がんの勉強部屋☆
がんの最新情報から予防、医療情報まで科学的証拠に基づいた情報を集めまています。いろいろな情報を共有できたらと思っています。
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理化学研究所、10兆分の1秒で形を変えていく分子の瞬間の構造を観測
10兆分の1秒で形を変えていく分子の瞬間、瞬間の構造を観測
- 化学反応の遷移状態の構造解明に道を拓く -



◇ポイント◇
 ・100兆分の1秒の光パルスで分子を瞬間的に揺さぶり、その揺れの変化をキャッチ
 ・異性化反応途中のスチルベン分子の連続的な構造変化をリアルタイムで追跡
 ・化学反応の鍵となる遷移状態の瞬間の構造に迫る


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、分子が炭素原子間の二重結合位置でねじれる「異性化反応」において、分子の形が10兆分の1秒の時間スケールで連続的に変化していく様子を、最先端の分光計測法を用いて解明しました。これは、基幹研究所(玉尾皓平所長)田原分子分光研究室の竹内佐年専任研究員と田原太平主任研究員が、国立大学法人北海道大学の武次徹也教授らと共同で行った研究による成果です。

 分子の異性化は、構造異性体(※1)と呼ばれる互いに関連した化学種どうしを変換する、基本的な化学反応です。この反応は、私たちがものを見る際に、最初に光によって網膜中の光受容タンパク質の中で引き起こされるなど、多くの重要な生化学過程の鍵ともなっています。このため、異性化反応の間に、分子が実際にどのように変形していくのかを解明することは、大変重要な課題でした。しかし、これまで化学反応の前後で分子の構造を調べることはできても、反応(変化)の途中で分子が徐々にその形を変えていく様子を観測することは困難でした。

 研究グループは、スチルベン(※2)という分子に紫外光を照射して異性化反応を開始させ、分子がシス型(※1)からトランス型(※1)へと異性化する様子を、新たなラマン分光法(※3)である「時間分解フェムト秒インパルシブ・ラマン分光法(※3)」を用いて観測しました。具体的には、まさに反応途中で形を変えつつあるスチルベン分子に、100兆分の1秒の光パルスを照射して瞬間的に揺さぶり、その揺れの振動数を精密に決定しました。その結果、異性化反応の進行とともに振動数が10%も低下することを見いだしました。この実験結果を最先端の量子化学計算を用いて詳しく解析したところ、これまで考えられてきたようなスチルベンのフェニル基(※2)の動きではなく、質量の軽い水素原子の動きにより分子のねじれが引き起こされていることが分かりました。これによって、反応中の各原子の動きが明らかとなり、化学反応の間に分子がその構造を連続的に変化させていく様子の追跡が実現しました。

 本研究成果は、化学反応が進む方向に決定的な役割を果たす「遷移状態」と呼ばれる瞬間状態の構造を解明する道を拓くと期待されます。この成果は、米国の学術誌『Science』(11月14日号)に掲載されます。


1.背景
 化学反応では、原子間の結合が切れたり作られたりしながら、元の分子とは異なる分子が生み出されます。このような化学反応による分子変化の過程で、分子を構成する各原子の位置がどのように動き、分子の形がどのように変わっていくのかを“手に取る”ように眺め、その一連の変化の仕組みを解明することは、化学の究極の夢の1つといえます。このために科学者は、化学反応の途中に現れ、反応の行方に決定的な役割を果たす「遷移状態」と呼ばれる瞬間状態に注目し、その遷移状態の分子の構造を決定することを夢見てきました。

 現在では、1兆分の1秒という非常に短い時間内に進む超高速の反応でも、先端的分光計測法を使うと、反応の進行とともに反応前の分子の数が減少し、反応によってできる生成分子の数が増加する様子を観測することが可能です。つまり、反応の速さを決めることができます。また、振動分光法(※4)という手法を用いると、反応前の分子や生成分子の形を決めることもできます。しかし、これまで、反応の途中で分子の形がどのように連続的に変化し、元の分子から生成分子へと形を変えていくかを実際に観測することは困難でした。そのため、反応途中の分子の形を解明するための実験データがなく、真の意味での反応機構の理解を難しくしていました。

 そこで、研究グループは、分子が炭素原子間の二重結合位置でねじれる「異性化」と呼ばれる基本的な化学反応を取り上げ、反応途中の分子構造の連続変化を新しい最先端の分光法を用いて研究しました。分子の異性化は、構造異性体と呼ばれる互いに関連した化学種どうしを変換する基本的な化学反応の1つであるだけでなく、数多くの生化学過程にもみられる重要な化学反応です。実際、私たちの視覚では、目に入った光が、光受容タンパク質の中の発色団分子に吸収され、発色団分子が異性化を起こし、その構造がねじれることによって刺激を誘起することが知られています。このように、異性化に伴って分子の形がどのように変化するかを分子科学的に解明することは、生命活動の仕組みを分子レベルで読み解く上でも重要な課題として認識されています。

 スチルベンという分子は、光によって異性化を起こす基本分子として、光受容タンパク質の発色団分子と同様に精力的に研究されてきました。スチルベンは、中央に炭素原子間の二重結合を持ち、その両側にベンゼン環と水素原子が1つずつ結合した構造を持ちます(図1)。二重結合まわりのねじれ角の違いにより、トランス型とシス型という2つの構造異性体があります。シス型のスチルベンに紫外光(波長267ナノメートル)を照射すると、分子が高いエネルギーを持つ電子励起状態となって二重結合まわりにねじれ、トランス型へと異性化を起こします。この基本分子の異性化の速度は、シス型分子の数の減少を測定する分光法によって詳細に研究されており、約1兆分の1秒の間に異性化が起こることが分かっています。しかし、このように反応前と反応後の構造のよく分かっている最も基本的な分子の異性化反応でさえ、反応途中の構造がどのような変化の経路をたどるかは、これまでまったく分かっていませんでした。


