がんの勉強部屋☆
がんの最新情報から予防、医療情報まで科学的証拠に基づいた情報を集めまています。いろいろな情報を共有できたらと思っています。
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理化学研究所や国立がんセンターなど、8種類のがんのゲノム変異を包括的で高精度な解析を開始
国際がんゲノムコンソーシアムが、8種類のがんゲノムプロジェクトを開始
- 理研、国立がんセンター、医薬基盤研究所など8カ国11機関が解析に着手 -


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)、国立がんセンター(廣橋説雄総長)および独立行政法人医薬基盤研究所(山西弘一理事長)が参加し、主要ながんのゲノム変異(異常)カタログを作成するための国際共同プロジェクト「国際がんゲノムコンソーシアム」(International Cancer Genome Consortium:ICGC)は、2008年11月18日(火)午前8時(日本時間同日午後10時)、参加機関のうち8カ国の11機関が、ICGCで取り組む最初のプロジェクトとして、肝炎ウイルス関連肝臓がんなど8種類のがんのゲノム変異について、包括的で高精度な解析を開始すると発表しました。
 がんの患者数は、先進国、発展途上国を問わず世界中で急速に増加しており、がん罹患の早期発見やがん死の減少が人類社会にとって喫緊の課題となっています。がんは、かつては1種類の疾患と考えられていましたが、現在では多くの病態から成り立っているという実態が明らかになっています。しかし、ほとんどすべてのがんでは、共通して遺伝子の設計図であるゲノムに異常(変異)が生じ、正常な分子経路が破綻した結果、無秩序な細胞増殖をきたすことが分かっています。さらに、特定のがんや病態では、特徴的なゲノム変異が認められることが明らかになっています。このため、それぞれのがんに生じたゲノム変異を網羅的に同定し、カタログ化することができると、新たな予防・診断・治療法を開発するための基盤となる可能性が高まり、大きな期待が集まっています。
 このような状況の中、2008年4月、世界各国を通じて臨床的に重要ながんを選定し、国際協力でそれらのがんについてゲノム変異の姿を明らかにするため国際共同プロジェクトとして発足したのがICGCです。ICGCの各メンバーは、ICGCの定めたデータ収集・解析に関する共通基準に従い、特定のがんに関する各種ゲノム変異の包括的かつ高精度な解析を分担します。
 2008年11月15日から17日まで、米国ワシントン近郊で米国国立衛生研究所(NIH)を幹事としてICGCワークショップが開催され、肝炎ウイルス関連肝臓がん(日本)、胃がん(中国)、すい臓がん(カナダ)など、ICGCによって開始される初のがんゲノムプロジェクトが決定しました。
 ICGCのプロジェクトで産出されるがんゲノム変異のカタログは、がんの予防・診断・治療の新規かつ有効な方法を開発しようとしているすべての研究者にとって、極めて貴重な情報源となることが期待されます。ICGCでは、得られた高精度のゲノム変異データを世界中の研究者に迅速かつ無償で提供する予定です。


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NEDOと産総研、有機色素による高性能色素増感型太陽電池を開発
有機色素による高性能色素増感型太陽電池を開発

 次世代太陽電池として期待される色素増感型において光吸収材料に新規開発の有機色素(MK-2(注1))を採用。

 従来型のルテニウム系のように希少金属を含まないため低コストで製造できるだけでなく、 高効率、高耐久性も実現した。 


【新規発表事項】

 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として、独立行政法人産業技術総合研究所の研究員、原浩二郎と甲村長利は、次世代太陽電池として有望視される高性能な有機色素による色素増感型太陽電池を開発しました。

 本技術は、現在、主流となっているシリコン太陽電池が抱えている問題である製造コストと高純度シリコンの供給不安の両方の解決策となり得る、新規次世代太陽電池です。経済産業省の技術戦略マップ2008では、2020~2030年までに本格実用化とそれによる太陽電池の発電価格の大幅低減が期待される革新的太陽光発電技術として位置づけられています。

 従来の色素増感太陽電池に用いられていたルテニウム錯体を使用しないため、希少金属であるルテニウムの資源的制約をクリアしています。またイオン液体電解液の使用により、低沸点の有機溶媒系電解液では耐久性が100時間以下であったものが、2000時間以上の耐久性を得ることに成功しました。

 更に、色素増感太陽電池(イオン液体電解液(注2)タイプ)としては世界最高レベルの変換効率7.6%(セル効率)の高効率を達成し、イオンゲル電解質(注3)タイプでも5.5%の効率を得ることに成功しており、革新的な太陽光発電技術として実用化が期待されます。


(注1)MK-2とは、2-Cyano-3-[5’’’-(9-ethyl-9H-carbazol-3-yl)-3’,3’’,3’’’,4-tetra-n-hexyl-[2,2’,5’,2’’,5’’,2’’’]-quarter thiophenyl-5-yl]acrylic acidのこと。カルバゾール、オリゴヘキシルチオフェン、シアノアクリル酸基からなるドナー・アクセプター型の有機色素分子で、カルバゾール骨格が電子供与部位で、シアノアクリル酸基が電子吸引性部位として機能します。

(注2)イオン液体電解液とは、イミダゾリウムのヨウ化物などのイオン液体とヨウ素レドックスイオンをベースとする電解液です。
(注3)イオンゲル電解質とは、上記イオン液体電解液にゲル化剤(例えば、Poly(pyridinium-1,4-diyliminocarbonyl-1,4-phenylene-methylene iodide)など)を加えて擬固体化した電解質。 

 図3.有機電解質オリゴマーゲル化剤の構造
   (※関連資料参照)

 産総研プレス発表 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2007/pr20070525/pr20070525.html
 特許PCT/JP2006/301402
 

1.研究成果概要 
 環境負荷を低減する次世代太陽電池のひとつとして、色素増感太陽電池の実用化に向けた研究開発が活発になっています。しかし、従来型の色素増感太陽電池は希少金属であるルテニウム錯体を光吸収材料として用いるため、資源的制約による価格高騰が問題になると予測されます。また、揮発性の有機溶媒を含むヨウ素レドックス電解液(ヨウ素やヨウ化物イオンを含む)を用いており、セルの耐久性の向上が課題となっています。 

 本プロジェクトでは高効率化と同時にこれらの問題点を解決するため、ルテニウム錯体の代替となる新規の有機色素光吸収材料(MK-2)を開発するとともに、有機電解質オリゴマー(注4)構造を有するゲル化剤(平成17年度第2回産業技術研究助成事業、簡便に合成可能な新規電解質ゲル化剤およびそれを用いた高機能ハイブリッドゲルの開発(研究代表者、産業技術総合研究所、吉田勝氏)の研究成果)と難揮発性のイオン性液体からなる新規の電解質を用いることで、新規有機色素太陽電池を開発しました。 

 新規有機色素の開発には、分子設計技術を援用して最適化を行いました。クマリン色素(注5)は8%という高効率(有機溶媒系電解液を使用)が得られますが、色素から酸化チタン電極への電子移動効率が低いことや電子寿命が短いことなどがわかったため、新たにMK色素(カルバゾール色素(注6))を合成し、この問題を解決しました。

 また、イオン液体電解液とイオンゲル電解質を組み合わせることで、高効率を保ちつつ十分な耐久性を得ることができました。

(注4)有機電解質オリゴマー:有機塩モノマー(単量体)が複数連なった構造をもつ分子。有機塩モノマーの数は3から30と比較的少数。

(注5)クマリン色素:クマリン骨格を電子供与部位として、これに電子吸引性部位であるシアノアクリル酸基などを連結した有機色素分子。(図4参照)

(注6)カルバゾール色素:カルバゾール骨格を電子供与部位として、これに電子吸引性部位であるシアノアクリル酸基などを連結した有機色素分子。(図4参照) 

 図4.クマリン骨格(1)、カルバゾール骨格(2)、シアノアクリル酸基(3)の構造(Rは置換基)
    (※関連資料参照)


2.競合技術への強み

1)高効率:新規に設計・合成したMK-2色素とイオン液体電解液を組み合わせることで、7.6%の変換効率を達成しました(現在、イオン液体電解液を用いた色素増感太陽電池で世界最高レベル)。 
 
2)高耐久性:紫外線がカットされた擬似太陽光照射という比較的穏和な条件下では、十分な耐久性を有します。また難揮発性のイオン液体電解液を使用することで比較的高温下でも性能劣化の心配がありません(イオン液体の難揮発性が耐久性の向上に寄与)。 
 
3)資源的制約がない:希少金属であるルテニウムとは異なり、資源的制約の少ない有機材料を使用しています。
 
4)低コスト:セルの作製方法が簡単で、材料も安価なことから低コストで製造できます。
 
  表1.結晶系シリコン太陽電池(既存技術)と有機系色素増感太陽電池(本技術)との比較表 
    (※関連資料参照)


3.今後の展望
 エネルギー変換効率については、最終的にはセル効率18%、モジュールでは15%(結晶シリコン系の効率に相当)を目指します(NEDOの太陽光発電ロードマップPV2030における、色素増感太陽電池の2030年での目標値)。当面は屋内用途での早期実用化を目標として、さらなる効率や耐久性の向上を目指していく予定です。そのため、新規有機色素の分子設計と合成、イオン液体やゲル電解質の研究開発の他、新規の電極材料の開発についても連携企業と共同で研究開発に取り組んでいきます。

 また実用化に向けて、大面積モジュール化技術等についても共同研究を進めていく予定です。


関連情報一覧 
 http://www.aist.go.jp/db_j/list/relation.php?&co=8353



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武田薬品、非小細胞肺癌患者対象の「AMG706」臨床第3相試験の患者登録を一時中断
AMG706に関する非小細胞肺癌患者を対象とした

臨床第3相試験の患者登録一時中断について


 武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下、「武田薬品」)および、その100%子会社であるMillennium Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州 ケンブリッジ、以下、「ミレニアム社」)ならびにAmgen Inc.(本社:米国カリフォルニア州サウザンドオークス、以下、「アムジェン社」)は、本日、現在進行中のAMG706(一般名:Motesanib)に関する非小細胞肺癌を対象とする臨床第3相試験について、独立データモニタリング委員会(Independent Data Monitoring Committee、以下、「DMC」)が実施した600例の登録患者による安全性評価の結果を踏まえ、患者登録を一時的に中断することを決定しましたのでお知らせします。

 Motesanibは、アムジェン社と武田薬品が実施している複数の共同開発プログラムの一つです。ファーストライン治療薬として、非小細胞肺癌患者を対象としたパクリタキセルおよびカルボプラチン併用のプラセボ対照二重盲検比較の臨床第3相試験を実施中であり、欧米での開発をアムジェン社が、日本での開発を武田薬品の100%子会社である武田バイオ開発センター株式会社(以下、「武田バイオ社」)が担当しています。

 DMCは、Motesanib群において投与初期における死亡率がプラセボ群に比して高いという結果が得られたことに鑑み、今回の投与対象である非小細胞肺癌患者(扁平上皮癌患者および非扁平上皮癌患者)の新たな登録を行わないよう推奨しています。また、扁平上皮癌患者の喀血頻度が明らかに高かったことに鑑み、扁平上皮癌の患者へのmotesanibの投薬を中止することを推奨しています。なお、扁平上皮癌以外の患者への投薬中止は推奨されておらず、DMCは、3ヶ月後に最新データを再調査します。

 アムジェン社と武田バイオ社は、DMCの勧告を履行するとともに、今回の決定を、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品審査庁(EMEA)、医薬品医療機器総合機構(PMDA)を含む世界の監督官庁ならびに臨床試験担当医師に対して通知いたします。

 武田薬品の医薬開発本部長 兼 武田バイオ社会長 宮本政臣は、「患者さんの安全性確保が最優先事項であり、DMCの推奨内容に従って対応してまいります。DMCの評価を踏まえ、今後、開発パートナーであるアムジェン社と協力の上、扁平上皮癌以外の非小細胞肺癌、転移性乳癌、その他固形癌におけるMotesanibの治療薬としての可能性を探索してまいります」と、述べています。

 ミレニアム社の研究開発責任者であるNancy Simonianは、「非小細胞肺癌は、新規性が高く、また優れた効果が得られる治療法が必要とされ続けている疾患です。私たちは、本剤の開発に向けて、最適な道筋を与えてくれるであろうDMCからの今後の調査結果の内容に期待しています」と、述べています。


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産総研、旭化成ファーマと免疫抑制剤ミゾリビンの血中濃度を測定する酵素を開発
■免疫抑制剤ミゾリビンの血中濃度を測定する酵素を開発

-短時間で簡便な血中濃度測定の実現に期待-


<ポイント>
・ ミゾリビンの血中濃度測定に使用できる酵素を発見し、酵素の効率的な製造方法も開発した。
・ 血中濃度を短時間に正確に測定できるので、適正な投与量のコントロールが可能になる。
・ 現在は1時間に3検体程度の測定しかできないが、600検体程度の測定も可能となる。

<概要>
 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)ゲノムファクトリー研究部門【研究部門長 鎌形 洋一】遺伝子発現工学研究グループ 田村 具博 研究グループ長は、旭化成ファーマ株式会社【代表取締役社長 稲田 勉】と共同で、免疫抑制剤として使用されているミゾリビン(MZR)の血中濃度測定に使用できる酵素(ミゾリビンリン酸化酵素)を見つけ、その効率的な製造方法を開発した。

 ミゾリビンは、腎移植における拒否反応の抑制・ループス腎炎・慢性関節リウマチ等の治療などに広く用いられている低分子化合物(分子量259)である。しかし、ミゾリビンの効果と治療の安全性を確保するための至適量に関しては不明な点があり、個人ごとの最適な投与量を把握するためには、血中濃度を測定しながら投与量を調整することが必要であると指摘されている。

 現在、ミゾリビンの血中濃度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定できるが、手間と時間がかかる。今回開発した酵素を用いると、短時間で簡便な測定が可能となる。本技術の詳細は、2008年11月27日~30日に名古屋国際会議場で開催される「第55回日本臨床検査医学会学術集会」で発表される。

 * 関連資料「今回発見されたミゾリビンリン酸化酵素によるミゾリビン濃度の測定原理」参照

<開発の社会的背景>
 ミゾリビン(MZR)は、腎移植における拒否反応の抑制・ループス腎炎・慢性関節リウマチ等の治療などに広く用いられている低分子化合物(分子量259)である。しかし、ミゾリビンの効果と安全性を確保するための至適量に関しては不明な点がある。ミゾリビンは同様の薬効を示す他の薬と比べて、白血球減少などの血液系障害が少ないものの、主として腎臓から排泄されるため、腎障害のある患者では排泄が遅延し、骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがある。そのため血中濃度測定による投与量の調整が必要であることが近年指摘されている。

