がんの勉強部屋☆
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免疫応答のアクセルとブレーキの仕組み
免疫応答の強弱を決定する分子メカニズムを解明

T細胞補助刺激受容体CD28のミクロクラスターを発見


◇ポイント◇ 
 CD28ミクロクラスターが免疫細胞(T細胞)の活性化をポジティブに制御 
 プロテインキナーゼCθを呼び寄せ、サイトカイン産生や細胞増殖を劇的に増強 
 新たな免疫治療や画期的な薬剤開発に期待 

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、免疫応答の強弱を決定する分子メカニズムとして、T細胞リンパ球(T細胞)補助刺激受容体CD28※1を含む「ミクロクラスター」を発見し、T細胞の活性化の開始と維持を制御していることを明らかにしました。これは、理研免疫・アレルギー科学総合研究センター(谷口克センター長)免疫シグナル研究グループの斉藤隆グループディレクター(副センター長)、横須賀忠上級研究員らの成果です。

 免疫応答は、ウイルスや花粉などの異物(抗原)が体内に侵入したのを察知して、生体を守る働きをします。T細胞は、異物を感知して興奮し、自らが増殖したり、外敵を攻撃したり、ほかの細胞に情報を伝える分子(サイトカインやケモカイン)を放出したりします。抗原は、まず抗原提示細胞※2により取り込まれて処理された後、T細胞に情報として与えられます。この情報の受け渡しの際、2つの細胞は接着し、その接着面には、お互いの細胞表面にある受容体や細胞内のシグナル伝達分子が集まり、「免疫シナプス※3」が作られます。2005年に研究グループは、T細胞受容体を核として複数の分子から構成される微小な集合体「ミクロクラスター」を発見し、これが、T細胞が抗原を認識し活性化情報(シグナル)を伝える“ユニット”であることを明らかにしました。

 今回、研究グループは、T細胞の活性化をポジティブに制御する補助刺激受容体CD28も、T細胞受容体と同じミクロクラスターに集合し、「プロテインキナーゼCθ」という特殊なリン酸化酵素※4を呼び寄せることで、T細胞の増殖とサイトカイン産生を劇的に増加させることを発見しました。また、T細胞の活性化が5~10分と進むにつれ、T細胞受容体は接着面の中心部に集まり不活性化されますが、CD28とプロテインキナーゼCθはT細胞受容体から分離し、その周囲に輪状にとどまりながらT細胞の活性化を維持していることを明らかにしました。

 CD28はT細胞の活性化に不可欠な補助刺激受容体として古くから知られており、CD28からのシグナルがないとT細胞は不応答に陥ってしまいます。CD28シグナルを増減させることで、T細胞の活性化を調節することができるため、がんに対する免疫応答の強化や、それとは逆に移植拒絶や自己免疫疾患などの過剰な免疫応答の緩和にも用いられつつあります。研究グループは、CD28のシグナル伝達系が、T細胞受容体と協調的かつ独自に、時間的かつ空間的にT細胞の活性化を制御していることを突き止めました。アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患やリウマチなどの自己免疫疾患の多くが、T細胞の活性化の制御異常によるものです。移植医療に対する免疫抑制剤やがん治療に対する免疫賦活剤の開発目的からも、本研究の成果は、新たな免疫治療への進歩をもたらすと期待されます。

  本研究成果は、米国の科学雑誌『Immunity』(10月9日付け:日本時間10月10日)に雑誌の表紙と共に掲載されます。 


1.背景 
 生体を外敵から防御するため、その中心的役割を果たす免疫系は、まずウイルスや花粉などの異物が体内に入り込んだことを知ることから始まります。自然免疫の一役を担う抗原提示細胞は、異物の侵入を察知し、その異物を飲み込み抗原として提示します。T細胞は、その提示された抗原を認識することで自らが活性化し、さまざまなサイトカインを放出したり、すでに感染してしまった細胞を殺したり、B細胞リンパ球(B細胞)に抗体を産生させたりという、より高度な免疫システム(獲得免疫)を開始させます。

 T細胞は、T細胞受容体を介して抗原提示細胞上の抗原を認識しますが、この情報の受け渡しの際、T細胞は抗原提示細胞と強固に接着します。接着面には、お互いの細胞表面にある受容体や細胞内のシグナル伝達分子が同心円状に規則正しく配列するため、神経シナプスにちなんで、この構造を「免疫シナプス」と呼んでいます(図1)。

 2005年に研究グループは、最新の生体分子イメージング※5の技術を用いて、免疫シナプスが形成される以前に、すでにT細胞受容体と下流のシグナル伝達分子による微小な集合体が形成され、これがT細胞活性化の開始点であることを発見しました。この集合体は、T細胞受容体数10個からなり、1つの接着面に数100個が形成されます。研究グループは、これまで提唱されていた「免疫シナプス」もこの集合体の集まりであることを明らかにし、「ミクロクラスター」と命名しT細胞活性化の“ユニット”であることを提唱しました(『Nature Immunology』 2005年12月号、2005年11月7日プレス発表)。

