立ち、オンライン版(11月21日付け)に掲載されます。

1. 背景
 研究グループは、タンパク質をはじめとする生体分子の立体構造と機能に基づいて、1つの細胞におけるすべての生命現象を、システム全体として理解しようと研究を展開しています。1999年には「高度好熱菌丸ごと一匹プロジェクト」を立ち上げ、(1)遺伝子数が約2,200と少ない(ヒトは約23,000個、大腸菌は約4,500個)(2)厳しい環境に生きているためタンパク質が丈夫(3)遺伝子を操作する方法が確立されている、などの特徴から、モデル生物として、85℃という極限環境で生育できる高度好熱菌サーマス・サーモフィラスHB8株を選びました。サーマス・サーモフィラスHB8株は、あらゆる生物に共通して存在しいまだに役割がわからない約500種類のタンパク質を持っています。従って、これらのタンパク質の機能を明らかにすることは、サーマス・サーモフィラスHB8株細胞内のすべての生命現象をシステム全体として理解するために欠かせないだけでなく、ヒト由来タンパク質のように、解析が困難なタンパク質の機能の理解につながることになります。
 生命の遺伝情報はDNAに書き込まれており、これが書き換えられることは進化の原動力となる一方で、細胞死や老化、がん化の危険性を伴います。従って、細胞内のDNAは、さまざまな要因により絶えず書き換えの機会を得ると同時に、書き換えを防ぐ多様な機構を備えています。遺伝情報の書き換えの要因の1つは、一方のDNAの情報と他方のDNAの情報を入れ換える「DNA組換え」と呼ばれる反応です。この反応は、細菌においては外来DNAの取り込みによる新しい薬剤耐性遺伝子の獲得、ヒトにおいては減数分裂期(精子や卵などの生殖細胞ができるときに起きる細胞の分裂期)の相同染色体(2個ずつ対になっている同形同大の染色体)の入れ換えなど、遺伝情報の多様化になくてはならないものですが、同時に、細胞死やがん化の危険性を伴うため、厳密に制御される必要があります。
 研究グループは、サーマス・サーモフィラスHB8株の機能未知のタンパク質に注目し、X線結晶構造解析および生化学的手法を用いて、DNA組換え制御機構の解析を行いました。

2. 研究手法と成果
(1) 新たなDNA組換え抑制酵素「MutS2タンパク質」を同定
 細菌が、組換え反応により外来のDNAを自身のゲノムに取り込むと、薬剤に対する耐性を獲得します。従って、薬剤耐性株の出現率を調べると、DNA組換え反応の効率がわかります。研究グループは、この方法を用いて、サーマス・サーモフィラスHB8株由来のmutS2遺伝子欠損株と、野生株の組換え反応の効率を比較しました。mutS2遺伝子欠損株は、野生株より高い組換え効率を示し、機能未知のタンパク質MutS2が細胞内でDNA組換えを抑制していることが明らかになりました(図1)。このタンパク質は、それまで知られていたDNA組換え抑制酵素が持つアミノ酸配列と似ていなかったため、新たな組換え抑制機構の酵素として働くと考えました。

(2) 原子レベルの分解能でMutS2タンパク質をイメージング
 SPring-8の理研ビームラインBL26B2を用いて、MutS2タンパク質のX線結晶構造を解析しました。その結果、MutS2タンパク質の部分構造は、既知のDNA/RNA切断酵素と非常によく似ていることが判明しました(図2)。さらに、生化学的な手法を用いてMutS2タンパク質によるDNAの切断活性を調べたところ、MutS2タンパク質は、2本鎖DNA、特にDNA組換え反応における初期の中間体構造を好んで切断しました(図3)。これらの結果から、MutS2タンパク質が、反応の中間体を切断するという、これまで知られていなかった直接的で新規な組換え抑制機構(図4)を見いだしたことになりました。
 DNA組換えによってもたらされるゲノムの変化は、進化の原動力となりますが、それは同時に細胞死やがん化など生命の危機を伴うものです。DNAを組換えて新たな遺伝情報を獲得して進化するのか、それとも現状を維持して生き延びるのか、生命にとって重要な選択をコントロールするのがMutS2タンパク質といえます。
 また、MutS2タンパク質のDNA/RNA 切断酵素と似た領域に相当するタンパク質は、細菌からヒトまでほとんどすべての生物に保存されていますが、そのすべてが機能未知のタンパク質です。今回の解析結果は、それらのタンパク質の細胞内での役割についても手がかりを与えるものとなりました。

3. 今後の期待
 ヒトでは、MutS2タンパク質部分構造とアミノ酸配列が、非常に似た部分構造を持ったタンパク質「BCL3 - 結合タンパク質」が存在します。BCL3タンパク質は、ヒトの乳がんやマウスの皮膚がんなど、がん化した細胞において発現量が増加していることが知られており、BCL3 - 結合タンパク質のゲノム安定性維持機構への関与が疑われています。アミノ酸配列の高い相同性は、同じ機能を持つことを示唆するため、ヒトなどの高等生物においても、高度好熱菌と同様の反応機構がゲノム情報の維持を担っている可能性が考えられます。
 高度好熱菌に存在する約500種類の「あらゆる生物に共通して存在しながら機能のわかっていないタンパク質」の機能を明らかにすることは、細胞内のあらゆる生命現象をシステムとして理解することに必須であり、それは同時に、ヒトを含めた高等生物における生命現象の理解にもつながると期待されます。


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