がんの勉強部屋☆
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記憶のしくみと加齢によるその変化
記憶の再固定化のプロセスが加齢に伴う記憶障害に関与
- 記憶の再固定でタウタンパク質リン酸化酵素「GSK-3β」を活性化 -



◇ポイント◇
 ・タウタンパク質リン酸化酵素「GSK-3β」の正常脳での機能を確定
 ・GSK-3βは、再起した記憶の保持に必要
 ・アルツハイマー病発症が、脳の記憶形成維持プロセスに大きく依存

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、脳の記憶プロセスに関係するタウタンパク質をリン酸化する酵素の1つ「GSK-3β(※1)」の活性化が、記憶を呼び出し、それを再び固定化するプロセス(記憶の再固定化)に必須であることを発見しました。理研脳科学総合研究センター(田中啓治センター長代行)アルツハイマー病研究チームの高島明彦チームリーダー、木村哲也専門職研究員らの成果です。
 アルツハイマー病は、アミロイドベータタンパク質の蓄積とともに、タウタンパク質が嗅内野、海馬、扁桃体、前頭前野など記憶プロセスに重要な記憶ネットワークに蓄積することで、認知障害を引き起こします。一方、脳の老化は、認知症を引き起こす前にタウタンパク質が嗅内野に蓄積することで、軽い記憶障害に至るとされています。研究チームは、このタウタンパク質が蓄積する仕組みを明らかにする目的で、タウタンパク質の蓄積に関与するタウタンパク質リン酸化酵素GSK-3βの正常脳での役割を調べました。その結果、GSK-3βは、再起した記憶の再固定化に必要なことがわかりました。加齢と共に知識が増えることで記憶の再固定化のプロセスが頻繁に活性化されますが、このことがGSK-3βをさらに活性化してタウタンパク質の蓄積を引き起こし、老化による記憶障害を引き起こすと考えられます。
 脳老化は、アルツハイマー病を引き起こす前提条件です。本研究と、研究チームの最近の成果から、アルツハイマー病は単純なタンパク質の変成疾患ではなく、脳の記憶形成維持プロセスに大きく依存した疾患であることが明らかになってきました。そして、脳科学が加齢した脳(加齢脳)の記憶プロセスに対応したライフスタイルや生活環境を提案することで、脳の老化を遅延しアルツハイマー病の発症を制御できるようになると考えられます。
 本研究成果は、文部科学省特定領域研究「統合脳」の助成金を得て実施され、米国のオンライン科学雑誌『PLoS ONE』(10月28日号)に掲載されます。


1.背景
 アルツハイマー病は、ベータアミロイドの蓄積とともに、タウタンパク質が海馬、扁桃体、前頭前野など記憶プロセスに重要な記憶ネットワークに蓄積することで認知障害を引き起こすと考えられています。また、正常老化においても、嗅内野と呼ばれる脳部位でタウタンパク質の蓄積が観察されています。研究チームは、これまでに、ヒトタウタンパク質を過剰発現させたモデルマウスを用いて、加齢依存的に起こる嗅内野におけるタウタンパク質の蓄積は、加齢性の記憶障害を引き起こす大きな要因であることを報告しています(2007年11月16日記者発表 http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2007/071116/index.html)。今回、研究チームは、このタウタンパク質が蓄積する仕組みを明らかにする目的で、この蓄積に関与するタウタンパク質リン酸化酵素「GSK-3β」の正常脳における役割を調べました。



2.研究成果

(1)GSK-3βノックアウトマウスの作成
 正常脳におけるGSK-3βの機能を明らかにするために、GSK-3βの遺伝子を半分に減らしたノックアウトマウスを作製しました。作製したノックアウトマウスのGSK-3βの総量は、正常なマウスのほぼ半分となっており、これによって何らかの機能障害が起こることが予想されました。しかし、実際に作成したノックアウトマウスの成体の行動学的特徴を調べたところ、普段の運動(歩行や遊泳)や活動(概日周期に伴った動物の活動変化など)には大きな変化がなく、正常なネズミと区別できないことがわかりました。

