がんの勉強部屋☆
がんの最新情報から予防、医療情報まで科学的証拠に基づいた情報を集めまています。いろいろな情報を共有できたらと思っています。
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小野薬品、英社とイオンチャネルに関する創薬で提携
英国Xention社とイオンチャネルに関する創薬について提携


 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市、以下、当社)とXention Limited社(本社:ケンブリッジ、英国、以下、ゼンション社)は、イオンチャネルに関する創薬について提携契約を締結しましたので、お知らせいたします。

 今回の契約締結により、当社はゼンション社に契約一時金を支払います。

 また、当社は今後2年間をめどにゼンション社に研究資金を投入するとともに、創薬の進捗に応じた成功報酬および上市後の売上高に応じたロイヤルティを支払います。

 研究資金の提供を受け、ゼンション社は同社のイオンチャネル創薬に関する独創的な技術を用い、当社が選定した病態生理学上、重要な役割を担うイオンチャネルを創薬標的として、低分子の医薬品候補化合物の創製を目指します。

 なお、当社は、ゼンション社によって創製された化合物を世界的に開発・販売する権利を有しております。

 ゼンション社の最高経営責任者であるTimBrears氏は、「日本の主要製薬会社である小野薬品と提携出来ることを喜んでおり、画期的な新薬を創製するために我々の専門技術を活かしたい」と述べています。

 小野薬品の常務取締役研究本部長である川■和一十(※)氏は、「当社は、ゼンション社のイオンチャネル創薬技術を高く評価しており、今回の提携により、臨床で高い有用性を示し、大きな市場性が見込める革新的新薬を創製できることを期待しております。」と述べています。


ゼンション社について
 ゼンション社は、イオンチャネルを制御する医薬品の創薬、開発に優れているベンチャー企業です。同社は、強力且つ選択的なイオンチャネル制御剤を迅速に創製するために有用なイオンチャネルに関する独自の専門的知識と技術を有しています。特に、ゼンション社は急速に発展している医薬分野において、電気生理学的手法、イオンチャネルに作用する化合物に関するデータベース、経験に裏打ちされた医薬品化学を駆使して、強い活性を有する新規の低分子化合物を見出します。なお、ゼンション社は、3つの画期的な新薬候補化合物を有しており、臨床試験を実施しています。同社が開発している化合物は、心房細動を対象とした心房に特異的に作用するカリウムチャネル拮抗剤であるXEN-D0101と、過活動膀胱の治療薬を目指した新規のイオンチャネル制御剤XEN-D0401およびXEN-D0501です。
 ゼンション社の詳細な情報は同社のホームページ http://www.xention.com をご参照下さい。

イオンチャネルについて
 イオンチャネルは、細胞の内外へイオンを通過させる膜蛋白質で、全ての細胞の機能を調整しています。イオンチャネルは、循環器疾患、神経疾患、泌尿器疾患、代謝性疾患、炎症性疾患を含めた種々の疾患に関与しており、イオンチャネルが潜在的に有望な創薬標的であることは広く知られています。


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ファイザー、飲みきり型経口抗菌薬「ジスロマックSR 成人用ドライシロップ2g」を発売
1回の服用で治療が完結 飲みきり型経口抗菌薬
「ジスロマック(R)SR 成人用ドライシロップ2g」新発売
-患者さんの自己判断による服薬中断と薬剤耐性化のリスクを軽減-



 ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:岩崎博充、資本金:648億円)は、4月6日(月)に、15員環マクロライド系抗生物質製剤であるジスロマック(R)(一般名:アジスロマイシン水和物)の新効能・新剤形・新用量医薬品として、経口懸濁液用徐放性製剤「ジスロマック(R)SR 成人用ドライシロップ2g」を発売いたします。

 ジスロマック(R)SRは、耐性菌防止と服薬遵守の観点から、抗菌薬は十分量を使用し、短期間使用の実行を遂行することを目的に開発された1回飲みきり型の経口抗菌薬です。咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、副鼻腔炎などの急性呼吸器感染症、淋菌・クラミジアによる性感染症をはじめ、皮膚感染症や歯性感染症など成人の急性感染症に広く適応を有します。