 現在、ミゾリビンの血中濃度は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による測定が可能である。しかし、HPLCによる測定は、( i )装置が限られた施設にしか配備されていない、(ii)検体の前処理が必要である、(iii)測定に時間を要すると共に多検体同時測定が出来ない、(iv)血液の他の成分分析に比べて試料の必要量が多い(最低でも0.8ミリリットル)、などの問題点がある。そこで、より短時間で簡便な測定を実現するために、汎用自動分析機で測定可能なミゾリビンの血中濃度測定法の開発が望まれている。

<研究の経緯>
 産総研ゲノムファクトリー研究部門遺伝子発現工学研究グループでは、ロドコッカス属放線菌(Rhodococcus erythropolis)による化学物質やタンパク質の生産系を構築する研究を行ってきた。特に放線菌によるタンパク質の生産は、既存技術である大腸菌による生産が困難なタンパク質の生産を可能にする特徴がある。一方、旭化成ファーマ株式会社診断薬製品部では、診断薬用酵素の開発や、酵素を用いた診断薬の開発を行っている。そこで、産総研は旭化成ファーマ株式会社と共同で、ロドコッカス属放線菌を用いた診断薬用酵素製造技術の開発に取り組んできた。

<研究の内容>
 本技術によるミゾリビン濃度の測定原理は図1に示すような2つの反応からなる。

 * 関連資料「図1 今回発見されたミゾリビンリン酸化酵素によるミゾリビン濃度の測定原理」参照

 第1反応では、ミゾリビンリン酸化酵素の働きで、ミゾリビンにリン酸が結合してミゾリビン5’-モノリン酸(MZR-P)になる。このMZR-PがIMPデヒドロゲナーゼという酵素の働きを阻害するので、第2反応ではその阻害の程度を測定することによってMZR-P濃度、すなわちミゾリビン濃度が算出される。IMPデヒドロゲナーゼという酵素は化合物IMP(イノシン一リン酸)を化合物XMP(キサントシン一リン酸)に変換する酵素であり、この時化合物NAD+(補酵素酸化型)が化合物NADH(補酵素還元型)になる。NADHの濃度は波長340ナノメートルの吸光度を測定することによって容易に測定できる。これによってIMPデヒドロゲナーゼの酵素活性の阻害の程度が算出され、MZR-P濃度からミゾリビン濃度が算出される。

 第1ステップのミゾリビンをリン酸化する酵素は、ヒト生体内においてどの酵素がその役割を担っているか明らかになっていないので、ゲノム情報が登録されているデータベースの中から、予想される遺伝子を検索した。候補とした複数の遺伝子を組み換えタンパク質として大腸菌で発現させ、生産されたタンパク質がミゾリビンのリン酸化能力を有するかどうかの探索を行った。ところが、それらの酵素を大腸菌内で生産すると、生産された酵素により、細胞内の核酸やリン酸化された核酸の濃度バランスが崩されるために、大腸菌が死んでしまうことが多く、探索が進まなかった。

 そこで、産総研のロドコッカス属放線菌(Rhodococcus erythropolis)を用いたところ、菌が死ぬことなく、探索が容易になった。さまざまな微生物由来の酵素遺伝子をこの放線菌で発現した。その結果、ミゾリビンをリン酸化する酵素遺伝子を発見した。さらに、その遺伝子を用いて放線菌でミゾリビンをリン酸化する酵素の効率的な製造方法も開発した。詳細に解析した結果、本酵素はバクテリアでは世界で初めて発見された核酸のリン酸化酵素(ヌクレオシドキナーゼ)であり、学術的にも価値の高い酵素である事が明らかになった。

 本酵素を用いて、ミゾリビン血中濃度測定の酵素法を開発した。第1反応でこの酵素によるリン酸化反応の様子をHPLCで解析した結果を図2に示す。反応途中なので未反応のATPとミゾリビンも残っているが、ATPがADPに変化され、ミゾリビンがMZR-Pに変換されていることが確認された。この第1反応は、5分間で完結する。

 * 関連資料「図2 HPLCにより解析した本酵素によるミゾリビンのリン酸化反応(第1反応の確認)」参照

 第1反応の反応液を第2反応の試験液(IMPとNAD+とIMPデヒドロゲナーゼを含む)に加えて第2反応を行い、波長340ナノメートルの吸光度の測定を行った。吸光度からIMPデヒドロゲナーゼの酵素活性の阻害の程度が算出され、MZR-P濃度、ミゾリビン濃度の算出を行った。その結果、図3のようにHPLCを用いた濃度測定結果と一致することから、正確に血中に存在するミゾリビン濃度の測定ができることが確認された。

 * 関連資料「図3 酵素法ミゾリビン(MZR)血中濃度測定結果とHPLC法との比較」参照

 現在、ミゾリビン血中濃度測定は、検体の前処理時間を除いたHPLC測定だけでも18分必要で1時間に3.3検体しか測定できない。このミゾリビン血中濃度測定酵素法を利用すれば汎用の生化学自動分析機による多検体同時測定が可能で、1時間に600検体測定できるようになる(汎用生化学用自動分析機、日立7080形自動分析機を使用した場合)。

<今後の予定>
 この研究成果をもとに、産総研はミゾリビン(MZR)をリン酸化するヌクレオシドキナーゼの機能解析をさらに進め、旭化成ファーマ株式会社はミゾリビン血中濃度測定試薬を開発する予定である。

<用語の説明>
 * 関連資料 参照


<問い合わせ>
独立行政法人 産業技術総合研究所
北海道産学官連携センター
〒062-8517 北海道札幌市豊平区月寒東2条17丁目2番1号
TEL:011-857-8428 FAX:011-857-8901
E-mail:sgk.contact.hokkaido@m.aist.go.jp



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東北大学、インスリン分泌細胞を増殖させる神経ネットワークを発見
インスリン分泌細胞を増殖させる神経ネットワークを発見

糖尿病の再生治療に応用性


 東北大学大学院医学系研究科創生応用医学研究センター・片桐秀樹教授、分子代謝病態学分野・岡芳知教授らのグループは、肝臓からの神経ネットワークにより膵臓のインスリン分泌細胞(β細胞)が増殖することを発見し、さらにこの仕組みを刺激することで糖尿病を治療できることを見出した。この研究成果は、米国科学誌サイエンス(米国時間11月21日号)に掲載予定である。

 肥満になるとインスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)が、この時、膵臓にあるβ細胞が増殖し、多くのインスリンを分泌して血糖値の上昇を防ごうとする。本研究グループは、この体に備わった糖尿病予防機構を解明し、「肝臓が、肥満状況を感知し神経シグナルを発して脳にインスリンを増やす必要性を伝え、それを受けて脳は、膵臓に向かう神経を使って、膵臓のβ細胞を増殖させる」という臓器間の神経ネットワークを発見した。これは、神経系、特に脳が、血糖値などの全身の代謝調節を行っていることを見出したもので、メタボリックシンドロームの解明にも意義深い。

 一方で、この反応が不十分だったり膵臓のβ細胞が減少したりして、インスリンの分泌が悪くなると、糖尿病となる。そこで、本研究グループは、インスリン分泌の低下した糖尿病のモデル動物でこの神経ネットワークを刺激してみた。すると、β細胞が増殖しインスリン分泌が改善、糖尿病を治療することができた。インスリン注射を行っている糖尿病患者は国内だけでも60万人を超えるといわれ、このような患者にとって、β細胞の再生につながる本研究は、大きな福音となるものと期待される。

 現在、ES細胞やiPS細胞といった多分化能をもつ細胞を試験管内で分化させて移植することが再生治療研究の主流と捉える向きもある。しかし、本研究は、神経ネットワークという体に元来備わっている仕組みを発見し、それを刺激することで、障害を受けた臓器を体内で再生させるという全く新しい概念での「再生」医療を切り開く可能性が考えられる。



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協和発酵バイオ、配合成分強化の「リメイク植物から生まれた発酵グルコサミン」を通販で発売
『リメイク植物から生まれた発酵グルコサミン』リニューアル新発売

グルコサミンのサポート成分「MSM」*を増量


 協和発酵バイオ(東京都千代田区 社長:小谷 幸亘)は、細胞の間を結合させる軟骨などの組織中に広く存在する成分であるグルコサミンを主成分とする健康食品『リメイク植物から生まれた発酵グルコサミン』の配合成分を強化して、11月5日より通信販売で新発売しました。
 
 本製品の特徴は、従来品と比べ、1粒あたりの「MSM」(メチルスルフォニルメタン)含有量を300mgから3倍以上の1,000mgに増やし、円滑さに関係するグルコサミンのサポート力をアップしました。そのため、1日当たりの摂取目安の粒数が以前より少なくて従来品と同量のグルコサミンを摂取できます。

 また、従来の個別包装から、無駄のない大袋タイプになり、価格もさらにお求め安くなりました。

 植物を原料に微生物の力を利用して作った「発酵グルコサミン」配合の製品『リメイク 発酵グルコサミンZn』は2005年9月末の発売以来、根強い人気で、ふしぶしの健康が気になる方々から大変好評をいただいています。

 このたびの配合成分増強によって、「立ち座りや膝の曲げ伸ばしが気になる方」「階段の上り下りが気になる方」「運動・ウォーキングなどをいつまでも楽しく続けたい方」の「歩く健康」をサポートします。


 ※MSM(メチルスルフォニルメタン):たんぱく質やコラーゲンに関係する有機イオウ化合物。ヒトの身体をはじめ、自然界に広く存在。 


〈製品概要〉
 ●製品名    『リメイク植物から生まれた発酵グルコサミン』
 ●荷姿     1袋/84g(350mg/240粒) 
 ●販売価格   4,500円 (消費税込み、送料無料)
 ●主な成分   (※ 関連資料参照)
 ●製造者    協和発酵バイオ株式会社
 ●総発売元   株式会社協和ウェルネス(協和発酵バイオ100%子会社)

 ●お客様からのお問い合わせ先(通話料無料)
          0120-80-7733(日曜・祝日除く 9:00~21:00)
 ●注文先
   [電話]0120-80-7733(日曜・祝日除く 9:00~21:00)
   [FAX]0120-80-2227(24時間受付)
   [ハガキ]〒103-0015東京都中央区日本橋箱崎町36-2
         株式会社協和ウェルネス 通信販売部 行き
   [ホームページ]http://www.kyowaremake.jp/

[会社概要]
 協和発酵バイオ株式会社 
 設立:2008年10月1日 
 資本金:100億円 
 代表者:代表取締役 社長 小谷 幸亘 
 本社:東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル
 事業内容:医薬品原料、各種アミノ酸、健康食品、農畜水産関連製品および原料用アルコールの製造販売 2008年10月1日、協和発酵バイオは、協和発酵キリン(東京都千代田区 社長:松田 譲)の100%子会社として新たに設立されました。新会社は協和発酵がグルタミン酸発酵の発明以来50年間培ってきた資産、人材、技術開発力を引き継ぎ、その基盤の上に、「発酵と合成の有機的結合」を大きな目標として掲げ、今後も多種多様な製品を革新的に開発し、医薬品や健康食品などを通じて世界の人々の健康と豊かさに貢献してまいります。

お問い合わせ先
 お客様窓口 0120(80)7733(9:00~21:00 日曜・祝日除く)


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タカラバイオ、寒天由来成分配合のサプリメント「グルコサミン+アガロオリゴ糖」を発売
寒天由来の「アガロオリゴ糖」を配合したサプリメント
「グルコサミン+アガロオリゴ糖」新発売


 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、アガロオリゴ糖を配合したサプリメント「グルコサミン+アガロオリゴ糖」を平成20年11月18日(月)より新発売いたします。

 「アガロオリゴ糖」はタカラバイオが独自製法により開発し製造した、寒天由来のオリゴ糖で、タカラバイオでの長年の研究により、他のオリゴ糖には見られない特有の機能性があることを発見しています。

 本製品は、独自製法により製造・開発したアガロオリゴ糖を使用し、軟骨の構成成分であるグルコサミンおよびII型コラーゲン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12を配合した飲みやすいサプリメントに仕上げました。
 1回4粒、1日3回程度を目安にお召し上がりください。(12粒当りグルコサミン1,500mg、アガロオリゴ糖200mg、II型コラーゲン100mg、ビタミンB6 1mg、葉酸200μg、ビタミンB12 2μg を含有しています。)

 本製品は、宝ヘルスケア株式会社(宝ホールディングス株式会社の100%子会社)を通じて販売いたします。

【製品概要】
製品名:     グルコサミン+アガロオリゴ糖
種類:      グルコサミン、アガロオリゴ糖加工食品
内容量:     90g(250mg×360粒)
希望小売価格: 5,040円(税込)
販売地域:   全国
お問い合わせ: 0120-810-771(宝ヘルスケア株式会社)

当資料取り扱い上の注意点
 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。


【語句説明】

アガロオリゴ糖(寒天オリゴ糖)
 アガロオリゴ糖は、寒天より生成されたオリゴ糖です。寒天は、ガラクトースと3,6-アンヒドロガラクトースとが交互に直鎖状に並んだ「アガロース」という糖鎖からできています。
 これを酸性の条件で加温すると、アンヒドロガラクトースとガラクトースとの間の化学結合(α-1, 3結合)が加水分解(切断)され、還元末端にアンヒドロガラクトースを持つ、それぞれ2糖、4糖、6糖、8糖からなる「アガロオリゴ糖」が生成されます。

グルコサミン
 グルコサミンは、カニ、エビなどの甲殻類の外皮を形成するキチン質に含まれ、また人間では糖蛋白質の成分として軟骨、爪,靱帯、心臓弁などに存在しています。軟骨細胞を形成する基礎となる成分で、関節部分で重要な役割を果たしています。

II型コラーゲン
 コラーゲンはその構造の違いにより19種類以上あることがわかっています。体内で最も豊富に存在しているのはI型コラーゲンで、皮膚や靭帯、骨に多く含まれます。
 それに対しII型コラーゲンは、関節をやさしく包み込んでクッションの役割を果たす関節軟骨に主に含まれるコラーゲンです。



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タカラバイオ、活力サポートサプリメント「クーガイモ」をリニューアル
ヤムイモサプリメント 活力サポート「クーガイモ」リニューアル新発売


 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、活力サプリ「クーガイモ」を平成20年11月18日(月)よりリニューアル新発売いたします。

 昨年9月の発売以来、活力サポートサプリメントとして大変ご好評いただいております「クーガイモ」をリニューアルいたします。食品添加物を使用せずに打錠することで、1日の摂取目安量を従来品の12粒から8粒に減量し、飲みやすさにこだわりました。ヤムイモの一種である国産クーガイモ(和名:トゲドコロ)とニンニクエキスだけで仕上げ、クーガイモの健康成分はそのままに、健康素材として認知の高いニンニクエキスを従来品に比べ約10倍増量いたしました。