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東北大学など、細胞老化を抑えるタンパク質を発見
細胞老化を抑えるタンパク質を発見
―がんや老化に対する治療標的分子候補同定へ向けて―


 がん抑制因子p53(注1)は細胞老化(非可逆的な増殖停止)やアポトーシスを誘導することにより、細胞のがん化を抑えます。このたび、東北大学大学院医学系研究科細胞生物学講座生物化学分野の土肥由裕研究員(現・広島大学医歯薬学総合研究科)、井倉毅講師、五十嵐和彦教授のグループは、財団法人癌研究会癌研究所などのグループと共同で、転写因子(注2)Bach1(バック1)がp53と結合し、その働きを阻害することにより、細胞老化を抑えることを発見しました。細胞老化は個体の老化とも密接に関係することから、Bach1は、がんや老化をコントロールする上で新しい治療標的となる可能性が考えられます。この発見は米国の学術誌Nature Structural & Molecular Biology誌(ネイチャー構造分子生物学誌)の電子版に11月16日18時(英国グリニッジ標準時間)に発表されます。


【 研究内容 】
 我々の体を構成している細胞は、分裂を繰り返しながら増殖しますが、その分裂回数を一定の範囲に制限する仕組みがあります。この仕組みの一つは「細胞老化」と言われ、これが幹細胞(注3)などで生じると組織・臓器の再生能力が低下することから、細胞老化は個体の老化の一因ともなっていると考えられます。一方、細胞老化は、遺伝子に変異が蓄積した細胞が増殖することを防ぎ、がん化を抑制する重要な仕組みともなっています。細胞老化は、p53という転写因子が働くことにより生じます。p53は、細胞老化に関わる遺伝子を発現させることにより細胞の増殖停止を促し、細胞老化を誘導することが知られています(図1 左)。またこの作用により、p53は異常細胞の増殖を防ぐがん抑制因子としても働いています。しかし、細胞老化の前後でp53の働きが調節される分子機構は長年不明でした。

 今回、東北大学大学院医学系研究科・生物化学分野(五十嵐和彦教授)のグループは、財団法人癌研究会癌研究所(野田哲生所長)、独立行政法人理化学研究所基幹研究所(吉田稔室長)のグループとの共同研究により、転写因子Bach1がp53と結合してその働きを抑え、細胞老化を抑制することをマウスでの遺伝子破壊実験(注4)やタンパク質ネットワーク解析などにより明らかにしました。Bach1遺伝子を欠損する細胞は、野生型の通常細胞と異なりp53が容易に活性化し、速やかに細胞老化に至りました。すなわち、Bach1はp53の働きを阻害することにより、細胞老化のブレーキとして働くことが証明されました(図右)。細胞老化が「がん抑制」としての機能を併せ持つことを考えると、Bach1は、老化を抑制するのみならずがん化を促進する役割を持っている可能性があります。また、個体の老化に対してもBach1がブレーキ役として働いている可能性があります。今回の発見は細胞老化やがん化を理解する上で重要なものであり、この研究をさらに進めることにより、がんや老化に対する治療標的分子が同定され、新しい診断や治療法につながることも期待されます。

 本研究は、文部科学省科学研究費補助金(特定領域研究「遺伝情報デコード」、「遺伝情報システム異常と発がん」および基盤研究B)、東北大学医学系グローバルCOEプログラム「Network Medicine 創生拠点」、上原記念生命科学財団研究助成金、武田科学振興財団研究助成金、財団法人病態代謝研究会研究助成金により支援されました。

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エーザイ、てんかん治療剤「BANZEL」がレノックス・ガストー症候群の治療薬として米国で承認取得
てんかん治療剤「BANZEL(TM)」
レノックス・ガストー症候群の治療薬として米国で承認取得


 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)の米州統括会社であるエーザイ・コーポレーション・オブ・ノース・アメリカ(本社:ニュージャージー州、会長:清水初)は、2008年11月14日(米国東部時間)、「BANZEL(TM)」(一般名:ルフィナマイド)について、FDA(米国食品医薬品局)より「4歳以上の小児および成人におけるレノックス・ガストー症候群(Lennox - Gastaut Syndrome:LGS)に伴うてんかん発作の併用療法」を効能・効果として承認を取得したと発表しました。また、「成人および12歳以上の青年期における、二次性全般化を伴うもの、伴わないものを含む、部分てんかんの併用療法」の効能・効果についても本剤の新薬承認申請を提出しておりましたが、本件につきましては、FDAより Complete Response Letter を受領しました。

 「BANZEL(TM)」は、既存のてんかん治療剤とは類似性のない、新規構造のトリアゾール誘導体です。本剤は、てんかん発作の原因となる過剰電荷を帯びている脳内ナトリウムチャネルの活動を調節することにより、抗てんかん作用を示すと考えられています。

 二重盲検、プラセボ対照で実施したピボタル試験では、「BANZEL(TM)」による併用療法を受けたLGS患者様は、意識消失や転倒を引き起こす転倒発作の発生頻度の中央値が42.5%減少したのに対し、プラセボ投与群では1.4%の増加となりました。

 LGSは最も重篤な小児期てんかんのひとつです。複数の発作型を示し、発作が頻回に発生することが特徴で、通常、低年齢(1~5歳)で発症します。米国では、小児てんかん患者様全体(14歳未満では約30万人)の約1~4%を占めています。LGS患者様のおよそ3~7%が10年以内に死亡すると言われています。LGSは難治性であり、通常、患者様は発作を抑制するために数種類のてんかん治療剤を服用しています。また、発作型が複数に及び発作の発生頻度も高いため、発達遅延や行動障害を伴う場合もあります。