 T細胞の活性化は、T細胞受容体による抗原認識によって起こりますが、T細胞受容体からのシグナル単独では、十分な活性化が起こらないばかりでなく、T細胞の細胞死や不応答が誘導されてしまいます。しかし、T細胞の表面には、さまざまな補助刺激受容体が発現していて、T細胞の活性化をポジティブにもネガティブにも調節しています。これらの中でも、CD28は、最も重要な補助刺激受容体とされ、細胞増殖やサイトカイン産生を促すなど
、T細胞の活性化をポジティブに制御しています。しかし、T細胞の機能を大きく制御する一方、そのシグナル伝達経路には不明な点が多く、混沌とした状況でした。  


2.研究手法と成果
 今回研究グループは、CD28が、補助刺激受容体としてT細胞受容体のミクロクラスターをどのように修飾するのか、またCD28補助刺激受容体はミクロクラスターを形成するのか、に焦点を置いて研究を進めました。

 まず、従来の方法では、詳細な観察が不可能なため、生体分子イメージングの最新技術を融合し、さらに新しいシステムを確立しました。ガラス平面上に抗原提示細胞に見立てた人工の細胞膜(人工脂質2重膜)を作成し、その上に抗原提示細胞が発現しているT細胞受容体の相手方(リガンド)とCD28のリガンドを、可動性を保った形でのせます。この人工脂質膜上にT細胞を置き、接着面で起きる現象を高感度蛍光顕微鏡で観察しました。T細胞受容体やCD28、細胞内のシグナル伝達分子など、その動きを観察したい分子には、あらかじめ蛍光タンパク質を融合しました(図2)。

 T細胞が人工脂質膜と接触すると、膜上を伸びながら接着面を広げていきます。接触直後から、接着面にはT細胞受容体のミクロクラスターが次々と形成されますが、リガンドのあるときに限り、CD28もT細胞受容体のミクロクラスターに集まり、特殊なリン酸化酵素「プロテインキナーゼCθ」を呼び寄せることがわかりました。また、T細胞受容体とCD28のミクロクラスター形成の後、T細胞受容体は接着面の中心部に移動し活性を失う一方、CD28とプロテインキナーゼCθはT細胞受容体から分離し、中心のT細胞受容体の周りで、活性化シグナルを伝え続けていることがわかりました(図3)。

 これまでに、CD28とプロテインキナーゼCθとのかかわりは示唆されていましたが、その両者の直接的な関係を明らかにしたのは、今回が初めてです。また、T細胞受容体からの抗原認識シグナルが、T細胞受容体を含むミクロクラスターによって制御されているのと同様に、補助刺激受容体からのシグナルも、CD28を取り込んだミクロクラスターによって起こることが明らかとなりました。これらの結果は、「ミクロクラスター」が、これまで考えられてきたようなT細胞の活性化の開始だけでなく、活性化の維持も制御していることを示しています(図4)。

 これまで免疫細胞の活性化のメカニズムは、多くの異なる手法で研究されてきましたが、今回の研究は、活性化の現場を1つずつの分子の動きを観察することで、分子の離合集散を明らかにし、免疫応答の開始と維持のメカニズムを解明した、画期的な研究成果といえます。  


3.今後の期待 
 T細胞受容体の補助刺激分子には、CD28のほか、ポジティブ、ネガティブに働く受容体が複数存在します。それらは単独では機能できませんが、T細胞の活性化を制御するだけでなく、T細胞を抑制性T細胞へ分化させるのか、あるいは活性化T細胞へ分化させるのか、といった細胞の運命決定までも左右する重要な分子です。あいにく、これらのシグナル伝達機構は、単純なこれまでの生化学的解析からはよくわかっていませんでした。研究グループの成果は、これら補助刺激分子を「ミクロクラスター」という視点で捉え、複雑な補助刺激分子のシグナル伝達系解明への可能性を示唆しています。

 CD28はT細胞の活性化に不可欠であり、CD28シグナルを増減させることによって、T細胞の活性化を調節することが可能です。より強い免疫反応が必要とされるがん治療などの場合は、免疫応答を増強させる方向に、またそれとは逆に、過剰な免疫反応が原因になっている移植拒絶や自己免疫疾患などの場合は、抑制する方向に応用されてきています。抑制性T細胞を活性化させる目的で、スーパーアゴニスト抗CD28抗体※6のリウマチ患者に対する投与が、英国において行われました。しかし、本来、抑制性T細胞だけ反応させるはずの抗体が、T細胞全体に及び、サイトカイン放出症候群と多臓器不全という重篤な副作用を誘引し、治験は第1相試験で中止になりました。このことは、CD28のシグナル伝達経路をしっかり解明してから臨床応用をすべきであったことを物語っています。この点からも、CD28のシグナル伝達経路を明確にする基礎実験の積み重ねが必要です。今回、分子レベルの観察によって明らかとなった「ミクロクラスター」によるT細胞制御のメカニズムは、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、リウマチなどの自己免疫疾患への新しい治療法、移植医療に対する免疫抑制剤、またがん治療に対する免疫賦活剤の新しい開発法への可能性を示しており、安全で効果的な免疫治療の進歩につながると期待されます。  


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テーマ:医療・健康 - ジャンル:ニュース

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