 本製品は、自然豊かな国内で栽培したクーガイモ(和名:トゲドコロ)と青森産ニンニクエキス(福地ホワイト六片種)を使用した国産100%の飲みやすい粒状のサプリメントです。1日8粒を目安にお召し上がりください。

 本製品は、宝ヘルスケア株式会社(宝ホールディングス株式会社の100%子会社)を通じて販売いたします。

【製品概要】

 製品名:クーガイモ ドゲドコロ(クーガイモ)
 種類:加工食品
 内容量:60g(250mgX240粒)
 希望小売価格:5,040円(税込)
 販売地域:全国
 お問い合わせ:0120-810-771 (宝ヘルスケア株式会社)

<参考資料>
【語句説明】

ヤムイモ
 ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属する食用種の総称です。例えば、ナガイモ、イチョウイモ、ツクネイモ、ジネンジョ、ダイジョをはじめ、トゲドコロもそれぞれヤムイモの一種です。

クーガイモ(トゲドコロ)
 ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属するヤムイモで、市販されているナガイモ、ツクネイモ、イチョウイモ、ジネンジョ等と近縁のヤムイモです。国内では主に沖縄周辺で栽培されていますが、その生産量は年間数t程度の希少品種です。日本で栽培されているヤムイモのなかでは圧倒的にジオスゲニン含有率が高い品種です。


 当資料取り扱い上の注意点 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。 この資料は、11月6日に京都経済記者クラブに配布しています。

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細胞から脳を作る
ヒトES細胞から層構造を持った大脳皮質組織の産生に成功
- 次世代の幹細胞医学応用を大きく拓く組織形成技術 -



◇ポイント◇
 ・ES細胞から、70%の高効率で大脳皮質組織を試験管内で産生
 ・生体に似た立体構造と特有の神経活動を持つ大脳皮質組織を世界で初めて産生
 ・異なる大脳皮質の領域を選択的に分化誘導する技術を開発


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、マウスおよびヒトES細胞(※1)から脳の高次機能をつかさどる大脳皮質(※2)組織を、生体に近い立体構造で産生し、特有の神経活動の一部を再現することに世界で初めて成功しました。発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)細胞分化・器官発生研究グループの笹井芳樹グループディレクター、永楽元次研究員を中心とした研究グループの成果です。
 研究グループは、これまでマウスおよびヒトES細胞から多様な中枢神経系の神経細胞などを試験管内で分化させる研究してきました。しかし、これまでの研究では、個々の神経細胞の分化を制御することが主で、多くの神経細胞などが整然と集合して機能する「神経組織」の形成は困難でした。
 今回、研究グループは、これまでに開発していたES細胞からの大脳分化のための無血清浮遊培養法(SFEB法)を改良した「SFEBq法」を新たに開発し、従来の倍以上となる70%の効率で大脳皮質前駆細胞(※3)の分化誘導を可能としました。この大脳皮質前駆細胞を立体的にで浮遊培養(※4)し続け、大脳皮質に特有の層構造(※5)を持った立体組織の形成に成功しました。特にヒトES細胞から分化させたものでは、ヒト胎児の大脳皮質とよく似た4層の組織構造(成人の皮質は6層)を作製することができました。また、この方法で形成した大脳皮質組織は、一定の神経ネットワークを形成し、大脳に特有の同期した神経活動を自発的に行うことから、誘導した大脳皮質組織が生体組織に似た神経活動の一部を示すことも分かりました。さらに、異なった誘導因子を加えることで、大脳皮質の中でも運動野周辺の領域、視覚野周辺の領域、嗅覚の中継をする嗅脳、記憶をつかさどる海馬周辺領域の4つの特徴を持った神経組織を、選択的に分化誘導することにも成功しました。
 この研究成果は、組織を用いた次世代の再生医療や創薬研究などに貢献することが期待されます。また、試験管内での神経組織の自己組織化を明らかにした点でも大きな意義があります。
 本研究成果は、一部を文部科学省「再生医療の実現化プロジェクト」の一環として行い、米国科学誌『Cell Stem Cell』オンライン版(11月6日付け)に掲載予定です。また、『Cell Stem Cell』誌は11月号の表紙に、SFEBq法でヒトES細胞から自己組織化的に形成された大脳皮質組織を取り上げます。



1.背景
 大脳皮質は、運動と感覚を統合的に制御し、記憶・意識などをつかさどる脳の高次機能の「最高中枢」です。その機能異常は、アルツハイマー病、てんかん、知能障害、運動障害、意識障害、精神病などをはじめとする重篤な脳障害を引き起こします。また、脳血管障害(脳出血、脳梗塞)や頭部外傷でも、大脳皮質に重度の障害が引き起こされ、手足の麻痺などの後遺症を残すことも多くあります。成人の大脳皮質は、複雑な6層構造になっていますが(図1)、妊娠中期までの胎児の大脳皮質は4つの層から成り立っています。こうした層状の構造は、大脳皮質の高度な機能に必須であることが分かっています。
 研究グループはこれまで、マウスやヒトES細胞を用いて、試験管内で選択的な神経細胞へ分化させる培養法を複数開発し、大脳前駆細胞、中脳ドーパミン神経細胞、小脳ニューロン、網膜細胞などの分化誘導に成功してきました。しかし、これら従来の分化誘導研究では、個々の種類の神経細胞を効率よく分化誘導しても、それらが機能的に集合し、整然とした構造を形成してできる「神経組織」を産生することができませんでした。
 今回、研究グループがすでに開発していたES細胞からの大脳前駆細胞への分化誘導法(SFEB法)を改良することで、大脳皮質神経細胞を効率よく分化させ、さらに、生体内で見られるような組織構造を形成させることに挑みました。


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脳の階層性の一側面
行動に必要な脳の機能的な階層性に新たに活動時間のメカニズムを導入
- 複雑で多様な行動をスムーズに学習する脳型ロボット開発に新たな道 -



◇ポイント◇
 ・脳が生み出す行為生成に従来の空間的階層メカニズムに代わる新モデルが存在
 ・神経システムの機能的な階層を実現する、一般原理の理解に貢献
 ・神経活動の多時間スケールモデルを実装したヒューマノイドロボットで確かさを確認


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、動物が行動するとき、脳内で発現するとされている機能的な階層性について、従来の空間的な階層のメカニズムに代わる神経活動の時間スケールによるメカニズムを提案、実際にこのメカニズムを組み込んだロボットが複雑な行動パターンを学習、動作することを確認しました。理研脳科学総合研究センター(田中啓治センター長代行)動的認知行動研究チームの谷淳チームリーダー、山下祐一テクニカルスタッフらによる成果です。
 動物の複雑で多様な行動や運動は、さまざまな場面で繰り返し使われる運動のパーツ(運動プリミティブ(※1))とその柔軟な組み合わせ、という機能的な階層により実現しているとされています。これまでの研究では、この階層は運動プリミティブに相当する低次のモジュールと、それらプリミティブの組み合わせに相当する高次のモジュール、という空間的な階層によるとされてきました(局所表現モデル)。しかし、脳の運動皮質(※2)では、解剖学的に、この局所表現モデルに対応する明確な空間的階層構造は見いだされず、行為生成の機能的な階層が、どのような神経メカニズムによるものかがわかっていませんでした。
 研究チームは、局所表現モデルに代わり、多時間スケールモデルという新しい神経回路モデル(※3)を提案しました。このモデルは、活動の時間スケールが異なる神経細胞(ニューロン)(※4)群の存在を仮定しています。実証には、多時間スケールモデルによって運動が制御される、小型ヒューマノイドロボット(※5)を使用しました。その結果、ロボットが、物体に手を伸ばす、物体をつかむ、物体を上下に動かす、などの運動プリミティブと、その組み合わせを含む複数の行動パターンを学習し、動作することに成功しました。また、学習した運動プリミティブの組み合わせを柔軟に変化することで、ロボットが新しい行動パターンで動作することにも成功しました。モデル化した神経回路の解析の結果、神経活動の時間スケールの違いが、自己組織的に運動プリミティブとその組み合わせの役割を担う、という階層的な機能分化の実現を確認できました。
 今回の結果は、実際の脳における行為生成の神経メカニズムの理解に貢献する可能性があります。さらに、提案した多時間スケールモデルは、これまでのロボットと比較して多様な運動を学習し、それらを柔軟に組み合わせて動作することを可能にしました。このモデルを発展させることで、介護ロボットなど、実社会で活躍しうる、より高度なロボットの開発に貢献できると考えています。
 本研究成果は、科学雑誌『PLoS Computational Biology』(11月7日付け:オンライン版)に公開されます。なおロボット実験はソニー株式会社の協力を得て行われ、研究成果の一部は、文部科学省特定領域研究の科学研究費助成を受けて実施されました。


1.背景
 動物の、複雑で多様な行動や運動は、さまざまな場面で繰り返し使われる運動のパーツ(運動プリミティブ)と、その柔軟な組み合わせ、という機能的な階層性の構造を持っているとされています。例えば、テーブルの上のカップを手に取り、コーヒーを飲むという一連の動作は、カップに手を伸ばす、カップを持ち上げる、持ち上げたカップを口元に持ってくる、といった一連の運動プリミティブと、それらプリミティブの適切な組み合わせで成り立っていると考えられます。この運動プリミティブは、似たような行動を繰り返し経験することによって獲得されると考えられていますが、実際の連続した行動では、明確な運動プリミティブの切れ目はありません。それではどのようなメカニズムによって、連続した運動の中から運動プリミティブが切り出され、またその運動プリミティブがどのように多様な運動パターンとして組み合わされるのでしょうか?
 これまでの研究では、そのような機能的な階層性が、運動プリミティブに相当する低次のモジュールと、それらプリミティブの組み合わせに相当する高次のモジュールという空間的な階層で実現していると考えられてきました(図1A:局所表現モデル)。しかし、この局所表現モデルを組み込んだロボットは、連続した運動の中に似ている部分や重複する部分があると、うまく機能しないことが知られていました。また、脳の運動皮質の解剖学的所見でも、局所表現モデルのような明確な空間的階層構造は見いだされておらず、機能的な階層性の本当の神経メカニズムは謎とされていました。

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大豆イソフラボンは腸内でどうなるのか?
大豆イソフラボンの研究成果を世界に向けて発信
―第8回 国際大豆シンポジウムで発表―



 フジッコ株式会社(代表取締役社長 福井正一)は、大豆イソフラボンに関する共同研究成果について、11月9日(日)~12日(水)、ヒルトン東京(4F菊の間)で開催される第8回国際大豆シンポジウムにおいて発表いたします。これまで当社では、大豆に含まれるイソフラボンの機能性について種々の研究を進めてきました。本シンポジウムでは、大豆のイソフラボン含量に関与する遺伝子領域の研究と、腸内細菌による大豆イソフラボンの代謝に関する研究の成果について、以下4題の発表を行います。


[発表テーマの概要(計4題)]

 1.交雑近縁系統を使用した大豆種子中のイソフラボン含量に関与するゲノム領域の特定
 (Specification of genomic regions associated with isoflavones content in soybean seeds using recombinant inbred lines.)

 [共同研究者]
  ・京都大学大学院 農学研究科 育種学研究室 谷坂隆俊教授
  ・長野県中信農業試験場 畑作育種部 矢ヶ崎和弘主任研究員

 [要旨]
  大豆種子中のイソフラボンの蓄積に関与する遺伝子を明らかすることは、イソフラボンを高含有する大豆品種の開発の効率化につながる。品種「Peking」と「タマホマレ」の交配から得られた94系統を、国内の3地点で栽培し、収穫種子のイソフラボン含量を測定すると同時に、DNAマーカーを用いて遺伝解析を行った。その結果、イソフラボン含量に関与する32のゲノム領域が検出され、このうち3領域は、3栽培地に共通して検出された。一般に、イソフラボン含量は、気温など栽培環境によって影響を受けることが知られているが、本研究で特定された3領域のDNAマーカーは、栽培環境によらずイソフラボンを高含有する品種の選抜育種に役立つと考えられる。


 2.Nested PCR法によるヒト糞便中のエクオール産生菌Adlercreutzia equolifaciensの検出
 (Detection of the equol-producing bacterium Adlercreutzia equolifaciens in human feces by nested PCR method.)
 [共同研究者]
  ・理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室 辨野義己室長
  ・国立健康・栄養研究所 栄養疫学プログラム生体指標プロジェクト 石見佳子プロジェクトリーダー

 [要旨]
  エクオールは、ヒトなどの哺乳動物において、大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが腸内常在菌によって変換されてでき、もとのイソフラボンより女性ホルモン様作用や抗酸化作用が強いことが知られている。日本人の約50%程度がエクオール産生能を持つが、エクオール産生菌の分類や腸内での生態は明らかになっていなかった。今回、当社がヒトの腸内から分離し、新属・新種として提唱したAdlercreutzia equolifaciensを糞便中から検出する方法を開発した。52名の閉経後日本人女性のうち14名に本菌が検出され、そのうち10名にエクオール産生能が認められた。以上の結果から、ヒトの腸内常在菌であるA.equolifaciensがエクオール産生能に寄与していると考えられた。


 3.ラット腸内細菌叢によるグリシテインからのエクオール産生(関連する2題を発表)
 ((1)Equol-production from glycitein by rat gut microflora.)
 ((2)Isolation and identification of equol-producing bacterial strains from rat feces.)