 本剤は、マイクロスフェア(*1)に薬剤を封入する製剤技術を応用することで、上部消化管における有害事象の軽減と、薬剤の徐放化を実現しました。また、既存製剤のジスロマック錠250mgを1回500mg、1日1回、3日間投与と比較すると、投与後24時間のAUC(*2)は約3倍、最高血中濃度は約2倍と優れた体内動態を有し、フロントローディング(投与初期により高い薬剤濃度が得られること)による早い効果発現が期待できます。

 2004年、米国FDA(食品医薬品局)は、抗菌薬の添付文書に、処方された通り正しく服薬を完了しなかった場合は、その治療の有効性が低下して原因菌の薬剤耐性化が起こりやすくなり、更に次の治療時に投与される抗菌薬も効かなくなる可能性が大きくなるという内容を添付文書に明記するようもとめています。今回、ジスロマック(R)SRの添付文書中にも同様の記載がなされています。ファイザー株式会社では、ジスロマック(R)SRの発売により、1回飲みきりで服薬が完結することで、患者さんの自己判断による服薬中止を防ぎ、薬剤耐性化の防止に貢献できると考えています。

 ジスロマック(R)は、1991年に英国で発売されてから現在までに全世界で3億人以上の感染症患者に処方され、その優れた有効性と高い安全性が確認されています。日本では、2000年の発売以来、延べ6,600万人以上もの感染症患者さんに処方されてきました。今回新発売するジスロマック(R)SRは、海外では2005年6月以降、56カ国で承認されています。日本においては、2008年1月に厚生労働省へ承認申請を行い、2009年1月に製造販売承認を取得後、同年3月13日に薬価収載される予定です。

 *1 ポリマーからなる粒子径が数μm程度の球状の製剤。
 *2 Area under the curve(薬物濃度-時間曲線下面積):体内に吸収された薬物量を示す指標として用いられる数値。


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信越化学と東京大学、知の構造化に関する共同研究開始で合意
信越化学工業と東京大学、知の構造化に関する共同研究開始で合意 


 信越化学工業株式会社(代表取締役社長 金川 千尋、以下「信越化学」)と国立大学法人東京大学(総長 小宮山 宏、以下「東京大学」)は、このたび「汎化学に関する知の構造化」を目指した共同研究を行うことで合意し、2009年度より共同研究を開始いたします。

 東京大学は、「知の構造化センター」を設立し「知の構造化」に関する領域横断的な研究教育プロジェクトを推進してきました。両者は、本共同研究を「未来を拓く研究推進 信越化学プロジェクト ~汎化学に関する知の構造化~」と位置付け、知の構造化センターが主導する産学連携プロジェクトとして、以下のとおり研究を推進してまいります。

【共同研究について】

1. 研究の名称
 「未来を拓く研究推進 信越化学プロジェクト ~汎化学に関する知の構造化~」

2. 契約期間
 2009年4月1日から2012年3月31日

3. 研究の概要
 両者は、「汎化学に関する知の構造化」を通して、化学を基盤として、ナノフォトニクス、MEMS/NEMS、マイクロ・ナノ化学、ナノバイオ、ナノインプリント等々の新しい科学と工学の発展・融合を促進し、新しい価値を創造する産業技術へと展開することを目指します。

 そのために、ナノメートルスケールからマクロスケールまでを繋ぐ拡張ナノ空間の理工学を展開するとともに、マイクロメートルスケールからナノメートルスケールの領域に展開されつつあるトップダウン超微細加工技術と、分子の自己組織化などのボトムアップ技術との融合により、マクロスケールからマイクロメートル、ナノメートルスケールまで、各サイズで制御された構造をもつデバイス構築技術を確立いたします。
 さらに、両者は、科学技術発展の方向性、科学技術による生活・社会の変化を分析するため、未来予兆情報の可視化・構造化により社会変化のシナリオを作成し、科学技術の発展シナリオとの相互関係を分析して社会に発信してまいります。