 LGSは患者様とそのご家族の生活に計り知れない影響を及ぼす疾患です。当社は引き続き、最も必要としている方々に新たな治療の選択肢を提供することによって、患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。


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アンジェスMG、NF-κB/Etsリボン型デコイの腹部大動脈瘤に対する有効性確認など研究成果を発表
NF-κB/Etsリボン型デコイの腹部大動脈瘤に対する
有効性を動物試験において確認
-米国心臓協会(AHA)年次学術大会2008で大阪大学が発表-


 大阪大学が行ったNF-κB/Etsリボン型デコイの研究において、腹部大動脈溜に対する有効性が動物試験において確認され、同大学の研究グループが米国心臓協会(AHA)年次学術大会2008において11月9日に本研究成果を発表いたしました。

 N F-κB/Etsリボン型デコイとは、NF-κB及びEtsの二つの転写因子に対する阻害作用を有するダブルデコイで、血中での安定性を高める目的でリボン型(末端領域をサークル状に修飾した改良型デコイ)に構造を変化させたものです。
 本研究においては、NF-κB/Etsリボン型デコイをラットの腹部大動脈瘤モデルに腹腔内に投与したところ、コントロール群と比較し、統計学的に有意に動脈瘤の大きさを抑制しました。また、動脈瘤に関連するMMP(matrix metalloproteinase)においても、NF-κB/Etsリボン型デコイは、従来型のNF-κB/Etsデコイと比較し、統計学的に有意に抑制しました。

 腹部大動脈瘤は、基本的に薬剤で治療することは難しく、時間の経過とともに拡大していく疾患です。また、今回抑制したMMPは、血管壁のコラーゲンやエラスチンを破壊し、血管径を膨張させます。治療としては膨隆した動脈壁を取り除き人工血管やステントグラフトに置換する手術が主に行われておりますが、薬剤による治療が可能となった場合には、非侵襲的な治療のため、患者様にとって大きな負担の軽減になる可能性があります。

 また、今回の試験結果は、局所投与を前提とする従来型デコイと比較し、リボン型デコイの生体内での安定性向上を示唆しており、当社としては、NF-κB/Etsリボン型デコイの応用により、腹腔内投与、さらには静脈内投与(全身投与)による、患者様にとって侵襲性の少ない腹部大動脈溜の治療薬開発につながることを期待しています。

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常盤薬品、医薬品成分「南天実エキス」の気管拡張作用メカニズムを発表
武蔵野大学薬学部との共同研究

ノエビアグループの常盤薬品工業は、医薬品成分「南天実エキス」の
すみやかに気管を拡張させるメカニズムを明らかにしました。

「第114回日本薬理学会近畿部会」にて発表



■概要
 ノエビアグループの常盤薬品工業株式会社(本社:東京都港区、社長:大倉 尚(ひさし))は、武蔵野大学薬学部薬理学研究室(阿部 和穂(かずほ)教授)と、医薬品成分である南天実エキスの有効性と安全性を検証するために共同研究をおこなっております。
 呼吸器系の障害による咳に対して、気管・気管支拡張薬が有効であることは既に認められています。私たちはこれまでに、南天実エキスの気管拡張作用を報告すると共に、その作用に関与する成分は、南天実エキス中の主なアルカロイドであるナンテニン(O-メチルドメスチシン)に加えて、最近、ヒゲナミンが含まれていることを明らかにしてきました。
 今回は南天実エキスと、南天実中のナンテニン・ヒゲナミンが、どのようなメカニズムにより気管を拡張しているのかを詳細に調べました。その結果、南天実エキスのすみやかな気管拡張作用は、ヒゲナミンによるβアドレナリン受容体※1(β受容体)を介したメカニズムであることがわかりました。また、ナンテニンはβ受容体を介さず、他のメカニズムにより気管を拡張することもわかりました。

 ※1…気管に存在するβアドレナリン受容体に作用すると、気管が拡張することが知られています


 研究成果は2008年11月14日(金)、『第114回日本薬理学会近畿部会』(神戸)にて発表いたしました。


■結果ならびに考察
 南天実エキスの気管拡張作用には、ナンテニンに加えて、ヒゲナミンも関与していることを明らかにしました。今回、南天実エキスに含まれるヒゲナミンが、β受容体を介して気管を拡張することがわかりました。
 これによって、南天実エキスのすみやかな気管拡張作用は、ヒゲナミンによるβ受容体を介したメカニズムであることが明らかになりました。

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カゴメ、ホウレンソウに血中ホモシステインを低減させる作用を確認など研究成果を発表
ホウレンソウに血中ホモシステインを低減させる作用を確認
~動脈硬化の予防に期待~
カゴメ、静岡大学の共同研究


 カゴメ株式会社経営企画本部総合研究所(栃木県那須塩原市)は、静岡大学(静岡県静岡市)杉山公男教授との共同研究で、ホウレンソウに血中ホモシステインを低減させる作用があることを、動物を用いた試験で確認しました。今回の研究成果により、ホウレンソウの摂取による動脈硬化の予防作用が期待できます。本研究内容は、第13回日本フードファクター学会総会・学術集会(11月17~18日タワーホール船堀)において発表いたします。