 [共同研究者]
  ・静岡県立大学 薬学部 薬品資源学教室 石田均司講師

 [要旨]
  (1)これまで、エクオールはダイゼインが腸内細菌に変換されてできると考えられてきた。今回、ラットを用いて、エクオールが大豆の胚軸に配糖体として多く含まれるグリシテインからも生成されることを明らかにした。
  (2)ラット糞便からエクオール産生菌を分離した。遺伝子解析の結果、分離株はA.equolifaciensに同定された。さらに、分離株はダイゼインだけでなく、グリシテインのヒト腸内代謝物である6-ヒドロキシダイゼインをエクオールにまで変換することが明らかとなった。
    以上の結果から、エクオールはA.equolifaciensの働きにより、ダイゼインからだけでなくグリシテインからも生成する可能性が考えられた。



[第8回 国際大豆シンポジウム概要]
 本シンポジウムは、世界中の大豆関連の研究者・技術者が集まる重要な場となっており、日本で開催されるのは今回が初めてです。今回のメインテーマは、「健康増進、慢性疾患予防および治療における大豆の役割」であり、大豆を日常の食生活に取り入れている日本での研究成果は、大きな注目を集めると考えられます。
 ・シンポジウム英語名:8th International Symposium on the Role of Soyin Health Promotion and Chronic Disease Prevention and Treatment
 ・開催期間:11月9日(日)~12日(水)
 ・会場:ヒルトン東京 4F 菊の間


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テーマ:食と健康 - ジャンル:ヘルス・ダイエット

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鉛筆の芯が超伝導
「黒鉛超伝導体」40年来の難問解決

鉛筆の芯が超伝導になる


<概要>
 東北大学 大学院理学研究科の佐藤 宇史 助教と同大学 原子分子材料科学高等研究機構の高橋 隆 教授らの研究グループは、40年来未解決であった「黒鉛超伝導体」のメカニズムを解明することに成功しました。
 本研究成果は、平成20年11月9日(英国時間)に英国科学雑誌「Nature Physics(ネイチャーフィジックス)」のオンライン速報版で公開されます。

<背景>
 鉛筆の芯に使われている黒鉛(グラファイト)は、炭素原子が蜂の巣状のネットワークを形成した層状の結晶構造(図1(a))を持っており、鉛筆でなめらかに字が書けるのは、このグラファイト層の間がすべりやすく、はがれやすいためです。黒鉛自体は電気をわずかに流す半金属として知られていますが、グラファイト層の間にカリウム(K)原子を入れると、低温で電気抵抗がゼロとなる超伝導を示すことが40年前に発見されました。私たちの身の回りどこにでもある黒鉛が超伝導になるということで大きな注目を集め、その超伝導メカニズムを解明して、さらに高い超伝導温度を達成しようという研究が世界中で精力的に行われました。とりわけ、日米仏の研究者の間では相反する超伝導モデルが提案され、激しい議論が展開されましたが、そのメカニズムは依然不明のままでした。ところが2005年に、これまで絶対温度で高々2K程度であった超伝導転移温度(Tc)が、牛乳や骨に含まれているカルシウム(Ca)をグラファイト層間に入れると、一気に11.5Kまで急上昇することが報告されました(図1(b))。この発見により、「黒鉛超伝導体では高いTcは実現できない」というそれまでの常識が覆され、現在、基礎科学の立場からも、今後より高いTcを持つ物質を開発する産業応用の立場からも、この黒鉛超伝導体の超伝導メカニズムの解明が急がれています。

<研究の内容>
 本研究グループは今回、光電子分光(図2)と呼ばれる実験手法を用いて、カルシウムを入れた黒鉛超伝導体(C6Ca)中の超伝導電子の観測を試みました。光電子分光とは、物質に紫外線を照射して、外部光電効果注1)により物質外に放出される電子のエネルギーを精密に測定することで、物質内にある電子の状態を観測できる実験法です。本研究グループは、世界最高のエネルギー分解能を持つ装置を用いて、黒鉛超伝導体の超伝導電子の直接観測に今回初めて成功しました。その結果、超伝導を担う電子は、グラファイト単独層に存在するパイ電子( 電子)注2)やシグマ電子( 電子)注3)ではなく、グラファイト層が重なり合うことで層の間に新たに形成される「層間電子状態」に存在する電子であることが明らかになりました(図1(c))。また、層間に挿入されたカルシウム原子は、この層間電子状態に電子を与えると同時に、層間電子が超伝導になることを助ける働きもしていることも判明しました。この層間電子は、30年以上も前に日本の研究者により予言されながら実験的に観測できず、長い間その存在と超伝導への関与について謎のままであったものです。今回の成果は、この層間電子の存在を確認すると同時に、その超伝導への寄与を明らかにしたもので、黒鉛超伝導の長年の難問を解決したものと言えます。

<今後の展望>
 今回の研究結果に基づいて、カルシウムなどの挿入原子と炭素原子がどのように協力して高いTcを実現しているのかの研究が急速に進むものと期待されます。その結果、カルシウム以外の原子や分子を入れたり、グラファイトの炭素を他の元素で置換したりすることで、さらに高いTcを持つ超伝導体が見いだされることが期待されます。また、今回の成果をもたらした光電子分光装置の高分解能化をさらに進めることで、超伝導を引き起こしている層間電子の性質がより明らかになり、高温超伝導体などの黒鉛以外の層状超伝導体の超伝導機構の解明と、そのTc上昇に貢献するものと期待されます。

 本成果は、文部科学省・日本学術振興会科学研究費およびJST 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)の「物質現象の解明と応用に資する新しい計測・分析基盤技術」研究領域(研究総括:田中 通義 東北大学 名誉教授)の研究課題「バルク敏感スピン分解超高分解能光電子分光装置の開発」(研究代表者:高橋 隆)によって得られました。

 
<用語解説>
注1)外部光電効果
 物質に紫外線やX線を入射すると電子が物質の表面から放出される現象です。物質外に放出された電子は光電子とも呼ばれます。この現象は、1905年に、アインシュタインの光量子仮説によって理論的に説明されました。アインシュタインは、この業績でノーベル賞を受賞しています。

注2)パイ電子(電子)
 グラファイト単独層の電子状態を構成している2種類の電子状態の1つ(もう1つはシグマ電子)で、グラファイト層平面に対して垂直に伸びた電子分布を持っています(図1(c)参照)。半金属であるグラファイトの電気伝導は、このパイ電子によって担われます。

注3)シグマ電子( 電子)
 グラファイト層内の炭素と炭素の結合方向に伸びた電子分布を持ちます(図1(c)参照)。
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ノコギリヤシのエキスと前立腺肥大症
ノコギリヤシエキス含有食品の排尿改善効果を日本人臨床試験にて証明

日本初(*1)!前立腺肥大症における
ノコギリヤシエキス含有食品の有効性を確認

―11月8日~9日 第11回日本補完代替医療学会学術集会(横浜市)にて発表―

 *1 弊社調べ



 小林製薬株式会社(本社:大阪市、社長:小林 豊)は、日本人前立腺肥大症患者におけるノコギリヤシエキス含有食品の有効性を初めて確認(*1)しました。この研究成果について、2008年11月8日(土)~9日(日)に横浜市で開催される第11回日本補完代替医療学会(*2)学術集会において発表いたしました。


■前立腺肥大症とは
 尿道を囲むようにして存在する前立腺が肥大して、尿道が圧迫されることで起こる。頻尿や残尿感などの排尿障害を伴う。


■ノコギリヤシとは
 北米大陸南東部に分布する高さ2~4mのヤシ科の低木でノコギリ歯状の葉をもつことが名前の由来になっている。夏に香りの良いクリーム色の花を咲かせ、秋に紅い実をつける。果実は、油性の物質を多く含み、食用、薬用に使用される。
 古来よりヨーロッパで前立腺肥大症の治療薬として使用され、多くの臨床試験によって有効性が確認されているが、日本人での臨床試験報告は現在報告されていない。


■日本人前立腺肥大症患者におけるノコギリヤシエキス含有食品の有効性、安全性を臨床試験にて確認
 弊社では、ノコギリヤシエキス含有食品が前立腺肥大による排尿困難を軽減することに着目して、日本人での研究結果が未だ報告されていない臨床試験を実施し、研究を進めてまいりました。そして、今回ノコギリヤシエキス含有食品による「排尿困難の改善」を確認しました。

 これまで、“ノコギリヤシ”は健康食品として日本でも広く使用されてきましたが、前立腺肥大症患者について有効性が日本人で確認されたのは今回の研究が初めて(*1)です。

 *1 弊社調べ
 *2 代替医学領域における基礎的・臨床的研究の促進と情報の収集・交換を図り、代替医療の進歩・普及・発展に寄与することを目的とする学会


<結果>
 ノコギリヤシエキス含有食品の、日本人における前立腺肥大症について排尿困難の改善を確認



<考察>
 高齢化が進む社会状況下、ノコギリヤシエキス含有食品は今後、前立腺肥大症の改善素材として期待される。


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子どものインフルエンザ対策薬の発売
アクトヒブ(R)(インフルエンザ菌b型による感染症予防小児用ワクチン)の発売日に関するお知らせ


 第一三共株式会社(本社:東京都中央区)は、サノフィパスツール第一三共ワクチン株式会社(本社:東京都江戸川区、代表取締役社長:杉山弘)が開発したインフルエンザ菌b型による感染症を予防する小児用ワクチンであるアクトヒブ(R)(製造販売元:サノフィパスツール第一三共ワクチン株式会社、製造元:仏・サノフィパスツール社、販売元:第一三共株式会社、承認取得日:2007年1月26日)を2008年12月19日に発売することとしましたので、お知らせします。


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生活習慣病、スタチンの一種リスクよく減らす
心血管イベント発症リスクを44%減少

スタチンの大規模アウトカム試験としては過去最大の減少効果

クレストール(R)JUPITER試験


 アメリカ・ニューオーリンズで開催されている2008年米国心臓協会(American Heart Association)学術集会でJUPITER(ジュピター)試験が9日、Late Breaking Clinical Trials Sessionにて発表されました。
 LDL-Cは正常か低値であるものの炎症マーカーとして知られている高感度CRPが高値の、心血管疾患リスクを有する男女を対象にクレストール(R)(ロスバスタチン)の1次予防効果を検討したJUPITER試験において、クレストール(R)20mg/日投与群ではプラセボ投与群に比べて、わずか1.9年(中央値)という短い試験期間で、一次エンドポイントの心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、血行再建術施行、入院を要する不安定狭心症および心血管死の複合リスク)の発症が44%(p<0.001)という大幅な減少を示しました。

 そのほかクレストール(R)20mg/日投与群では、

 ・心筋梗塞、脳卒中、心血管死の複合リスクは47%(p<0.001)減少しました。
 ・心筋梗塞の発症リスクは54%(p<0.001)減少しました。
 ・脳卒中の発症リスクは48%(p=0.002)減少しました。
 ・総死亡率は20%(p=0.02)減少しました。

 これらの結果はクレストール(R)投与によってLDL-Cが55mg/dL(中央値)まで50%(p<0.001)も低下したことが大きく寄与しているものと考えられます。また、JUPITER試験の結果はThe New England Journal of Medicineにも掲載されています。

 また、クレストール(R)20mg/日投与は、約9,000例の患者において良好な忍容性を示し、がんやミオパシーを含む主要な有害事象においてもプラセボと同様の安全性プロファイルが認められました。

 「今回の試験で心血管イベントに対するクレストール(R)のエビデンスが新たに蓄積されました。JUPITER試験の結果、LDL-Cは正常か低値であるものの、高感度CRPが高値である人々において、クレストール(R)はLDL-Cを劇的に低下させ、心筋梗塞や脳卒中のリスクを約半分まで減少することが確認できました。今後の治療への大きな知見となるでしょう」-アストラゼネカのチーフ・メディカル・オフィサー、ハワード・ハッチンソンは語っています。


JUPITER試験
 JUPITER (Justification for the Use of statins in Primary prevention: an Intervention Trial Evaluating Rosuvastatin) 試験は患者数17,802例と大規模な無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験です。心血管イベント発症のおよそ半数がLDL-C値が正常か低値の患者さんであることから、JUPITER試験は、心血管イベントの既往がなく、LDL-Cは正常か低値であるものの、高感度CRP高値および加齢より心血管疾患リスクを有する患者を対象に、心筋梗塞、脳卒中、また他の主要な心血管イベントの発症に対するクレストール(R)の抑制効果を検討しました。半数以上の対象患者が高血圧、低HDL-C、冠動脈疾患の家族歴、喫煙などのリスクファクターを一つ以上有していました。炎症マーカーである高感度CRPは動脈硬化性の心血管イベントリスクと相関することが知られています。

 JUPITER試験は今年3月に独立データ管理委員会から「すでに明確なベネフィットが確認できた」として、早期に終了するよう勧告を受け、予定よりも早期に終了しました。
GALAXYプログラム

 JUPITER試験はスタチン研究における未解明の重要な問題に取り組むために計画された世界的な研究であるアストラゼネカのGALAXYプログラムのひとつです。これまでGALAXYプログラムには世界55カ国から69,000例を超える患者がエントリーしています。


クレストール(R)について
 クレストール(R)は世界97カ国以上で承認され、1,500万人以上の患者に服用されています。臨床試験及び、市販後のデータからクレストール(R)の安全性プロファイルは他のスタチンと同様であることが示されています。クレストール(R)の日本における適応症は、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症です。日本での通常開始用量は2.5mg/日ですが、早期にLDL-コレステロール値を低下させる必要がある場合は5mg/日より投与可能で1日最大用量は20mgです。
 これまでの臨床試験でクレストール(R)はLDL-C低下効果、HDL-C上昇効果に優れ、心血管疾患の根源にある動脈硬化の退縮を実現することができるスタチンであることを示しています。



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新抗凝固薬・「ザレルト」・承認取得
待機的膝関節と股関節全置換術後の静脈血栓予防
バイエルのザレルト、カナダにて承認取得
 ●バイエルの新しい1日1回投与の経口抗凝固薬が最初の承認を取得しました
 ●販売開始は間もなくです
 ●標準治療に対して優れた有効性を示した画期的新薬です
 ●今日世界で最も調査研究された経口投与可能な直接作用型第Xa因子阻害剤です


 レバクーゼン/トロント、2008年9月16日―カナダ保健省は、待機的股関節または膝関節全置換術後の静脈血栓塞栓症(VTE)予防における1日1回1錠投与の抗凝固薬、ザレルト(R)(リバロキサバン)に対して、バイエル ヘルスケア社の販売承認を許諾しました。この決定により、ザレルトの世界で最初の承認取得となりました。バイエルはザレルトの販売を間もなく開始します。

 バイエル ヘルスケア社のCEO、アーサー・ヒギンズは次のように述べています。「ザレルトはバイエルのドイツ・ヴッパータール研究所で発明された画期的新薬で、標準治療のエノキサパリンを上回る優れた有効性を示した唯一の経口抗凝固薬です。カナダでの承認は、この領域で最も大規模に調査研究された製品にとって重要なマイルストーンとなります。バイエル ヘルスケア社は、抗血栓症療法に新たな時代を築く大きな進歩を成し遂げました」


 RECORDプログラムの主要治験責任医師である、カナダのマクマスター大学医学部教授A.G.G.ターピー博士は次のように述べています。「ザレルトは、待機的股関節または膝関節全置換術後の危険な血栓の予防を革新する可能性をもっています。現在の標準治療には制限がありますが、ザレルトのような新しい治療法は静脈血栓の致死的な影響を予防することができ、医師の大きな助けとなります」