4. 研究成果について
 これら一連の研究により、両者は、新たなイノベーションを惹き起こし、創造される「知」を経済的価値、社会的価値に結びつけ、研究成果を社会に実装してまいります。信越化学は、本研究の成果を自社の事業・製品の拡大、強化につなげてまいります。

 例えば、MEMS/NEMS技術で作成したマイクロチップにマイクロ・ナノ化学の技術で化学反応の機構を構築し、ナノバイオ技術で特定のバイオマーカーを血清から検出する機能を与え、ナノフォトニクスを用いて超高感度に検出できるようにすれば、どこでも手軽に病気や健康状態のチェックができる新しい技術と製品などが創出されることが期待されます。また、ナノテク分野でのナノインプリント技術への適用や新エネルギー分野で寄与する高効率の太陽電池や燃料電池の要素技術としての活用が期待されます。

(注)MEMS :Micro Electro Mechanical Systems  NEMS:Nano Electro Mechanical Systems

【知の構造化センターについて】
 東京大学は、2007年6月1日、自律分散的に創造される膨大な知識を構造化し、現実の価値に結びつけることを目的として、知の構造化センターを設立いたしました。知の構造化センターにおいては、文理・医工協働等により、新しい知的価値、社会的価値、文化的価値の創出を目指し、知の構造化の方法論を確立するとともに、すみやかに実装することで、知の構造化の具現化を推進してきております。

 知の構造化センター設立の背景としては、知識の爆発があります。例えば、学問における知識・情報の幾何級数的な増大と同時に、学問領域の細分化・課題の複雑化が進行しており、他方、細分化・複雑化した専門知を繋ごうとしても、なかなか繋ぎきれないという問題が起きます。そこで、自律分散的に創造されてくる多種多様な知識と知識の関係性を明らかにし、それらの可視化を行い、東京大学にある知識を分野の枠を超えて有効に活用し様々な価値に結びつけることが必要になります。そのための方法論を構築するのが、知の構造化センターの設立趣旨であり、様々な価値創造に向けた取組みを行っております。

以上



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ノバルティス、高血圧治療剤「コディオ」や気管支喘息治療剤「ゾレア」など4製品を発売
アンメット・メディカル・ニーズ(*)に応える4製品を新発売
- 高血圧、気管支喘息、慢性骨髄性白血病、加齢黄斑変性症の治療薬 -



 ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:三谷宏幸)は、本日(3月13日)、高血圧治療剤「コディオ(R)配合錠MD」「コディオ(R)配合錠EX」(以下、コディオ)、気管支喘息治療剤「ゾレア(R)皮下注用」(以下、ゾレア)、抗悪性腫瘍剤「タシグナ(R)カプセル200mg」(以下、タシグナ)、加齢黄斑変性症治療剤「ルセンティス(R)硝子体内注射液2.3mg/0.23mL」(以下、ルセンティス)の4製品を新発売いたします。これら4製品は、1月21日に製造販売承認を取得し、本日薬価基準収載されました。

 「コディオ」はアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)である「ディオバン(R)」(一般名:バルサルタン)と少量のサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド(HCTZ)との配合剤であり、異なる作用機序の薬剤を組み合わせることで降圧効果の増強が期待できます。
 「コディオ配合錠MD」はバルサルタン80mgとHCTZ6.25mg、「コディオ配合錠EX」はバルサルタン80mgとHCTZ12.5mgの配合剤です。
 国内臨床試験において、「コディオ配合錠EX」は、治験終了時の収縮期血圧のベースラインからの変化量が-22mmHgと強力な降圧効果を示し、投与開始後2週間で平均収縮期血圧140mmHg未満を達成する速い効果発現が確認されました。同じく国内臨床試験の治験終了時において、「コディオ配合錠EX」は83.3%と高いレスポンダーレート(**)を示しました。