■ 共同研究者静岡大学杉山公男教授のコメント
 動脈硬化の発症には様々な因子が関与していると考えられています。一般的に知られているのは、血中コレステロールの関与です。今回は、血中コレステロールとは別のメカニズムによって動脈硬化のリスクを高めるといわれている血中ホモシステインに着目致しました。その結果、ホウレンソウに血中ホモシステインを低減させる作用があることを確認しました。その作用物質は、ホウレンソウに豊富に含まれるベタインであると考えられます。血中ホモシステインは喫煙や過度の飲酒などによって増加するといわれています。ホウレンソウなど野菜をしっかりと摂る健康的な生活を心がけることで、危険な疾病へと繋がる動脈硬化を予防しましょう。

■ 研究の背景
 最近では、ガン、心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病で亡くなられる方が約7割に達し、その中でも動脈硬化を中心とする循環器系疾患は大きな割合を占めています。ホモシステインは必須アミノ酸であるメチオニンの中間代謝物として生成しますが、ホモシステインの血中濃度が高まると高ホモシステイン血症となります。高ホモシステイン血症は、動脈硬化の独立したリスク因子と考えられています。一方で、ホウレンソウに多く含まれるベタインという物質は、ホモシステインからメチオニンへの代謝を促すことで、ホモシステインを低減させます。そこで高ホモシステイン血症を発症させたラットを用いて、ホウレンソウによる血中ホモシステイン濃度に与える影響について評価しました。

■ 研究概要
 * 関連資料 参照

■ 用語の説明
動脈硬化
 動脈が狭くなることで血液の流れが悪くなったり、動脈の壁が堅くもろくなってしまう状態を言います。一般にLDL-コレステロールの増加やHDL-コレステロールの減少などが動脈硬化のリスク因子として知られています。それとは別に、ホモシステインの増加も独立した動脈硬化のリスク因子の1つといわれています。

メチオニン
 人が体内で作り出すことのできない必須アミノ酸の1つです。肝臓中でいくつかの中間代謝物を経たのち、システインへと代謝されます。

ホモシステイン
 メチオニンがシステインに代謝されるときに中間代謝物として生成します。血中濃度が高まる高ホモシステイン血症は、動脈硬化のリスク因子であるといわれています。

ベタイン
 アミノ酸の一種であり、植物ではアカザ科に多く含まれます。アカザ科の野菜にはホウレンソウなどがあります。ベタインはメチル基を供与することによって、ホモシステインからメチオニンへの代謝を促します。

BHMT(ベタイン-ホモシステインS-メチルトランスフェラーゼ)
 ベタインのメチル基をホモシステインに転移させる酵素です。肝臓中でホモシステインからメチオニンへの代謝を促します。

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第一三共、インフルエンザ治療剤CS-8958の第III相臨床試験を開始
インフルエンザ治療剤CS-8958の第III相臨床試験開始について



 当社が自社創製したインフルエンザ治療剤CS-8958の、本邦での第III相臨床試験を開始しましたので、お知らせいたします。
 CS-8958は、長時間作用型のノイラミニダーゼ阻害剤(Long Acting Neuraminidase Inhibitor、以下LANI)であり、1回の投与のみでの治療効果を期待しています。現在、本剤はインフルエンザウイルスの感染部位である肺、気管に直接作用する吸入治療剤として開発中です。また、これまで実施した非臨床試験において、A型、B型のインフルエンザのみならず本剤のH5N1鳥インフルエンザウイルスに対する効果も確認しております。
 第III相臨床試験は、A型またはB型のインフルエンザに感染した成人患者を対象に、1群数百人規模でCS-8958の有効性と安全性を検討することを目的とし、CS-8958 1回吸入投与群とリン酸オセルタミビル75mgの1日2回、5日間連続投与群との二重盲検試験を実施します。
 有効性評価項目は、投与後のインフルエンザ関連症状の改善と解熱効果であり、CS-8958とリン酸オセルタミビル投与群との間で統計的に差がないこと(非劣性)を検証することを目的としています。安全性についても臨床使用上問題がないことを確認します。
 当試験はMARVEL(Multinational Asian Clinical Research for Influenza Virus Extermination on LANI)と名づけられ、台湾、香港、韓国での国際共同試験として実施します。
 また、小児を対象とした第II/III相試験も並行して実施し、小児に対する有効性と安全性を検討する予定です。


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カゴメ、リコピンに血中アディポネクチンを増加させる作用を確認など研究成果を発表
リコピンに血中アディポネクチンを増加させる作用を確認
~メタボリックシンドロームの予防に期待~
カゴメ、北海道大学の共同研究


 カゴメ株式会社経営企画本部総合研究所(栃木県那須塩原市)は、北海道大学(北海道函館市) 宮下和夫教授との共同研究で、リコピンに血中アディポネクチンを増加させる作用があることを、動物を用いた試験で確認しました。今回の研究成果から、トマトの摂取によるメタボリックシンドロームの予防作用が期待できます。本研究内容は、第13回日本フードファクター学会総会・学術集会(11月17~18日タワーホール船堀)において発表いたします。


■共同研究者北海道大学宮下和夫教授のコメント
 脂肪組織は単なるエネルギーの蓄積器官にとどまらず、様々なアディポサイトカインという生理活性タンパク質を分泌し、身体全体に影響を与えていることが分かってきました。内臓脂肪型肥満によって、脂肪細胞が過剰に肥大すると、これらアディポサイトカインの分泌に変化が生じます。
 善玉のアディポサイトカインといわれるアディポネクチンは減少し、メタボリックシンドロームが進行する原因となります。よって、アディポネクチンはメタボリックシンドロームの予防に重要な役割を担っていると考えられます。今回、トマトの色素であるリコピンに血中アディポネクチンを増加させる作用を確認しました。メタボリックシンドロームは様々な疾病リスクが高まる状態です。血中アディポネクチンの増加に寄与することは、疾病リスクを低下させるうえで重要だと考えられます。