 カナダ保健省による承認は、待機的股関節または膝関節置換術を受けた約1万人の患者さんを対象としたザレルトの3つの第III相試験(RECORD1,2,3試験)を含む、大規模なRECORD臨床試験プログラムのデータに基づくものです。この3つの試験結果は、エノキサパリンとの直接比較(RECORD1と3)と、ザレルトの長期投与(5週間)とエノキサパリンの短期投与(2週間)を比較した場合(RECORD2)の両方において、ザレルトの優れた有効性を示しました。また3つの試験すべてにおいて、ザレルトとエノキサパリンは重大な出血の頻度が同程度に低く、同等の安全性プロファイルを示しました。

 ザレルトは欧州医薬品委員会(CHMP)による承認勧告も取得しており、バイエルは近いうちに欧州連合
(EU)全加盟国内での販売が承認されることを期待しています。


◆静脈血栓塞栓症について
 静脈血栓塞栓症(VTE)は生命にかかわる非常に危険な状態で、毎年、乳がんやエイズ、前立腺がん、交通事故による死亡者数を合わせたよりも多くの人がVTEにより亡くなっています。概してカナダでは、毎年15,000から20,000のVTEの症例があると推定されています。
 股関節または膝関節置換術中に心臓へ血液を戻す脚の大静脈が傷つくため、そのような整形外科大手術を受けた患者さんのVTE発症リスクは非常に高くなります。実際に、整形外科大手術を受けた患者さんが予防処置を受けなかった場合には、40から60%の患者さんに静脈血栓が発症しています。2005年から2006年では、股関節と膝関節置換術のための入院数はカナダだけで約69,000件でした。
 VTEに関する詳細は、http://www.thrombosisadviser.comもご参照ください。


◆ザレルト(R)(リバロキサバン)について
 ザレルトはその大規模な臨床試験プログラムにより、現在世界で最も調査研究された経口投与可能な直接作用型第Xa因子阻害剤です。約5万人の患者さんがザレルトの臨床開発プログラムの対象となる予定で、このプログラムは、静脈血栓塞栓症(VTE)治療、心房細動患者さんの脳卒中予防、入院治療中の患者さんのVTE予防、そして急性冠症候群の二次予防などの広い範囲の急性および慢性の血液凝固障害の予防と治療において製剤を評価するものです。
 ザレルトは先日、米国食品医薬局(FDA)に承認申請されました。承認後はジョンソン・エンド・ジョンソングループであるオーソ・マクニール社が米国での販売を行う予定です。FDAへの申請に加えて、10カ国以上の監督官庁にて申請の審査が行われています。


 ザレルトはバイエルのドイツ・ヴッパータール研究所で発明され、バイエル ヘルスケア社とジョンソン・エン
ド・ジョンソンPRD社が共同で開発を行っている製品です。

バイエル薬品株式会社
2008年9月26日、大阪
Bayer Yakuhin,Ltd./Communications


◆バイエル ヘルスケア社について
 バイエルは、ヘルスケア、農薬関連、先端素材の領域を中核事業とするグローバル企業です。バイエル社の子会社であるバイエル ヘルスケア社は、ドイツ・レバクーゼンを本拠とする、ヘルスケアと医薬品業界の革新的なリーディングカンパニーです。同社の世界的な事業活動は、動物用薬品、コンシューマーケア、ダイアベティスケア、医療用医薬品の分野に及びます。このうち、医療用医薬品事業は、バイエル・シエーリング・ファーマ社の名称で運営されています。バイエル ヘルスケア社の目標は、人類と動物の健康を促進する製品を開発し製造することです。
 http://www.bayerhealthcare.com


◆バイエル・シエーリング・ファーマについて
 バイエルグループの一員であるバイエル・シエーリング・ファーマ社は、世界的なスペシャリティ医薬品企業です。画像診断薬、ジェネラルメディシン、スペシャリティメディシン、ウイメンズ ヘルスケアの4領域に注力し、研究開発及び事業活動を展開しています。バイエル・シエーリング・ファーマ社は、その革新的な製品で、世界のスペシャリティ医薬品市場における主導的ポジションを目指します。そして、新しいアイディアを活かして医療の進歩に貢献し、人々のクオリティ・オブ・ライフの向上に努めます。

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日本人の遺伝子の特徴をさぐった
1人あたり約14万個所のDNA塩基多型を用いて日本人の集団構造を解明
- 病気と遺伝子の関連を調べるケース・コントロール解析のよりよい研究デザインが可能に -

◇ポイント◇ 
●7,000人以上の日本人の常染色体上のDNA塩基多型情報を解析
●ほとんどの日本人は、本土クラスター、琉球クラスターの2つに大別
●本土でも遺伝的な地域差があることが判明


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、1人あたり約14万個所のDNA塩基多型の解析により、日本人の集団構造を大きく2つのクラスター(集団)にわけることができることを明らかにしました。これは、理研ゲノム医科学研究センター(中村祐輔センター長)統計解析・技術開発グループの鎌谷直之グループディレクター、加畑(山口)由美研究員らによる研究成果です。
 私たちそれぞれが持っている遺伝子と個人の病気のかかりやすさ、薬の副作用の有無などの関係を調べる場合、病気や薬の副作用を持つ集団(患者集団:ケース)と持たない集団(対照集団:コントロール)について、遺伝子上のSNP(1塩基多型)(※1)を測定し、その頻度を比較する手法が一般的に行われています。この手法はケース・コントロール解析と呼ばれ、この解析からわかるSNPの頻度情報は、個人に合った投薬や治療を行う、オーダーメイド医療を目指した研究の基盤情報として非常に有用です。しかし、対象にした集団に分集団構造があり、ケースとコントロールのサンプルの仕方に偏りがある場合、偽陽性の結果を検出する率が上昇してしまいます。今後のゲノムワイドなケース・コントロール解析のよりよいデザインのためにも、ゲノム全体を網羅するSNPを用いて、日本人の集団構造を調べることが大変重要です。
 研究グループは、日本人7,001人と中国人45人のサンプルについて、1人あたり約14万個所のSNPの遺伝子型データを用いた主成分分析(※2)を行いました。その結果、日本人の大部分が本土クラスターと琉球クラスターに大別できることを明らかにしました。さらに、本土の中でも遺伝的な地域差があることが明確となりました。
 今回明らかにした、日本人の集団構造に関する知識により、ゲノムワイドなケース・コントロール解析の研究デザインの向上が期待されます。また、今後さらに多くのアジアの近隣諸国の人のSNPと共に解析することによって、集団間の違い、民族の歴史、人の移動の程度を含めた詳細な集団構造の理解などが可能になると期待できます。
 本研究は、文部科学省「個人の遺伝情報に応じた医療の実現プロジェクト(オーダーメイド医療実現化プロジェクト)」の一環として行われたもので、研究成果は、米国の科学雑誌『The American Journal of Human Genetics』(10月号)に掲載されるに先立ち、オンライン版(9月25日付け:日本時間9月26日)に掲載されます。


1.背景

 病気のかかりやすさ、薬の副作用の有無などと遺伝子の関係を調べる場合、病気や薬の副作用を持つ集団(患者集団:ケース)と持たない集団(対照集団:コントロール)について、ゲノム上のDNA塩基多型のタイプを測定し、その頻度を比較する手法「ケース・コントロール解析」が一般的に行われています。このケース・コントロール解析で用いる1塩基多型(SNP)の頻度情報は、病気や副作用と遺伝子の関係を解明し、個人に適合した投薬や治療を行うオーダーメイド医療を目指した研究の基盤情報として非常に有用です。
 理研ゲノム医科学研究センターは、ゲノム全体を網羅するSNP解析の手法を確立し、これまでに、心筋梗塞、関節リウマチ、変形性関節症、糖尿病性腎症などをはじめとする数多くの疾患に関連する遺伝子を特定してきました。また近年、欧米の研究機関においても、同様の解析による疾患関連遺伝子研究が急速に進んできています。一方、SNPの頻度は人種、国、地域によって異なっており、民族の歴史の影響を受けています。このような状況を踏まえ、日本人の病気や薬の副作用に関連する遺伝子の探索をさらに深めていく上で、日本人の集団の遺伝的多様性と集団構造の理解の必要性が高まっています。
 現在のケース・コントロール解析は、解析対象の集団の中では、疾患に関係のないゲノム領域のSNPの頻度は個人の疾患の有無と関係がない、という仮定を立てています。そのため、もし対象の集団に、さらに細分化した分集団構造があって、ケースとコントロールのサンプルの取り方に偏りがある場合(図1)、あるいは、コントロール集団に比べてケース集団の方がより近縁である場合は、疾患に関係のないゲノム領域でも、SNPの頻度に統計的な有意差が出やすくなり、偽陽性の結果を得る率が上昇します。
 これまで理研ゲノム医科学研究センターは、日本人の集団を対象として、多くの疾患関連遺伝子を特定してきました。しかし、今後のさらなる研究を進める場合、より多数のサンプルを用いて解析を行うと、検出力が上がる反面、集団の構造化による偽陽性の結果を得る率が上がってしまうことが懸念されます。
 日本人の遺伝的多様性と起源についての研究は、これまでミトコンドリアDNA(※3)やY染色体(※4)のDNA塩基多型を用いた研究が主流でした。それらの先行研究では、興味深いことに、日本人集団の「二重構造」説(※5)を支持するものや、ミトコンドリアDNAのハプロタイプ(※6)の多様性を示すものがあります。そのため、今後のゲノムワイドなケース・コントロール解析が、偽陽性の結果を得ることがないようにするためにも、ゲノム全体を網羅するSNPを用いて、日本人の集団構造を調べることが必要です。


2.研究手法と成果

 今回の研究では、国際ハップマッププロジェクト(※6)の4つの集団(西・北欧系ユタ州住民60人、ナイジェリアのヨルバ族60人、東京在住の日本人45人、北京在住の中国人漢民族45人の合計210人)のSNPのデータに加えて、バイオバンクジャパン(※7)の日本人7,003人の、常染色体(※8)上にある1人あたり140,387個所のSNPを解析に用いました。この日本人7,003人は、心筋梗塞、糖尿病、関節リウマチなど35種類の疾患のいずれかの患者であり(バイオバンクジャパンでは47種類の対象疾患があります)、病院の所在地により、7つの地域(北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、九州、沖縄)にグループ分けされています。
 研究チームは、これらの人々からの常染色体上のSNPの遺伝子型データを用いて、主成分分析を基礎にした解析手法により、個人間の遺伝子型の相関を基に個人間の近縁関係を解析しました(図2)。まず、欧米人、アフリカ人を含んだ解析により、日本人7,003人のほぼ全員が東アジア人のグループに属することを確かめました。次に、この内の7,001人を中国人45人のサンプルと共に解析した結果、7,001人は本土クラスターと琉球クラスターの2つの主なクラスターに大別されることがわかりました(図3)。つまり、前者には本土の6つの地域で採血された大部分の人が含まれ、後者には沖縄で採血された人の大部分が含まれていました。本土クラスターと琉球クラスターの遺伝的分化の程度は非常に小さく、そのためSNPの頻度の違いは大部分についてはわずかでしたが、約14万個所という数多くのSNPを用いたために、2つのクラスターを観察できたと考えられます。さらに、本土の中でも遺伝的な地域差があることが明確にわかりました(図4)。今回の結果は、従来から提唱されている日本人集団の「ニ重構造」説と矛盾しないものです。
 本土クラスターと琉球クラスターの違いが、どのSNPでもっとも顕著であるかを調べたところ、6番染色体のHLA領域(※9)に見つかりました。また、アミノ酸を変化させるSNPの頻度の違いを比較したところ、髪の毛の太さと関連のあるEDAR遺伝子(※10)のSNP、耳垢のタイプと関連のあるABCC11遺伝子(※11)のSNPの頻度がもっとも大きい違いを示しました。
 さらに研究グループは、日本人の集団構造が疾患関連遺伝子探索のケース・コントロール解析にどの程度影響するかを調べるために、2つのクラスターや地域を分集団として、個人をランダムにサンプル抽出し、シミュレーションを行いました。その一つとして、本土クラスターのケース集団(200人)とコントロール集団(200人)を基に、ケース集団における琉球クラスターからの人の割合を増やしていき、ゲノム全体のSNPの遺伝子型頻度の違いの統計量がどのように増大するかを調べました。その結果、ケース集団における琉球クラスターからの人の割合が23%になると、偽陽性の結果を得る率の増大が無視できなくなることを明らかにしました。この結果は、ケース・コントロール解析では、患者の住む地域や遺伝的背景を考慮した解析デザインが必要であることを示しています。


3.今後の期待

 日本人における遺伝的な集団構造と地域差が、ゲノム全体を網羅するSNPで解明されたことにより、次のような発展が期待されます。まず、今回明らかになった日本人の集団構造についての知識は、今後のゲノムワイドなケース・コントロール解析の研究デザインの向上に生かすことができます。今後の解析では、検出力を上げるために、より多数のサンプル数で解析すると予想でき、今回の研究の知見を生かせば、ケース集団とコントロール集団のバランスがとれるように前もって調整することで、偽陽性をなるべく抑える研究デザインが可能になります。また、進行中あるいは検証中の研究であっても、今回の研究で示した通り、サンプルの抽出の偏りが及ぼす偽陽性への影響の程度を考慮することによって、構造化による偽陽性の問題を解決することが可能になります。さらに、本土と琉球の2つのクラスターの間で頻度の違いが大きいSNPがあることを示しているため、どのSNPやどのゲノム領域で偽陽性が起こりやすいか、ということについても役立つ情報を提供します。このように、集団構造の理解や、分集団間の違いを理解することからケース・コントロール解析の精度が上がるため、疾患関連遺伝子同定の精度の向上が期待され、より確かなオーダーメイド医療の実現化につながると考えられます。
 また、日本人の集団構造が、今後、アジアの近隣諸国の人のデータと共に解析されることによって、集団間の違い、民族の歴史、人の移動の程度を含めた詳細な集団構造の理解が進むことになります。近縁な集団間における遺伝的な関係や違いの程度を理解することで、SNPと疾患の関係を解明する研究が、アジアの近隣諸国でも加速していくと注目されます。
 今回の研究により、アミノ酸を変化させているSNPの中で、本土クラスターと琉球クラスター間のもっとも大きな違いが、髪の毛の太さや耳垢のタイプのような、表現型の違いにかかわるものであったことは、非常に興味深い結果です。今後、近縁な分集団の間で頻度の違いの大きなSNPを調べることによって、人類の歴史において過去に働いた自然選択が、表現型に違いを生じるようなSNPの頻度の変化に影響を与えてきた例をさらに探し出すことができる可能性があると期待できます。