(2)GSK-3βノックアウトマウスは記憶喪失を起こす
 ノックアウトマウスに水迷路を用いた場所学習課題(※2)を行わせたところ、非常に興味深い記憶障害を示しました。このノックアウトマウスを3日間(1日3試行)だけ水迷路トレーニングした場合、このマウスは正常なマウスと同様な学習傾向と空間記憶を示しましたが(図1中段グラフ)、9日間という長期にわたるトレーニングでは空間記憶痕跡が消失してしまいました(図1下段グラフ)。ノックアウトマウスは基本的な空間認識能力を持ち、空間学習が可能である一方、繰り返しトレーニング(学習操作)を受け、繰り返し記憶を呼び出すことになると、記憶喪失を起こすことがわかりました。

(3)GSK-3βノックアウトマウスは再起した記憶が喪失する
 ノックアウトマウスにコンテキスト恐怖条件付け(※3)を行って、記憶喪失を詳しく調べたところ、1回の学習操作で形成された記憶は1週間後も保持され、フリージング反応(※4)を誘導することがわかりました(図2上グラフ)。これは、ノックアウトマウスが場所の記憶を形成し、保持できることを示しています。一方で、1週間の記憶保持期間に1度だけ同じ場所に放置し記憶を呼び出した場合、1週間後のテストでは記憶喪失を起こしていました(図2下グラフ)。このことから、ノックアウトマウスの記憶喪失は、覚えた記憶を再起することで誘導されていることがわかりました。すなわち、GSK-3βは、再起した記憶の保持に重要な役割を持つタンパク質である可能性が示されました。

(4)GSK-3βは記憶の再起後数時間にわたって活性化する
 野性型マウスで、記憶の再起にともなってGSK-3βの活性変化が起こるか否かを生化学的に調べました。その結果、記憶再起後、少なくとも数時間以内は、脳内GSK-3βが高い活性を持つことが見いだされました(図3再起後)。このような高いGSK-3β活性は新規の記憶形成直後では見いだされず(図3学習後)、GSK-3βの活性化は記憶再起後に特徴的な反応といえます。さらに、GSK-3βの阻害剤を用いて、野生型マウスで記憶の再起時にGSK-3β活性を抑制したところ、ノックアウトマウスが示したのと同様に、再起記憶の喪失を起こすことを確認できました。
 これらのことから、確かにGSK-3βは、再起記憶の保持の過程(再起後、数時間を要するとされます)で活性化され、これによって保持の過程が円滑に進行していることがわかりました。



3.今後の期待
 本研究によって、GSK-3βの活性化が再起した記憶の保持過程(記憶の再固定化;図4)に必須の役割を果たしていることがわかりました。また、最近になって、GSK-3βの活性が、新規記憶の保持過程(記憶の固定化)に対して抑制的に作用するという結果が報告されました。これらの結果から、GSK-3βの活性状態が、脳の記憶の動向に大きな影響をあたえていることは明白といえます。今後GSK-3βの活性状態と記憶の状態変化を調べることで、これまでほとんど実体が示されてこなかった脳の情報処理過程である記憶の固定化および再固定化の研究基盤が確立することが期待されます。
 GSK-3βは、タウタンパク質をリン酸化することでその凝集体の生成を促し蓄積させることができるため、アルツハイマー病発症過程においても鍵をにぎるタンパク質の1つとされています。本研究は、その活性化状態が記憶の再固定化に必須の役割を担っていることを示しました。加齢と共に知識が増えることで、自然と記憶の再固定化のプロセスが頻繁に活性化されるようになると予想され、このことがGSK-3βをさらに活性化し、タウタンパク質の蓄積を引き起こすことによって老化による記憶障害を引き起こすと考えられます。
 本研究と、研究チームの最近の成果(2008年8月21日記者発表 http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2008/080821/index.html)から、アルツハイマー病は、単純なタンパク質の変成疾患ではなく、脳の記憶形成維持プロセスに大きく依存した疾患であることが明らかになってきました。そして、脳科学が加齢脳の記憶プロセスに対応したライフスタイルや生活環境を提案することで、脳老化を遅延しアルツハイマー病の発症を制御できる可能性があります。
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