■研究の背景
 最近、内臓脂肪型肥満が原因で高血糖、脂質異常症および高血圧の状態となるメタボリックシンドロームが問題となっています。厚生労働省の調査により、メタボリックシンドロームは予備群も含め、中高年世代で2000 万人近いことが報告されています。この問題に対し、平成20年度からは特定健康診査・特定保健指導が開始されるなど、メタボリックシンドロームの予防は健康を保つために重要です。

 アディポネクチンは脂肪細胞でつくられるアディポサイトカインの一種であり、糖尿病や動脈硬化を予防・改善する作用があります。しかし、内臓脂肪型肥満になるとアディポネクチンは減少し、メタボリックシンドロームがさらに進行してしまいます。そこで、メタボリックシンドローム予防対策として血中アディポネクチン濃度に注目し、リコピンが血中アディポネクチン濃度に与える影響を評価しました。

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カゴメ、紫人参のアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用を確認など研究成果を発表
紫人参にアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用を確認

アルツハイマー型認知症の改善に期待

カゴメ、野菜茶業研究所の共同研究


 カゴメ株式会社経営企画本部総合研究所(栃木県那須塩原市)は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所(三重県津市:所長望月龍也)との共同研究で、紫人参のアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用を確認しました。今回の研究成果より、紫人参のアルツハイマー型認知症の改善が期待できます。本研究内容は、第13回日本フードファクター学会総会・学術集会(11月17~18日タワーホール船堀)において発表いたします。

■カゴメ研究者のコメント
 紫人参に、アルツハイマー型認知症の治療薬と同様のアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用が確認されました。この作用をもたらす物質が何かはまだ不明ですが、紫人参にはアントシアニンという紫色の色素が含まれていることから、アントシアニンによるものではないかと考えられます。紫人参を摂取することで、アルツハイマー型認知症での脳機能の維持、症状の進行抑制が期待できます。

■研究の背景
 近年、生活習慣病予防の観点から、食生活の改善が重要視されており、特に野菜の摂取は注目されている項目です。厚生労働省が発表した21 世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」では、野菜を一日350g以上摂取することを目標としています。しかし、平成18 年の「国民健康・栄養調査」結果では、野菜摂取量の平均は303.4gで、「健康日本21」が定める目標値に対し大きく不足しています。

 野菜にはさまざまな健康に寄与する成分が含まれていることが近年の研究で明らかになってきていますが、カゴメでは特に野菜の色に注目し、赤、黄・橙、緑、紫の4色の野菜の機能性について研究を進めてきました。その中で、紫色の野菜に含まれるアントシアニンは、高い抗酸化能を有していることが報告され、その効用として眼や肝臓に対する報告があります。我々は、紫野菜の摂取による効果の中で、これまで報告の少ない脳神経に関する機能に着目しました。

 神経細胞に与える紫野菜の影響を検討すべく、アルツハイマー型認知症改善機能の評価に用いられるヒト神経芽細胞腫を用いた試験系にて、紫人参のアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用を評価しました。


■研究概要

≪目的≫
 紫人参が神経細胞でのアセチルコリンエステラーゼ活性に与える影響について解明するため、ヒト神経芽細胞腫SK-N-SHを用い、アセチルコリンエステラーゼ活性を評価しました。

≪方法≫
 ヒト神経芽細胞腫SK-N-SHをFBS10%添加F12/E-MEM(1:1)培地で培養し、評価に用いました。被験物質として、アントシアニンを多量に含む紫人参を用いました。紫人参は乾燥粉末を用い、その20%エタノール抽出物を調製しました。無血清培地に容量を変えて添加し、その培地で1 日培養後の細胞中のアセチルコリンエステラーゼ活性を測定しました。アセチルコリンエステラーゼ活性はEllman法、およびELISA法で測定しました。ポジティブコントロールとして、既にアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用が確認されているメチルネオスティグミンを用いました。

図 紫人参のアセチルコリンエステラーゼ活性への影響(※ 関連資料参照)

≪結果≫
 図は、紫人参あるいはポジティブコントロールを添加した際のアセチルコリンエステラーゼ活性を示しています。紫人参の添加により、アセチルコリンエステラーゼ活性は有意に減少し、活性阻害作用を確認いたしました。また、添加する紫人参の量を増やしたところ、アセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用が強くなる傾向が確認されました。
 よって、紫人参はシナプス間隙(かんげき)でのアセチルコリンによる情報伝達を促進することによって、アルツハイマー型認知症での神経伝達を促進する可能性が示されました。
 今後は作用物質を明らかにすると共に、メカニズムの解明に取り組んでいく予定です。


■用語の説明

紫人参
 ヨーロッパで栽培、消費されている人参で、紫色の色素であるアントシアニンを多く含みます。

アントシアニン
 ポリフェノールの一種です。pH により色が変わり、一般的に酸性で赤紫、アルカリ性で青紫になります。ブルーベリーやカシス、ナスの皮などに含まれており、活性酸素を消去する抗酸化能を持っています。

活性酸素
 酸素分子から派生する、酸化力が強い物質の総称で、体中では細菌に対する攻撃やエネルギー産生に関与していますが、過剰に存在すると生活習慣病の原因になります。

抗酸化能
 活性酸素からの攻撃を守る力です。抗酸化物質は活性酸素と反応し、反応性の低い物質に代わることで、脂質やタンパク質などを活性酸素の攻撃から守る働きを持っています。

アルツハイマー型認知症
 認知症の一種で、記憶や学習といった脳機能が低下する病気です。治療法は様々なものがありますが、アセチルコリンエステラーゼ活性阻害剤はその代表的な治療剤の1つです。

