がんの勉強部屋☆
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進行結腸直腸癌治療に、より柔軟な対応が示唆される
進行性の結腸直腸がんの化学療法についての報告です。
このがんへの化学療法は、単剤での投与が行われていますが、
そうではなくて、複数の薬剤を併用した方が、奏効率や無増悪生存率も高くなる可能性があるということを示唆しています。
結腸直腸がんには、分子標的薬といわれる、がん細胞に過剰に存在する蛋白質のみを攻撃する薬剤も開発されてきていますので、これからさらに化学療法の有効性が高まっていくと思われる研究報告でした。

以下、記事の抜粋です。


欧州で行われた2つの新規大規模臨床試験の結果が、進行結腸直腸癌患者、とりわけ主に緩和目的で治療を行う患者の初期治療に関する従来の考え方に疑問を投げかけていると、両試験の指導者らは語る。


Lancet誌6月14日号に掲載された両試験の結果によれば、この患者群に一次治療として行うフルオロウラシルあるいはカペシタビン単独投与には、欧米で一般的に推奨されている2剤併用化学療法と同等の有効性があり、毒性がより少ない可能性があることが示唆されている。


しかし、米国や諸外国において結腸直腸癌治療の第一線にある専門家たちは、この結果を過大解釈することに注意をうながし、併用化学療法を今後も大部分の進行期患者に対する標準的1次治療とすべきだと主張した。


いずれの試験においても、一次治療として単剤を用いた後に異なる化学療法薬へ切り替える逐次、または段階的アプローチと呼ばれるレジメンと、同患者群で有効性が示されている併用レジメンを行った患者間の全生存期間に統計学的有意差はみられなかった。


2つの試験のうち、より大規模なFOCUS試験を主導した英国のリーズにあるクックリッジ病院のDr. Matthew T. Seymour氏らは、根治を目的としない治療を行う患者にとって、この結果は、比較的毒性の少ない治療から開始して効果のある薬剤を残しておくという段階的治療アプローチを選択する決断が生存への影響(あるとすれば)を最小限に留めるという認識を知らしめることにより「重要な選択肢」を提供するものだと記す。

両試験は段階的治療群でいくらか異なるアプローチをとっているものの、ともに併用化学療法を一次治療とする1群に患者をランダム化している。FOCUSは2試験中、より規模が大きく2100例を超える患者を対象としている。もう一方のCAIROでは、一次治療の単剤としてカペシタビンを用いており、820例を対象としている。


試験結果の解説欄において、ドイツのMartin Luther大学のDr. Hans-Joachim Schmoll氏とメイヨー・クリニックのDr. Daniel Sargent氏は、一次治療として行う単剤投与の適応は制限されるべきだと裏付けるいくつかの要因を挙げた。


併用療法は全生存期間の改善においてフルオロウラシル単独よりも優っていると複数の試験で示されていると、彼らは述べる。


さらに、FOCUSとCAIROで用いた一次治療の併用化学療法レジメンは、標準レジメンとして認められたものではなかった。このことは「治療の縮小を検証するためにデザインされた試験」として必須であると彼らは主張した。


緩和的治療としても併用化学療法がもっとも賢明な選択肢であることが多いと、USC/Norris総合がんセンターの消化管腫瘍学プログラムの副ディレクターであるDr. Heinz-Josef Lenz氏は語る。


「データは明確である。すなわち、一次治療として行った併用療法による奏効率は高く、無増悪生存率も高い」とDr. Lenz氏は語る。これは優れた緩和治療と解釈されることが多い、と彼は付け加えた。


一次治療を単剤で行うことは、治療目的が明らかに緩和のためであり、パーフォーマンス・ステータス(身体状態)が不良で疾患の侵攻性が比較的低い患者などに対しては適切である可能性があると、エールがんセンターの消化管癌プログラムのディレクターであるDr. Wasif Saif氏は述べた。


「両試験の結果は一部の患者に対して非常に重要な選択肢を提供したが、標準治療を変更する前になすべきことが多いと考えている」と、彼は注意を促す。


Dr. Saif氏は、特定の薬剤や治療への反応性を示唆する分子バイオマーカーの発見が、最も優先されるべきであると強調した。


Dr. Lenz氏は賛同したが、そのようなバイオマーカーの探求は、治療パターンの急速な変化によってこれまで阻まれてきたと語った。しかし、これからは、一部の進行結腸直腸癌患者に対して有効性が示された化学療法薬や、ベバシズマブ(アバスチン)やセツキシマブ(アービタックス)などの標的薬への感受性を予測するバイオマーカーを開発し検証することが「有望なチャンス」になるだろうと彼は期待を寄せる。

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