 「ゾレア」[一般名:オマリズマブ(遺伝子組換え)]は、気管支喘息治療薬として開発された世界初のヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体です。2週間または4週間ごとに皮下注射することで、これまでの喘息治療薬とは異なるユニークな作用機序で効果を発揮します。
 「ゾレア」は、国内外で実施された臨床試験において、既存の治療薬で症状をコントロールできない重症喘息患者さんに対し追加投与することで、喘息症状のコントロール、発作の減少、入院や救急外来への受診など緊急治療の減少、ならびにQOLの改善をもたらすことが示されました。

 「タシグナ」(一般名:ニロチニブ塩酸塩水和物)は、経口投与可能な新規チロシンキナーゼ阻害剤であり、イマチニブ抵抗性の慢性期又は移行期の慢性骨髄性白血病(CML)治療薬です。現在CML治療の第一選択薬として位置づけられている「グリベック(R)(一般名:イマチニブメシル酸塩)」は、CMLの原因となるBCR-ABL遺伝子が産生するチロシンキナーゼ活性を阻害し、優れた治療効果を示すことが証明されていますが(1)、中にはイマチニブ抵抗性(効果不十分又は忍容性のない)患者さんも認められています。「タシグナ」は、こうしたイマチニブ抵抗性のCML患者さんに対する新しい治療薬です。

 「タシグナ」は、国内における第I相及び第II相臨床試験において、日本人での優れた有効性及び安全性が確認されています。国内で行われた第II相臨床試験(1年データ)の結果では、イマチニブ抵抗性の慢性期CML患者さんの100%に血液学的完全寛解、94%に細胞遺伝学的大寛解、69%に細胞遺伝学的完全寛解、さらに56%に分子遺伝学的大寛解が得られました。また、忍容性も良好で、「タシグナ」の投与後に「グリベック」投与中止の原因となった有害事象が現れることは少なく、継続して服用できます。

 「ルセンティス」[一般名:ラニビズマブ(遺伝子組換え)]は、遺伝子組換え技術により創製された抗VEGFヒト化モノクローナル抗体Fab断片で、滲出型加齢黄斑変性症(AMD)における脈絡膜新生血管の発生に関与するVEGF(血管内皮増殖因子)と複合体を形成することにより、VEGFの作用を抑制し、新生血管の発生並びに伸展を抑制します。
 「ルセンティス」は、国内外の臨床試験において、滲出型AMDの患者さんにおいて視力の改善効果が確認された初めての薬剤です(2,3)。また、その効果発現は速く、初回投与後速やかに視力の有意な改善が認められました(2,3)。

 「タシグナ」と「ルセンティス」の2剤は、承認条件として付された全例調査を、特定使用成績調査として実施することになりました。この全例調査により、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、適正使用に必要な措置を講じることになります。また、「ゾレア」においては、自主的に、全症例を対象に特定使用成績調査を実施する予定です。ノバルティス ファーマでは、こうした調査を通じて収集した安全性情報等を適切に評価し、適正使用の推進を図っていきます。

 今回の4製品の新発売に際し、代表取締役社長三谷宏幸は以下のように述べています。「4製品を医療の現場にお届けすることにより、多くの患者さんのお役に立てることをうれしく思います。これらは、いずれも革新的な新薬で、医療の現場に価値をもたらすことができる新薬であると確信しています。希少疾患の患者さんのための治療薬も含まれており、このような患者さんに貢献できることを願っています。」

 ノバルティス ファーマは、現在申請中のものを含め、このほかにも多くのパイプラインを有しています。これからも、グローバルな技術で、希少疾患を含む、有効な治療法のない疾患で苦しんでいる日本の患者さんに、革新的な新薬を提供していきます。

 なお、各製品の詳細につきましては、ノバルティス ファーマのホームページに掲載している1月21日付け製造販売承認取得のプレスリリースをご参照下さい。
 http://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090121_05.html


*アンメット・メディカル・ニーズ:いまだ有効な治療方法がない医療ニーズ
**レスポンダーレート:拡張期血圧が90mmHg未満に低下、またはベースラインと比較して10mmHg以上低下した有効症例の割合

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大日本住友製薬、パーキンソン病治療剤「トレリーフ」を発売
パーキンソン病治療剤「トレリーフ」の新発売のお知らせ