アセチルコリン
 神経細胞同士が刺激を電気信号として伝えることにより、手足の感覚を脳に伝えたり、脳での記憶や思考を行っています。神経細胞の間はシナプス間隙と呼ばれ、神経細胞から分泌された神経伝達物質が、次の神経細胞に刺激を伝えます。この神経伝達物質にはいくつかの物質がありますが、その1つがアセチルコリンです。

アセチルコリンエステラーゼ活性
 アセチルコリンは、神経伝達物質としての役割を終えた後、アセチルコリンエステラーゼという酵素により分解されます。アルツハイマー型認知症では、神経細胞に障害が起こり、神経刺激が伝わりにくい状態となっています。アセチルコリンエステラーゼ活性を阻害することにより、シナプス間隙の神経伝達物質の量が増加し、神経刺激が伝わりやすい状態になると考えられています。


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理化学研究所、アレルギー性ぜんそくなど気道性過敏症発症をひき起こす細胞を発見
アレルギー性ぜんそくなど、気道過敏症をひき起こす悪玉細胞を発見
- アレルギー・炎症性疾患の根治が大きく前進 -



◇ポイント◇
 ・IL-17RB陽性NKT細胞が、気道性過敏症発症をひき起こす細胞と判明
 ・抗IL-17RB抗体投与で、マウスのアレルギー気道炎症を抑制
 ・IL-25・IL-17RBが、抗アレルギー・炎症性疾患薬の新しい創薬ターゲットに


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、気道過敏症(※1)発症に中心的な役割をする細胞が、インターロイキン(※2)-17レセプターB(IL-17RB)という受容体を発現している一部のナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)(※3)であることを発見し、その分子メカニズムを明らかにしました。理研免疫・アレルギー科学総合研究センター(谷口 克 センター長)免疫制御研究グループの谷口 克グループディレクターと渡会浩志上級研究員らによる研究成果です。
 アレルギー疾患は、日本人の約3割がかかっている国民的な病気です。花粉症、食物アレルギーなど、症状は多岐にわたりますが、中でもアレルギー性ぜんそくは、患者数が約300万人、毎年の死者数が3,000人にも及びます。これまで、アレルギー性ぜんそくの多くは、ダニ・ハウスダスト・花粉などのアレルゲン(※4)や風邪のウイルス、ストレス、タバコの煙、香水の強い香りといった外界からの刺激が引き金となり、これらに対する過敏反応によって、気道過敏症の亢進などを起こし、発作的なぜんそく、咳などの症状をきたすと考えられてきました。しかし、どのようにして、この引き金が引かれ増悪へと向かうのか、具体的なメカニズムは不明なままでした。
 研究チームは、IL-17RBという受容体が、NKT細胞の一部に特異的に発現することを見いだし、この細胞がIL-17RBを介して、そのリガンド(※5)であるIL-25というサイトカイン(※6)に反応し、気道過敏症をひき起こす悪玉細胞であることを明らかにしました。実際に、アレルギーモデルマウスを用いた実験で、IL-17RBを発現したNKT細胞が、気道過敏症発症に関与していることを確認しました。また、このマウスに抗IL-17RB抗体を投与することにより、アレルギー性気道炎症の発症が抑制できることを突き止めました。
 IL-17RBを発現したNKT細胞の機能を人為的に抑制することで、気道過敏症の増悪を抑えられることが明らかになり、社会的要請の高いアレルギー性ぜんそくの克服が可能となります。
 本研究成果は、米国の科学雑誌『Journal of Experimental Medicine』オンライン版(11月17日付け:日本時間11月17日)に掲載されます。


1.背景
 アレルギー疾患は、日本人の約3割がかかっており、国民的な病気の1つとなっています。中でもアレルギー性ぜんそくは、世界保健機関(WHO)のICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems:疾病及び関連保健問題の国際統計分類)の統計によると、患者数は世界で3億人、日本で約300万人と報告され、死亡者数も世界で年間25万人超、日本でも3,000人超にも及び、年々増加の一途をたどっています。これまでぜんそくの多くは、ダニ・ハウスダスト・花粉などのアレルゲンや風邪のウイルス、ストレス、タバコの煙、香水の強い香りといった外界からの刺激が要因と考えられてきました。増悪した慢性のアレルギー性ぜんそくの基本病態としては、2型ヘルパーT(Th2)細胞、好酸球、肥満細胞と呼ばれる一群の炎症細胞が中心的な役割を担っており、IL-4、IL-5、IL-13といったTh2細胞から分泌されるサイトカインが、気道炎症、杯(さかずき)細胞からの気道粘膜分泌、気道上皮細胞の損傷と再構築による肥厚などをひき起こすことが知られています。しかし、このような病態形成に至る発症の分子メカニズムやアレルギー性ぜんそくの引き金となる細胞などは不明のままでした。


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理化学研究所、ゲノムに変化をもたらす新たなDNA組換えの抑制機構を解明
ゲノムに変化をもたらす新たなDNA組換えの抑制機構を解明
- 進化をもたらす遺伝情報の多様化と現状維持の分岐を制御 -


◇ポイント◇ 
・ DNA組換えを抑制する新規 DNA切断酵素「MutS2」を同定、構造と機能を解析
・ 組換え反応の初期に中間体の切断でDNA組換えを抑制
・ 生命の進化や病気のリスク回避など、生命の重要な選択を解く鍵を得る