<補足説明>
※1 SNP(スニップと発音されることが多い)
 DNAの1塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism)で、過去に起きたDNAの点突然変異による。ヒト集団では染色体をランダムに2本選んで比較すると、1,200~1,500塩基に1つの割合で、SNPがあると推定されている。ヒトゲノム上では、約12,000,000のSNPが報告されている。

※2 主成分分析
 複数の変数間の共分散(相関)を少数の合成変数で説明する手法。共分散行列の固有値問題の解として得ることができる。この研究では、各個体点を座標のばらつきがなるべく大きくなるように直交軸を取り直して眺めている。

※3 ミトコンドリアDNA 
 細胞内小器官のミトコンドリアが独自に持っている環状のDNA。過去に細胞内で共生したほかの細胞が由来である、と考えられている。ミトコンドリアDNAは、受精卵の細胞質により母から子に伝えられる。DNA複製のエラー修復機構を欠き、分子進化速度が核のDNAよりも速い。ヒトのミトコンドリアDNA は約16,600塩基対と短いが、塩基多型の割合が核のDNAよりも高い。ヒトの遺伝的多様性と移動の歴史を推測する研究によく使われている。

※4 Y染色体 
 性染色体の1つで、ヒトではY染色体があると男性になる。通常の男性の性染色体の核型はX染色体とY染色体が1本ずつで、Y染色体は父親から息子に遺伝する。ヒトの遺伝的多様性と移動の歴史を推測する研究によく使われている。

※5 日本人集団の「二重構造」説 
 埴原和郎(はにはらかずろう)氏の「二重構造モデル」。日本人の祖先集団は、縄文人、そして北東アジアから渡来した弥生人に由来しており、この2集団は日本列島内で徐々に混血したが、アイヌ人と南西諸島の人においては、北東アジアからの渡来人の影響は少なかった、とする説。

※6 国際ハップマッププロジェクト/ハプロタイプ 
 ハップマップとは、ハプロタイプ地図を略したもの。ハプロタイプは1本のゲノム(染色体)上のDNA塩基多型の組み合わせである。このプロジェクトは、疾患関連遺伝子同定のためのゲノムワイドなケース・コントロール解析を加速させることを第一の目的に発足した。日本人、中国人、ヨーロッパ系アメリカ人、アフリカ人からの4集団270人について、ゲノム全体を網羅するSNPの遺伝子型が決定され、データベースで公開されている。

※7 バイオバンクジャパン 
 文部科学省「個人の遺伝情報に応じた医療の実現プロジェクト(オーダーメイド医療実現化プロジェクト)」の基盤となるDNAサンプルおよび血清サンプルを収集し臨床情報とともに保管している世界でも有数の資源バンクの名称。バイオバンクへ約30万人のDNAおよび血清試料を集め、それらを利用してSNPと病気との関係、薬剤の効果などの関係を明らかにする研究を行っている。心筋梗塞、糖尿病、関節リウマチなど47種類の対象疾患がある。情報は個人情報管理に配慮し幾重にも厳重に管理されており、東京大学医科学研究所内に設置されている。

※8 常染色体 
 ヒトでは1~22番染色体のこと。細胞内の染色体の全セットのうち、性染色体(X染色体とY染色体)を除いたもの。
 
※9 HLA(human leukocyte antigen)領域 
 ヒトの6番染色体短腕(6p21)上に存在し、その領域にある多重遺伝子族(遺伝子重複によって生じた遺伝子の中で相同性が高いもの)は、自己と非自己の認識、免疫応答の誘導に関与する白血球抗原をコードしている。MHC(major histocompatibility complex;主要組織適合性複合体)領域とも呼ばれる。

※10 EDAR遺伝子(ectodysplasin A receptor)
 シグナル伝達に関与する遺伝子の1種で、2番染色体上に存在する。370番目のアミノ酸変異(アラニンまたはバリン)の頻度は、東アジア人と他の人種で大きく異なっており、髪の毛の太さに関与することがわかっている。東アジア人は他の人種と比べて髪の毛が太く、アラニン型の頻度が高い。

※11 ABCC11遺伝子(ATP-binding cassette, subfamily C, member 11)
 ATP結合機能を持ち、輸送にかかわるタンパク質のファミリーをコードする多重遺伝子族のメンバーの1つで、16番染色体上に存在する。薬剤排出の機能を持つ。180番目のアミノ酸変異(グリシンまたはアルギニン)は、耳垢の乾型、湿型を決めることがわかっている。そのSNPの頻度は東アジアと他の地域で大きく異なっており、東アジア人では乾型のアルギニンのタイプの頻度が高い。

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神経膠芽腫・遺伝子治療・「レトロネクチン」
悪性脳腫瘍の一種である神経膠芽腫の遺伝子治療を実施する

ワシントン大学医学部にレトロネクチン(R)を供給


 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、米国ワシントン大学医学部(University of Washington School of Medicine、ワシントン州)のハンスピーター・キエム教授(Hans-Peter Kiem)らのグループが実施する神経膠芽腫(しんけいこうがしゅ)(Glioblastoma)の遺伝子治療の臨床試験に、当社が開発したレトロネクチン(R)を供給する契約を2008年9月29日付で締結しました。

 神経膠芽腫は、脳に発生する悪性腫瘍の一種である神経膠腫(しんけいこうしゅ)と呼ばれる腫瘍の中で最も高い悪性度に分類されるもので、診断後の平均生存期間が約12か月という治療が大変困難な疾患です。

 一般に、神経膠腫は正常な脳との境界が不鮮明であり、手術で全部を摘出することが難しいため、手術後に放射線療法や化学療法が施されます。しかし、化学療法に用いられる抗がん剤は、骨髄に対して毒性がありその造血機能を悪化させるため、投与量を制限しなければならないという大きな難点がありました。

 キエム教授らが実施する臨床試験ではこの難点を克服することを目指し、以下のような治療が行われます。まず、患者から採取した造血幹細胞(CD34陽性細胞)に、抗がん剤に対する耐性を与えることができる変異体酵素(MGMT-P140K)の遺伝子を、レトロウイルスベクターにより当社の開発したレトロネクチン(R)を用いて高効率に導入します。続いて、この遺伝子を導入した造血幹細胞を患者の体内に再び戻します。この結果、抗がん剤耐性付与酵素(MGMT-P140K)を発現した患者の造血幹細胞は、抗がん剤の毒性による影響を受け難くなります。したがって従来から問題となっている抗がん剤の副作用を抑制しながら、より高用量の抗がん剤を投与することができ、神経膠芽腫を治癒できる可能性が高まると考えられます。

 本臨床試験では15~30人の患者が登録される予定です。


 当社が供給するレトロネクチン(R)を用いて行われる臨床試験は、本臨床試験が世界で43番目となります。体外遺伝子治療は難病治療のための有効な一手法として世界中に広まりつつあり、同時に体外遺伝子治療に用いられるスタンダード技術である当社のレトロネクチン法もよりいっそう認知され、さらに広がっていくものと期待しています。

 当資料取り扱い上の注意点 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。


<参考資料>
【語句説明】

レトロネクチン(R)
 レトロネクチン(R)は、ヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組換えタンパク質です。当社はレトロネクチンに関する日本を含む世界各国における物質特許を保有しています。標的細胞とレトロウイルスの両者に対して特異的相互作用を持つことにより、レトロネクチン(R)上で、レトロウイルスと標的細胞が密接に接触し、遺伝子導入効率が上がると考えられています。

 このレトロネクチン法によって、従来技術では困難であった、造血幹細胞等の血球系細胞へのレトロウイルスベクターによる高効率遺伝子導入が可能となりました。

 造血幹細胞 生涯にわたって絶え間なく赤血球、白血球、血小板など各種の血液細胞の源となる細胞です。分裂増殖に伴って自己複製するとともに、同時に性質の異なる各種血球系細胞へ分化します。

 レトロウイルスベクター レトロウイルスとは、一本鎖RNAをゲノムとする約0.1 μmのウイルスで、このウイルスが感染した細胞では、RNAゲノムから合成されたDNAが染色体に組み込まれます。遺伝子治療用ベクターとして、レトロウイルスの一種であるマウス白血病ウイルス(MoMLV:Moloney murine leukemia virus)を特別な細胞の中でのみ増殖できるように改変し、自己増殖能を奪ったものが広く用いられています。このベクターを使用すれば種々の細胞に遺伝子導入を行うことができ、安定した形質発現が期待できます。



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神経の情報伝達の仕組みの新知見
神経伝達物質の放出を制御する新分子を発見
― 神経伝達物質放出とメラニン色素輸送に共通の分子機構が関与! ―

【 本研究成果のポイント 】
 ・ヤリイカ巨大軸索を用いて神経伝達物質を制御するラブ27の機能を解明
 ・ラブ27はシナプス小胞を細胞膜まで輸送する過程を制御
 ・神経伝達物質の放出とメラニン色素輸送に共通の分子メカニズムを発見


 私達の脳は一千億を超える神経細胞により成り立っており、シナプス(*1)と呼ばれる連絡場所を介して巨大なネットワークを形成しています。神経細胞間の情報交換は、シナプス小胞と呼ばれる袋に貯蔵された神経伝達物質が一つの細胞から放出され、別の細胞に受け渡されることにより行われています。一度使用されたシナプス小胞はリサイクル(再回収)され、神経伝達物質を再充填された後、細胞膜まで輸送されます。つまり、情報交換を継続的に行うためには、シナプス小胞のリサイクリングは重要なプロセスと考えられます。しかし、シナプス小胞からの神経伝達物質の放出機構に比べ、リサイクルされたシナプス小胞が細胞膜までどのような機構で輸送されるかは、これまでほとんど解明されていませんでした。

 今回、私達はヤリイカの巨大軸索(*2)を用いて、このリサイクルされた小胞が細胞膜に輸送される過程に、低分子量Gタンパク質ラブ27(Rab27)(*3)が関与することを突き止めました。すなわち、ラブ27はシナプス小胞上に存在しており、その機能を特異的に阻害すると、シナプス小胞が細胞膜から離れた部分に蓄積することを明らかにしました。

 今回同定されたラブ27は、ヤリイカをはじめとする無脊椎動物から高等哺乳動物まで進化的に保存されており、ヒトの神経細胞でも同様な機能を持つものと考えられます。ヒトにおいては二種類のラブ27(AとB)が存在し、ラブ27Aを欠損すると毛髪や肌の白色化を特徴とするGriscelli(グリセリ)症候群(*4)が発症します。私達はラブ27Aがメラノサイトにおいてメラニン色素を細胞膜まで輸送することを以前突き止めており(*5)、今回の成果により神経伝達物質の放出とメラニン色素輸送に共通の分子機構が存在することが初めて明らかになりました。

 本研究は、東北大学大学院生命科学研究科の福田光則教授のグループとニューヨーク大学のRodolfo R. Llinas教授のグループの共同研究により行われたものです。

 本研究成果は、2008年9月29日(米国東部時間)の週に米国の科学雑誌『米国科学アカデミー紀要』のオンライン版に掲載されます。


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ガラクタはガラクタでなかった
『ガラクタ』RNAの遺伝子活性化における新しい役割 


1.タイトル:「ガラクタ」RNAの遺伝子活性化における新しい役割


2.発表概要:
 ゲノム情報の「暗黒物質(ダークマター)」といわれる非翻訳型RNA(ノンコーディングRNA)の出現とともに、段階的にクロマチン構造が緩み、遺伝子の発現が活性化される機構が、国立大学法人東京大学(小宮山宏総長)と独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)の共同研究により、世界で初めて明らかにされた。


3.発表内容:
◇発見の背景
 ヒトゲノム解析結果から、下等な生物と比較して、ヒトの遺伝子数がそれほど多くないことが示された。これは、生物の複雑化や多様化において、遺伝子数の増大よりも、遺伝子発現制御の複雑化が重要であることを示している。また、昨今の網羅的な遺伝子発現の解析から、タンパク質をコードしていない転写物(非翻訳型RNAまたはノンコーディングRNA)が、予想以上に多く存在することが示された。非翻訳型RNAは、当初何をしているか不明であったため「ガラクタ」のような存在ではないかと考えられていた。しかし、最近になって、発生・分化に応じて転写制御を受けるほか、遺伝子発現の抑制などの機能が示されつつあり、さまざまな遺伝子制御過程に重要な役割を持つと考えられるようになった。このような無数の非翻訳型RNAの発見は、生命科学に大きな転換点をもたらしつつあり、「RNA新大陸発見」と称されるに至っている。しかしながら、非翻訳型RNAの遺伝子発現制御における役割は不明な点が多く、特にmRNA型の非翻訳型RNAの機能については、ほとんど明らかになっていない。
 太田邦史(東京大学大学院総合文化研究科教授/理化学研究所客員主幹研究員)の研究室では、酵母を用いてDNA組換えとクロマチン構造(※1)の関係を調べてきた。その過程で、DNA組換えが頻発する場所で、減数分裂時にクロマチン再編成が起こることを示した。また、このクロマチン再編成には、ある種の配列特異的DNA結合タンパク質(CREB/ATF型転写因子(※2))が関わることを見出した。さらに、太田邦史教授と廣田耕志氏(元 理化学研究所 基礎科学特別研究員)は、同様なクロマチン再編成の仕組みが、グルコースが枯渇した環境下(グルコース飢餓)にある分裂酵母のfbp1遺伝子(フルクトース-1,6-ビス脱リン酸酵素(※3))の転写プロモーター領域にも認められ、fbp1遺伝子の活性化に関わることを明らかにしていた。