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、85℃という高温で生育し、進化の起源に近いと考えられる高度好熱菌サーマス・サーモフィラス(※1)を利用して、生命現象の根幹であるDNA組換え反応(※2)の初期の中間体構造を好んで切断する酵素を同定し、新規のDNA組換え抑制機構を明らかにしました。この機構は、ゲノム情報(遺伝情報)の安定化に寄与するもので、進化か危機回避かの生命の重要な選択を制御すると考えられます。これは、理研放射光科学総合研究センター(石川哲也センター長)放射光システム生物学研究グループの福井健二研究員、北村吉章リサーチアシスタント、倉光成紀グループディレクターらが「高度好熱菌丸ごと一匹プロジェクト(※3)」で行った研究成果です。
 生命の遺伝情報はDNAに書き込まれており、これが書き換えられることは進化の原動力となる一方で、細胞死やがん化の危険性を伴います。遺伝情報書き換えの要因の1つは、一方のDNAの情報と他方のDNAの情報を交換する「DNA組換え反応」です。研究グループは、サーマス・サーモフィラスの機能未知タンパク質「MutS2」が、細胞内でDNA組換え反応を抑制する働きをしていることを明らかにし、その立体構造を大型放射光施設 SPring-8(※4)を用いて決定しました。さらに、分子機能解析によって、MutS2タンパク質が組換え反応の初期に生じる中間体を切断することで、DNA組換え反応を抑制することを見いだしました。遺伝情報を更新して進化の可能性を探るのか、現状を維持するのか、生命にとって重要な選択をコントロールするのが、MutS2タンパク質であると考えられます。
 本研究成果は、米国の科学雑誌『Journal of Biological Chemistry』(11月28日号)に掲載されるに先立ち、オンライン版(11月21日付け)に掲載されます。

1. 背景
 研究グループは、タンパク質をはじめとする生体分子の立体構造と機能に基づいて、1つの細胞におけるすべての生命現象を、システム全体として理解しようと研究を展開しています。1999年には「高度好熱菌丸ごと一匹プロジェクト」を立ち上げ、(1)遺伝子数が約2,200と少ない(ヒトは約23,000個、大腸菌は約4,500個)(2)厳しい環境に生きているためタンパク質が丈夫(3)遺伝子を操作する方法が確立されている、などの特徴から、モデル生物として、85℃という極限環境で生育できる高度好熱菌サーマス・サーモフィラスHB8株を選びました。サーマス・サーモフィラスHB8株は、あらゆる生物に共通して存在しいまだに役割がわからない約500種類のタンパク質を持っています。従って、これらのタンパク質の機能を明らかにすることは、サーマス・サーモフィラスHB8株細胞内のすべての生命現象をシステム全体として理解するために欠かせないだけでなく、ヒト由来タンパク質のように、解析が困難なタンパク質の機能の理解につながることになります。
 生命の遺伝情報はDNAに書き込まれており、これが書き換えられることは進化の原動力となる一方で、細胞死や老化、がん化の危険性を伴います。従って、細胞内のDNAは、さまざまな要因により絶えず書き換えの機会を得ると同時に、書き換えを防ぐ多様な機構を備えています。遺伝情報の書き換えの要因の1つは、一方のDNAの情報と他方のDNAの情報を入れ換える「DNA組換え」と呼ばれる反応です。この反応は、細菌においては外来DNAの取り込みによる新しい薬剤耐性遺伝子の獲得、ヒトにおいては減数分裂期(精子や卵などの生殖細胞ができるときに起きる細胞の分裂期)の相同染色体(2個ずつ対になっている同形同大の染色体)の入れ換えなど、遺伝情報の多様化になくてはならないものですが、同時に、細胞死やがん化の危険性を伴うため、厳密に制御される必要があります。
 研究グループは、サーマス・サーモフィラスHB8株の機能未知のタンパク質に注目し、X線結晶構造解析および生化学的手法を用いて、DNA組換え制御機構の解析を行いました。

2. 研究手法と成果
(1) 新たなDNA組換え抑制酵素「MutS2タンパク質」を同定
 細菌が、組換え反応により外来のDNAを自身のゲノムに取り込むと、薬剤に対する耐性を獲得します。従って、薬剤耐性株の出現率を調べると、DNA組換え反応の効率がわかります。研究グループは、この方法を用いて、サーマス・サーモフィラスHB8株由来のmutS2遺伝子欠損株と、野生株の組換え反応の効率を比較しました。mutS2遺伝子欠損株は、野生株より高い組換え効率を示し、機能未知のタンパク質MutS2が細胞内でDNA組換えを抑制していることが明らかになりました(図1)。このタンパク質は、それまで知られていたDNA組換え抑制酵素が持つアミノ酸配列と似ていなかったため、新たな組換え抑制機構の酵素として働くと考えました。

(2) 原子レベルの分解能でMutS2タンパク質をイメージング
 SPring-8の理研ビームラインBL26B2を用いて、MutS2タンパク質のX線結晶構造を解析しました。その結果、MutS2タンパク質の部分構造は、既知のDNA/RNA切断酵素と非常によく似ていることが判明しました(図2)。さらに、生化学的な手法を用いてMutS2タンパク質によるDNAの切断活性を調べたところ、MutS2タンパク質は、2本鎖DNA、特にDNA組換え反応における初期の中間体構造を好んで切断しました(図3)。これらの結果から、MutS2タンパク質が、反応の中間体を切断するという、これまで知られていなかった直接的で新規な組換え抑制機構(図4)を見いだしたことになりました。
 DNA組換えによってもたらされるゲノムの変化は、進化の原動力となりますが、それは同時に細胞死やがん化など生命の危機を伴うものです。DNAを組換えて新たな遺伝情報を獲得して進化するのか、それとも現状を維持して生き延びるのか、生命にとって重要な選択をコントロールするのがMutS2タンパク質といえます。
 また、MutS2タンパク質のDNA/RNA 切断酵素と似た領域に相当するタンパク質は、細菌からヒトまでほとんどすべての生物に保存されていますが、そのすべてが機能未知のタンパク質です。今回の解析結果は、それらのタンパク質の細胞内での役割についても手がかりを与えるものとなりました。

3. 今後の期待
 ヒトでは、MutS2タンパク質部分構造とアミノ酸配列が、非常に似た部分構造を持ったタンパク質「BCL3 - 結合タンパク質」が存在します。BCL3タンパク質は、ヒトの乳がんやマウスの皮膚がんなど、がん化した細胞において発現量が増加していることが知られており、BCL3 - 結合タンパク質のゲノム安定性維持機構への関与が疑われています。アミノ酸配列の高い相同性は、同じ機能を持つことを示唆するため、ヒトなどの高等生物においても、高度好熱菌と同様の反応機構がゲノム情報の維持を担っている可能性が考えられます。
 高度好熱菌に存在する約500種類の「あらゆる生物に共通して存在しながら機能のわかっていないタンパク質」の機能を明らかにすることは、細胞内のあらゆる生命現象をシステムとして理解することに必須であり、それは同時に、ヒトを含めた高等生物における生命現象の理解にもつながると期待されます。



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理化学研究所、右脳と左脳の神経構造レベルの違いを発見
右脳と左脳の構造の違いを発見
-記憶をつかさどる海馬に違い-



 ヒトの右脳と左脳の機能的な違いについては、例えば言葉は左脳優位、空間認知は右脳優位、と知られています。しかし、神経のつながり方が右脳と左脳でどのように違うのか、を明らかにした研究はありませんでした。今回、JST基礎研究事業の一環として、自然科学研究機構 生理学研究所の篠原 良章 研究員(現・理化学研究所)は、重本 隆一 教授のもと、記憶形成をつかさどる部位(海馬(注1))では神経のシナプス(注2)(神経と神経のつなぎ目)の形や大きさが右脳と左脳で異なることを明らかにしました。この成果は、右脳と左脳の働きの違いのメカニズム解明につながると期待できます。本研究は、理化学研究所との共同研究による成果で、11月17日(米国東部時間)の週に「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」(電子版)に掲載されます。
 研究チームはこれまで、シナプスにあるグルタミン酸受容体(注3)(神経の間の信号の受け手のたんぱく質)の量の左右差について研究してきました。今回、新しく、左脳と右脳の海馬でシナプスの形や大きさが違うことを初めて見いだしました。また、シナプスの形や大きさによって、グルタミン酸受容体の量と種類にも違いがあることが分かりました。こうしたグルタミン酸受容体の量と種類は、記憶を形成する上で非常に重要な役割を担っていると考えられています。「右脳と左脳のシナプスは同じ」という説もありますが、そうではないことが分かりました。
 重本教授は、「記憶の原理として注目される“長期増強(LTP)(注4)”という現象は、シナプスのグルタミン酸受容体の量と種類に影響されるので、左脳より右脳で起こりやすいのかもしれません。この研究を足がかりにすれば、右脳と左脳の機能が実際に違う理由を科学的に説明できるようになるのではないか」と話しています。


<研究の背景と経緯>
 ●右脳と左脳の違いは何?
  一般的によく言われる右脳と左脳の機能の違いについては、数多くの心理学的な実験から明らかになっています。例えば左右の脳の機能的な違いは、言葉は左脳優位、空間認知は右脳優位、と知られています。しかし、この機能的な違いを、脳の神経の構造レベルに着目して研究した例はありませんでした。具体的には、脳の中の神経のつながり方など、細かい構造の違いや、つながり方の違いは分かっていませんでした。
  神経は、シナプスというつなぎ目で他の神経へ情報を伝えています。この時、主に使われている神経伝達物質(神経の間の信号である化学物質)がグルタミン酸です。シナプスにはグルタミン酸を感じるたんぱく質「グルタミン酸受容体」が存在し、その機能と構造の違いにより複数に分類されています。
  本研究チームはこれまでに、右脳と左脳では、このグルタミン酸受容体のたんぱく質の分子が異なる配置をとっていることを明らかにしました(2003年にScience誌で掲載など)。ただ実際に、こうした分子配置の違いが、神経のつながり方やシナプスといった脳の微細構造の中で、どのような違いや意味があるのかは分かっていませんでした。


<研究の内容>
 本研究チームは今回、脳の中の記憶をつかさどる海馬におけるシナプスの形や大きさ、その右脳と左脳での違いを、電子顕微鏡を用いてミクロの構造レベルで明かにしました。
 海馬(特にCA1と呼ばれる場所)にある神経シナプスの形を調べたところ、色々な大きさのものがあり、小さなものや、大きなマッシュルーム型のものも見つかりました(図1)。
 そして、このシナプスの大きさの違いは、そのシナプスに存在するグルタミン酸受容体のたんぱく質の分子の数(密度)の違いと関係していることが分かりました。また小さいシナプスと大きいシナプスでは、豊富に含まれるグルタミン酸受容体の種類も異なっていました(図2)。
 シナプスのつながり方を調べたところ、左脳と右脳では、つながり方によってシナプスの大きさと受容体の密度が左右非対称になっていることが分かりました(図3)。例えば、左脳では同じ左脳からの信号(海馬CA3領域からの信号)を受け取るシナプスは小さく、反対側の右脳からの信号を受け取るシナプスは大きくなっていました。また、右脳ではそれと正反対になっていました。
 なお、本研究はJST 戦略的創造研究推進事業 発展研究(SORST)における研究課題「記憶の脳内表現と長期定着のメカニズム」(研究代表者:重本 隆一 教授)の一環として実施されました。

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