◇発見の詳細
 fbp1遺伝子は、グルコースが培地に存在する間はほとんど転写されない。ところが、グルコースが培地から失われると(グルコース飢餓)、1時間ほどで顕著に活性化される。今回廣田耕志氏と太田邦史教授らは、グルコース飢餓状態に移行する際、微量の非翻訳型RNAがあらかじめ転写されていることを発見した(図1)。この非翻訳型RNAは、正規のfbp1遺伝子プロモーターのさらに上流域から転写される長鎖のmRNA型非翻訳型RNAであり、タンパク質には全く翻訳されない。興味深いことに、グルコース飢餓に対応してfbp1遺伝子の活性化がはじまると、転写開始部位がfbp1コード領域に近接したいくつかの転写開始点に順次移行し、RNA量の増大に相反して、長さがだんだんと短くなっていった。これに呼応するように、fbp1プロモーター領域のクロマチン構造が徐々に開いた状態に移行していくことも示された(図2)。グルコース飢餓から1時間ほどすると、正規のfbp1転写開始点から大量のmRNAが合成され、タンパク質への翻訳が始まった。この時期におけるfbp1領域のクロマチン構造は、広い範囲でヌクレアーゼの消化を受けやすい開いた状態をとっていた。
 上記の結果は、長鎖非翻訳型RNAがRNAポリメラーゼII(※4)によって合成される過程で、順次fbp1プロモーター領域のクロマチン構造が弛緩していき、これがカスケード的に生じることで、転写が段階的に活性化される可能性を示唆している。そこで、この考えを検証するため、fbp1プロモーター領域の複数の箇所に転写終結配列(※5)を挿入した酵母株を作製し、fbp1の発現やクロマチン構造を解析した。その結果、長鎖非翻訳型RNAの合成を途中で終結させると、大規模なfbp1の転写活性化が起こらなくなること、また長鎖非翻訳型RNAの終結点以降でのクロマチン再編成が起こらなくなることを確認した(図3)。分子レベルの解析で、長鎖非翻訳型RNAの転写には、RNAポリメラーゼII、fbp1プロモーター領域に結合するCREB/ATF型転写因子、C2H2Znフィンガータンパク質(※6)、Groucho型の転写共抑制因子(※7)が協調的に関わることが示された(図4)。さらに、分裂酵母の全ゲノムをカバーするゲノムタイリングDNAチップ(※8)を用いて、グルコース飢餓で転写が誘導されるほかのいくつかの遺伝子でも、同様な長鎖非翻訳型RNAが誘導初期に転写されることを明らかにした。
 以上の結果から、非翻訳型RNAの転写を伴う段階的なクロマチン再編成が、遺伝子の活性化にも重要な役割を果たすことが示された。

◇意義と波及効果
 CREB/ATF型の転写因子や、Groucho型転写共抑制因子は、糖代謝のほか、高等真核生物では発生や分化にも関わることが知られている。また、記憶に必要な神経細胞の長期増強の際にも、CREB/ATF型の転写因子が関わるクロマチン再編成が起こることが報告されている。これらのことから、今回発見したタイプの非翻訳型RNAは、おそらく発生や分化、長期記憶などの過程に関わる遺伝子群においても活躍しているものと考えられる。近年のクロマチンをベースにした研究で、真核生物の転写制御機構の概念は、大腸菌をモデルとしたジャコブとモノーのオペロン説(※9)から大きな発展を見せつつある。今回発見された機構も、真核生物の遺伝子制御に関する研究に、新しい展開をもたらすものと期待される。また、ヒトなどで同様な機構を調べることで、糖尿病などの代謝異常疾患や、人間の記憶の仕組みが解き明かされる可能性がある。


4.発表雑誌:
 9月28日付けのNature誌オンライン版で発表。
 Hirota K., Miyoshi T., Kugou K., Hoffman C.S., Shibata T., and Ohta K.
 Stepwise chromatin remodeling by a cascade of transcription initiation of non-coding RNAs Nature, in press (2008)


5.注意事項:
 報道の解禁 日本時間9月29日 午前2時(新聞は9月29日朝刊)


6.問い合わせ先:
 東京大学大学院総合文化研究科 広域科学専攻
  教授 太田邦史
   URL: http://bio.c.u-tokyo.ac.jp/labs/ohta/


7.用語解説:
※1クロマチン構造:真核生物のゲノムDNAは、ヒストンやそれ以外のタンパク質と結合し、高度に凝縮した状態で存在する。このような構造をクロマチン構造と呼ぶ。局所的なクロマチン構造の変化を介して、転写因子などのタンパク質の染色体DNAへの接近のしやすさが制御される。クロマチン構造は、転写や組換え・複製などの遺伝情報制御において、中心的役割を果たすことが示されつつある。

※2CREB/ATF型転写因子(CREB: CRE-binding protein、ATF:activating transcription factor):cAMP 応答配列(CRE: cAMP responsive element)に結合する、塩基性ロイシンジッパーを持った配列特異的DNA結合タンパク質である。同類の転写因子が酵母からヒトまで広く存在しており、糖代謝調節、ストレス応答や発生、神経の長期増強などに重要な役割を果たす。

※3フルクトース-1,6-ビス脱リン酸酵素:酵母をはじめ、多くの真核生物では、エネルギー源としてのグルコース(ブドウ糖)が枯渇すると、ほかの栄養素から糖新生というはたらきによってグルコースの供給を維持する。この際、グルコースを代謝する解糖系の逆反応を用い、その逆反応の1つに不可欠な酵素の1つが、フルクトース-1,6-ビス脱リン酸化酵素である。この酵素は、生育環境にグルコースが存在すると転写が低く抑えられ,ほとんど細胞内に存在しないが、グルコース飢餓に際して大量に合成されるようになっている。したがって、この過程には、厳密な遺伝子活性の制御が必要であり、遺伝子発現研究のための良いモデル系を提供する。

※4RNAポリメラーゼII(RNA Pol II):真核生物のRNA合成を担当する酵素は3種類ある。そのうちの1つがRNA Pol IIであり、基本的にはタンパク質をコードする遺伝子領域(クラスII遺伝子)の転写を行う。それ自身では、転写開始点に特異的に結合できず、転写活性化因子を介して転写開始点のクロマチンに結合する。

※5転写終結配列:遺伝子の3´側に配置する配列で、転写されたRNAでは末端部分に位置し、RNAポリメラーゼの反応を終結させる機能がある。

※6C2H2Znフィンガータンパク質:亜鉛を配位することでDNA結合活性を示すドメインを持つタンパク質のうち、亜鉛の配位が2つのシステインと2つのヒスチジンによるもの。遺伝子発現に重要な役割を果たす。
※7Groucho型の転写共抑制因子:Groucho(グルーチョ)という転写共抑制因子は、高等真核生物のWntシグナルの下流に位置する転写制御因子である。高等生物の体軸・体節形成に関与する。当初、ショウジョウバエの体節剛毛が太くなる変異の原因遺伝子(名は眉毛の濃い喜劇俳優から取られた)として同定された。酵母などでは、Tupといわれる転写共抑制因子が同類であり、ストレス応答遺伝子などの転写制御に関わる。

※8ゲノムタイリングDNAチップ:染色体の配列を、端から端までもれなく網羅して、20塩基対や100塩基対単位に区切り、その区画に対して25塩基程度のオリゴDNAを設計し、個々にチップ上に合成したもの。染色体のどの部分が転写されているかが、高解像度で網羅的に把握できる。

※9オペロン説:オペロン説は、大腸菌のラクトース・オペロンの研究から、ジャコブとモノーによって1961年に提唱された遺伝子制御理論。遺伝子の発現は、構造遺伝子の上流に位置する調節領域に転写調節タンパク質が結合・脱離することにより、転写レベルで制御される、という概念。

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重症筋無力症に新薬
免疫抑制剤「プログラフ(R)」の重症筋無力症での国内承認申請のお知らせ


 アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:野木森雅郁、以下「アステラス製薬」)は、免疫抑制剤「プログラフ(R)」(一般名:タクロリムス)について、「重症筋無力症」を目標適応症として、本年9月29日に日本で効能追加に係る承認申請を行いましたので、お知らせします。プログラフは、すでに2000年9月に「全身型重症筋無力症(胸腺摘出後の治療において、ステロイド剤の投与が効果不十分、又は副作用により困難な場合)」を効能・効果として、承認を取得していますが、今回、既承認効能・効果以外の重症筋無力症への適応拡大を含む、「重症筋無力症」を効能・効果として承認申請を行いました。

 重症筋無力症とは、神経と筋肉の接合部分の異常のために、易疲労性及び筋力低下を生じる自己免疫疾患です。運動の反復による筋力の低下、休息による回復が特徴です。これは、主に神経筋接合部において、神経伝達に関与しているアセチルコリン受容体に対して、自ら産生する抗アセチルコリン受容体抗体が障害を引き起こすことが原因と考えられています。この抗体はB細胞によって産生されますが、このB細胞の抗体産生は、T細胞から産生されるさまざまなサイトカインの刺激により活性化すると言われております。タクロリムスはこれらのサイトカインの産生を抑えることにより、B細胞からの抗体産生を抑制し、重症筋無力症に対して効果を発揮すると考えられます。

 タクロリムスは、アステラス製薬が創製した免疫抑制剤です。現在、「プログラフ」の製品名のもと、臓器移植における拒絶反応抑制剤として世界約80ヶ国で発売しています。日本においては、骨髄移植、全身型重症筋無力症、関節リウマチ、ループス腎炎の適応症を取得しており、また、タクロリムスの1日1回投与製剤である「グラセプターR」が2008年7月に承認を取得し、現在発売準備を進めています。さらには、アトピー性皮膚炎治療剤として、タクロリムスの軟膏製剤「プロトピックR」を世界約60ヶ国で発売しています。



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再発白血病の遺伝子治療の治験が開始される
再発白血病に対するHSV-TK遺伝子治療の治験を開始


 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、白血病などの造血器悪性腫瘍を対象としたHSV-TK遺伝子治療(開発コード:TBI-0301)の治験届を、本年6月30日に医薬品医療機器総合機構に提出し、治験開始に向けた手続きを進めてまいりましたが、10月1日付で国立がんセンターと治験契約を締結、同センター中央病院で治験(第I相臨床試験)を開始することになりました。

 国内で体外遺伝子治療の治験が開始されるのはこれが初めてです。

 近年、同種造血幹細胞移植後の再発白血病患者に対して、ドナーリンパ球輸注(DLI)療法が行われるようになりましたが、副作用として生じる移植片対宿主病(GVHD)が重大な問題です。本治験のHSV-TK遺伝子治療は、レトロウイルスベクター(治験薬TBI-0301)を用いてドナー由来のリンパ球にHSV-TK遺伝子を導入し、この遺伝子導入リンパ球によるDLI療法を実施して白血病を治療しようとするものです。

 GVHDが発症した際には、導入されたHSV-TK遺伝子の働きにより、ガンシクロビルを投与することでドナー由来のリンパ球のみを消滅させ、GVHDの沈静化を図ります。

 本治験の目的は、遺伝子導入リンパ球によるDLI療法の安全性、遺伝子導入リンパ球の血中動態、及び重度GVHD発症時のガンシクロビル投与によるGVHD沈静化能を検討することです。本治験は、非盲検試験で行い、被験者数は9例を予定しています。この治験によって、我が国における遺伝子治療や細胞治療の足場が築かれることが期待できます。

当資料取り扱い上の注意点
 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。

 実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。


<参考資料>

【語句説明】

TBI-0301を用いたHSV-TK遺伝子治療
 TBI-0301は単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼ(HSV-TK)遺伝子を発現させるレトロウイルスベクターです。ガンシクロビルは、通常の細胞に対しては弱い毒性しか示しませんが、HSV-TK遺伝子を発現する細胞内ではリン酸化され、強い細胞毒性を有する最終産物に変化します。したがって、ガンシクロビルによってHSV-TK遺伝子を発現する細胞のみを死滅させることが可能であり、このことから、HSV-TK遺伝子は自殺遺伝子とも呼ばれています。
 HSV-TK遺伝子治療とは、同種造血幹細胞移植のドナーから採取したリンパ球に、TBI-0301を用いてHSV-TK遺伝子を体外で導入、このリンパ球を同種造血幹細胞移植後に再発した患者さんへのドナーリンパ球輸注(DLI)療法に使用するというものです。HSV-TK遺伝子の導入により、重度の移植片対宿主病(GVHD)が生じた場合はガンシクロビルを投与してドナー由来のリンパ球のみを死滅させ、GVHDを沈静化させることができます。さらに、将来的には移植するリンパ球数を増加させ治療効果を高める事も期待できます。

ドナーリンパ球輸注(DLI)療法
 ドナーリンパ球には、白血病細胞を免疫学的に攻撃し、死滅させる能力(GVL効果)があることが、臨床データから明らかとされています。微少残存病変の根絶を図る目的も含めて、この特徴を治療法として応用したのがドナーリンパ球輸注療法です。現在、同種造血幹細胞移植後の慢性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群の再発に対する有効な治療法として確立されています。

移植片対宿主病(GVHD)
 移植したドナー由来のリンパ球が、患者の正常な細胞や組織を異物とみなして攻撃する免疫反応です。



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がん粒子線治療が普及している
国内民間医療機関初の粒子線治療装置
南東北がん陽子線治療センターに粒子線治療装置を納入


 三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、財団法人脳神経疾患研究所(理事長:渡邉 一夫)附属南東北がん陽子線治療センターに「粒子線治療装置」を納入しました。
 この装置を使った治療は、10月17日から開始される予定です。

<納入装置の概要>
製品名   粒子線治療装置(陽子タイプ)
仕様     ビーム種:陽子線
        エネルギー:70~250MeV
        主加速器タイプ:シンクロトロン
        照射野拡大法:ワブラー法
照射室   回転ガントリー照射:2室
        水平固定照射:1室
対象がん  脳腫瘍および固形がん

<納入先の概要>
施設名     財団法人 脳神経疾患研究所 附属 南東北がん陽子線治療センター
所在地     福島県郡山市八山田7丁目
延べ床面積  約6500m2 地上3階、地下1階
病床数     19床

<粒子線治療について>
 粒子線治療は放射線治療の1つで、従来のX線治療やγ線治療に比べ患部を集中的に照射できるため、副作用や身体機能の損失を最小限に抑えられるという特長があります。
 粒子線治療は、2001年7月に国から先進医療の認可を受け、現在、公的医療機関5施設ですでに治療や臨床研究が行われています。
 今回納入した装置は、国内初の民間医療機関向け粒子線治療装置として2005年12月に契約を結び、計画どおり約3年で納入・稼働に至りました。

<当社の粒子線治療への取り組みと今後の展開>
 当社は、放射線治療装置と加速器の両分野で約40年にわたる実績とノウハウがあり、この2つの技術を組み合わせて粒子線治療装置を開発しました。2002年に「陽子タイプ」の医療機器製造販売承認を取得し、2005年には世界で初めて「炭素イオン/陽子タイプ」の医療機器製造販売承認を取得しています。
 国内の粒子線治療施設は、建設中のものを含めて9施設あり、このうち7施設が当社製です。当社は今後も、粒子線治療装置本体の性能向上や、治療を支援する機能の開発を進め、より高度に、より多くの患者を治療できる装置を提供するとともに、粒子線治療施設の運営に必要な人材育成や、施設間の連携支援などの運用面にも注力し、粒子線治療の普及促進に取り組んでゆきます。

<お客様からのお問い合わせ先/資料請求先>
三菱電機株式会社 電力事業部 磁気システム部
〒100-8310 東京都千代田区丸の内2丁目7番3号
TEL (03)3218-2466 FAX (03)3218-9027

<南東北がん陽子線治療センターについてのお問い合わせ先>
財団法人脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター
〒963-8563 福島県郡山市八山田7丁目172
TEL (024)934-3888


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がん細胞を殺す細胞(キラーT細胞)に関する共同研究が開始
メディネット、国立がんセンターと共同研究を開始

~がん抗原特異的CTL療法に係る新規技術の開発~


 株式会社メディネットと国立がんセンター(東京都中央区、総長:廣橋 説雄)は、がん抗原特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)(※)を効率的且つ大量に誘導できる新たな細胞培養技術の開発に向け、共同研究に係る契約を締結いたしましたのでお知らせいたします。

 がんに対する免疫細胞療法においては、抗腫瘍活性を有する抗原特異的CTLを大量に誘導する技術が確立されれば、格段の治療効果向上が期待されます。

 今般実施する共同研究は、新たなCTL誘導法の確立を目指し、国立がんセンターの中面 哲也先生(臨床開発センター がん治療開発部 機能再生室長)を同センター側の研究代表者として実施されるものです。中面先生は、免疫療法の領域において、特にがん抗原ペプチドを用いたペプチドワクチン療法の基礎及び臨床研究に、長年に亘って積極的に取り組んでこられました。

 本共同研究は、国立がんセンターが有するペプチドワクチン療法に係る技術・ノウハウと、メディネットが有する細胞培養に係る技術・ノウハウを融合し、がん抗原特異的CTLを効率的に誘導する新たな細胞培養技術の開発を目指すものです。本共同研究で、新技術による効率的な誘導能が確認できれば、臨床応用に向けた抗原特異的CTLの大量培養法の開発を行なうことを、次のステップとして計画しております。

 臨床開発センターのある国立がんセンター東病院(千葉県柏市、院長:江角 浩安)は、先端の研究内容をいち早く臨床に応用することに重点を置いた病院です。
 本共同研究を通じて新たなCTL誘導法が確立され、臨床に応用されることになれば、がんに対する免疫細胞療法の治療効果向上とその普及促進が期待されます。

 尚、本件の業績に与える影響は軽微であります。

※ 細胞傷害性T細胞(CTL)
 CTLとはcytotoxic T lymphocyteの略。Tリンパ球の一種で宿主にとって異物になる 細胞(がん細胞・ウイルス感染細胞・移植細胞など)を認識して殺傷する。


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免疫応答のアクセルとブレーキの仕組み
免疫応答の強弱を決定する分子メカニズムを解明

T細胞補助刺激受容体CD28のミクロクラスターを発見


◇ポイント◇ 
 CD28ミクロクラスターが免疫細胞(T細胞)の活性化をポジティブに制御 
 プロテインキナーゼCθを呼び寄せ、サイトカイン産生や細胞増殖を劇的に増強 
 新たな免疫治療や画期的な薬剤開発に期待 

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、免疫応答の強弱を決定する分子メカニズムとして、T細胞リンパ球(T細胞)補助刺激受容体CD28※1を含む「ミクロクラスター」を発見し、T細胞の活性化の開始と維持を制御していることを明らかにしました。これは、理研免疫・アレルギー科学総合研究センター(谷口克センター長)免疫シグナル研究グループの斉藤隆グループディレクター(副センター長)、横須賀忠上級研究員らの成果です。

 免疫応答は、ウイルスや花粉などの異物(抗原)が体内に侵入したのを察知して、生体を守る働きをします。T細胞は、異物を感知して興奮し、自らが増殖したり、外敵を攻撃したり、ほかの細胞に情報を伝える分子(サイトカインやケモカイン)を放出したりします。抗原は、まず抗原提示細胞※2により取り込まれて処理された後、T細胞に情報として与えられます。この情報の受け渡しの際、2つの細胞は接着し、その接着面には、お互いの細胞表面にある受容体や細胞内のシグナル伝達分子が集まり、「免疫シナプス※3」が作られます。2005年に研究グループは、T細胞受容体を核として複数の分子から構成される微小な集合体「ミクロクラスター」を発見し、これが、T細胞が抗原を認識し活性化情報(シグナル)を伝える“ユニット”であることを明らかにしました。

 今回、研究グループは、T細胞の活性化をポジティブに制御する補助刺激受容体CD28も、T細胞受容体と同じミクロクラスターに集合し、「プロテインキナーゼCθ」という特殊なリン酸化酵素※4を呼び寄せることで、T細胞の増殖とサイトカイン産生を劇的に増加させることを発見しました。また、T細胞の活性化が5~10分と進むにつれ、T細胞受容体は接着面の中心部に集まり不活性化されますが、CD28とプロテインキナーゼCθはT細胞受容体から分離し、その周囲に輪状にとどまりながらT細胞の活性化を維持していることを明らかにしました。

 CD28はT細胞の活性化に不可欠な補助刺激受容体として古くから知られており、CD28からのシグナルがないとT細胞は不応答に陥ってしまいます。CD28シグナルを増減させることで、T細胞の活性化を調節することができるため、がんに対する免疫応答の強化や、それとは逆に移植拒絶や自己免疫疾患などの過剰な免疫応答の緩和にも用いられつつあります。研究グループは、CD28のシグナル伝達系が、T細胞受容体と協調的かつ独自に、時間的かつ空間的にT細胞の活性化を制御していることを突き止めました。アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患やリウマチなどの自己免疫疾患の多くが、T細胞の活性化の制御異常によるものです。移植医療に対する免疫抑制剤やがん治療に対する免疫賦活剤の開発目的からも、本研究の成果は、新たな免疫治療への進歩をもたらすと期待されます。

  本研究成果は、米国の科学雑誌『Immunity』(10月9日付け:日本時間10月10日)に雑誌の表紙と共に掲載されます。 


1.背景 
 生体を外敵から防御するため、その中心的役割を果たす免疫系は、まずウイルスや花粉などの異物が体内に入り込んだことを知ることから始まります。自然免疫の一役を担う抗原提示細胞は、異物の侵入を察知し、その異物を飲み込み抗原として提示します。T細胞は、その提示された抗原を認識することで自らが活性化し、さまざまなサイトカインを放出したり、すでに感染してしまった細胞を殺したり、B細胞リンパ球(B細胞)に抗体を産生させたりという、より高度な免疫システム(獲得免疫)を開始させます。

 T細胞は、T細胞受容体を介して抗原提示細胞上の抗原を認識しますが、この情報の受け渡しの際、T細胞は抗原提示細胞と強固に接着します。接着面には、お互いの細胞表面にある受容体や細胞内のシグナル伝達分子が同心円状に規則正しく配列するため、神経シナプスにちなんで、この構造を「免疫シナプス」と呼んでいます(図1)。

 2005年に研究グループは、最新の生体分子イメージング※5の技術を用いて、免疫シナプスが形成される以前に、すでにT細胞受容体と下流のシグナル伝達分子による微小な集合体が形成され、これがT細胞活性化の開始点であることを発見しました。この集合体は、T細胞受容体数10個からなり、1つの接着面に数100個が形成されます。研究グループは、これまで提唱されていた「免疫シナプス」もこの集合体の集まりであることを明らかにし、「ミクロクラスター」と命名しT細胞活性化の“ユニット”であることを提唱しました(『Nature Immunology』 2005年12月号、2005年11月7日プレス発表)。

 T細胞の活性化は、T細胞受容体による抗原認識によって起こりますが、T細胞受容体からのシグナル単独では、十分な活性化が起こらないばかりでなく、T細胞の細胞死や不応答が誘導されてしまいます。しかし、T細胞の表面には、さまざまな補助刺激受容体が発現していて、T細胞の活性化をポジティブにもネガティブにも調節しています。これらの中でも、CD28は、最も重要な補助刺激受容体とされ、細胞増殖やサイトカイン産生を促すなど
、T細胞の活性化をポジティブに制御しています。しかし、T細胞の機能を大きく制御する一方、そのシグナル伝達経路には不明な点が多く、混沌とした状況でした。  


2.研究手法と成果
 今回研究グループは、CD28が、補助刺激受容体としてT細胞受容体のミクロクラスターをどのように修飾するのか、またCD28補助刺激受容体はミクロクラスターを形成するのか、に焦点を置いて研究を進めました。

 まず、従来の方法では、詳細な観察が不可能なため、生体分子イメージングの最新技術を融合し、さらに新しいシステムを確立しました。ガラス平面上に抗原提示細胞に見立てた人工の細胞膜(人工脂質2重膜)を作成し、その上に抗原提示細胞が発現しているT細胞受容体の相手方(リガンド)とCD28のリガンドを、可動性を保った形でのせます。この人工脂質膜上にT細胞を置き、接着面で起きる現象を高感度蛍光顕微鏡で観察しました。T細胞受容体やCD28、細胞内のシグナル伝達分子など、その動きを観察したい分子には、あらかじめ蛍光タンパク質を融合しました(図2)。

 T細胞が人工脂質膜と接触すると、膜上を伸びながら接着面を広げていきます。接触直後から、接着面にはT細胞受容体のミクロクラスターが次々と形成されますが、リガンドのあるときに限り、CD28もT細胞受容体のミクロクラスターに集まり、特殊なリン酸化酵素「プロテインキナーゼCθ」を呼び寄せることがわかりました。また、T細胞受容体とCD28のミクロクラスター形成の後、T細胞受容体は接着面の中心部に移動し活性を失う一方、CD28とプロテインキナーゼCθはT細胞受容体から分離し、中心のT細胞受容体の周りで、活性化シグナルを伝え続けていることがわかりました(図3)。

 これまでに、CD28とプロテインキナーゼCθとのかかわりは示唆されていましたが、その両者の直接的な関係を明らかにしたのは、今回が初めてです。また、T細胞受容体からの抗原認識シグナルが、T細胞受容体を含むミクロクラスターによって制御されているのと同様に、補助刺激受容体からのシグナルも、CD28を取り込んだミクロクラスターによって起こることが明らかとなりました。これらの結果は、「ミクロクラスター」が、これまで考えられてきたようなT細胞の活性化の開始だけでなく、活性化の維持も制御していることを示しています(図4)。

 これまで免疫細胞の活性化のメカニズムは、多くの異なる手法で研究されてきましたが、今回の研究は、活性化の現場を1つずつの分子の動きを観察することで、分子の離合集散を明らかにし、免疫応答の開始と維持のメカニズムを解明した、画期的な研究成果といえます。  


3.今後の期待 
 T細胞受容体の補助刺激分子には、CD28のほか、ポジティブ、ネガティブに働く受容体が複数存在します。それらは単独では機能できませんが、T細胞の活性化を制御するだけでなく、T細胞を抑制性T細胞へ分化させるのか、あるいは活性化T細胞へ分化させるのか、といった細胞の運命決定までも左右する重要な分子です。あいにく、これらのシグナル伝達機構は、単純なこれまでの生化学的解析からはよくわかっていませんでした。研究グループの成果は、これら補助刺激分子を「ミクロクラスター」という視点で捉え、複雑な補助刺激分子のシグナル伝達系解明への可能性を示唆しています。

 CD28はT細胞の活性化に不可欠であり、CD28シグナルを増減させることによって、T細胞の活性化を調節することが可能です。より強い免疫反応が必要とされるがん治療などの場合は、免疫応答を増強させる方向に、またそれとは逆に、過剰な免疫反応が原因になっている移植拒絶や自己免疫疾患などの場合は、抑制する方向に応用されてきています。抑制性T細胞を活性化させる目的で、スーパーアゴニスト抗CD28抗体※6のリウマチ患者に対する投与が、英国において行われました。しかし、本来、抑制性T細胞だけ反応させるはずの抗体が、T細胞全体に及び、サイトカイン放出症候群と多臓器不全という重篤な副作用を誘引し、治験は第1相試験で中止になりました。このことは、CD28のシグナル伝達経路をしっかり解明してから臨床応用をすべきであったことを物語っています。この点からも、CD28のシグナル伝達経路を明確にする基礎実験の積み重ねが必要です。今回、分子レベルの観察によって明らかとなった「ミクロクラスター」によるT細胞制御のメカニズムは、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患、リウマチなどの自己免疫疾患への新しい治療法、移植医療に対する免疫抑制剤、またがん治療に対する免疫賦活剤の新しい開発法への可能性を示しており、安全で効果的な免疫治療の進歩につながると期待されます。  



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生体分子の構造変化を解析・予測
生体分子の大きな構造変化を詳細に解析・予測する理論(ペプカ)を開発
- 生体分子機能を原子の相互作用から詳細に理解 -

◇ポイント◇ 
●原子の位置ではなく相互作用のエネルギーを用いて主成分分析
●分子の構造変化に重要な相互作用の体系的な同定が可能に
●将来的には、予測に基づく分子機能の制御による薬剤開発へ貢献


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、生体分子の相互作用のエネルギー(ポテンシャルエネルギー)の解析を行うことで、従来困難だった生体分子の大きな構造変化を同定し、予測する理論の開発に成功しました。この理論が大規模生体分子動力学シミュレーションに展開されると、構造変化の予測に基づいた分子機能の制御による薬剤開発が可能になると考えられます。理研発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)システムバイオロジー研究チームの上田泰己チームリーダー、小山洋平研修生と国立大学法人東京大学(小宮山宏総長)生産技術研究所の小林徹也講師、東京大学総合文化研究科の友田修司教授との共同研究の成果です。
 タンパク質やDNAなどの生命を構成している生体分子は、その構造を変化させることで機能を発揮しています。このような構造変化を取り扱うために、生体分子の個々の原子同士の相互作用を計算し生体分子全体の働きを解明する「分子動力学シミュレーション」が幅広く用いられています。しかし、従来の分子を構成する原子の位置(原子座標)を用いたシミュレーション結果の解析手法「主成分分析(PCA)※1」では、複数の構造の間で構造を変化させて機能を発揮するような生体分子の構造変化を同定し、予測することが困難でした。そこで、研究グループは、従来の原子座標を用いた主成分分析を拡張し、任意の物理量(原子座標の関数)に対する主成分分析が、分子の最も大きな構造変化を引き起こす摂動(刺激)を探す手法として解釈できることを明らかにしました。この一般的な枠組みに基づいて、従来の原子座標を用いた主成分分析の問題点を解決するために、物理量として相互作用のエネルギー(ポテンシャルエネルギー)を用いた主成分分析を開発し、「ペプカ:ポテンシャルエネルギー主成分分析(PEPCA:Potential Energy PCA)」と名付けました。PEPCAを2つの安定状態を持つモデル分子に対して適用したところ、2つの安定状態とその間の遷移状態、およびそれらの構造に重要な静電相互作用を体系的に同定することに成功し、有効性を実証することができました。
 今後、タンパク質などのより大きな生体分子の長時間分子動力学シミュレーションの結果に、PEPCAを適用すると、分子機能の原子レベルからの詳細な理解へとつながると考えられます。
 本研究成果は、『Physical Review E』のオンライン版(10月7日付け)に掲載されました。


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