 大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田正世)は、パーキンソン病治療剤「トレリーフ(R)錠25mg」(一般名:ゾニサミド)を、3月13日付で発売しましたのでお知らせします。

 ゾニサミドは当社が創製した化合物であり、国内では抗てんかん剤(製品名「エクセグラン(R)」)として1989年に発売され、幅広く使われており、海外においても36カ国で承認されています。

 エクセグランを日本人パーキンソン病患者に併発したけいれん発作の治療目的で投与したところ、けいれん発作の消失とともにパーキンソン病症状の改善が認められたことから、2001年よりパーキンソン病治療剤としての開発を進めてきました。

 パーキンソン病は、神経変性疾患の中では、アルツハイマー病に次いで罹患率の高い疾患であり、主な症状は、安静時振戦、筋固縮、無動、姿勢反射障害といった運動障害です。パーキンソン病は、神経終末のドパミンが欠乏することにより発症することから、ドパミンの機能を補う薬物療法が標準的な治療となっています。

 トレリーフの臨床試験では、こうした標準的な治療が行われているにも関わらず十分な効果が得られていない進行期パーキンソン病に対して、患者さんの運動能力の改善、日常生活動作の向上など優れた効果が認められました。

 当社は、トレリーフの早期の市場浸透を図るとともに、パーキンソン病の治療に一層貢献できることを期待しています。

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理化学研究所、腸管免疫バランスを制御する新メカニズムを発見
免疫を抑えるT細胞が、免疫応答を促すヘルパーT細胞へ分化
- 異物を排除、許容する絶妙の腸管免疫バランスを制御する新メカニズムを発見 -


◇ポイント◇
●制御性T細胞が、腸管でIgA抗体の産生を最も効率的に誘導
●制御性T細胞は、免疫抑制機能を失ってろ胞性BヘルパーT細胞に分化
●腸管免疫のバランスを人為的に制御し、腸内細菌との共存関係制御に新たな手がかり


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、免疫応答を抑える働きを持っている制御性T細胞(※1)と呼ばれるT細胞(※1)が、B細胞(※1)の抗体産生を誘導する「ろ胞(※2)性BヘルパーT細胞」へと分化転換することで、腸管で腸内細菌を制御している抗体「IgA(※3)」の産生を誘導することを発見しました。これは、理研免疫・アレルギー科学総合研究センター(谷口克センター長)粘膜免疫研究チームのシドニア・ファガラサン チームリーダー、免疫恒常性研究ユニットの堀昌平ユニットリーダーらの成果です。

 ヒトの腸管内には、500~1,000種、100兆個にも及ぶ細菌が常在し、病原菌や食物など、さまざまな「異物」が、日々取り込まれています。ヒトをはじめとする脊椎動物に備わった免疫系は、これら「非自己」の体内への侵入を防ぎながら、過剰に攻撃することなく、多様な「非自己」との共生を達成しています。この共生のためには、免疫応答の正・負のバランスが適切に制御されることが重要で、「非自己」への過剰な免疫応答は、炎症性腸疾患や食物アレルギーといったさまざまな免疫疾患を引き起こします。腸管で腸内細菌の制御に重要な役割を担っているのがIgAと呼ばれる抗体で、腸内細菌や食物への過剰な免疫応答を防いでいるのが制御性T細胞と呼ばれるT細胞の一種です。IgA抗体は、主に腸管のパイエル板(※4)と呼ばれる免疫組織のB細胞によって作られ、B細胞によるIgA産生にはろ胞性BヘルパーT細胞と呼ばれるT細胞からの司令(ヘルプ)が必要であることが知られています。しかし、これらヘルパーT細胞がどのような道筋を経て分化し、免疫応答の複雑なバランスを保っているのかは不明でした。

 研究グループは、免疫応答を抑制する制御性T細胞が、腸管パイエル板でろ胞性BヘルパーT細胞へと分化転換し、B細胞によるIgA産生を効率的に誘導することを突き止めました。さらに、そのメカニズムを解析した結果、制御性T細胞の一部がその分化と機能をつかさどる転写因子Foxp3(※5)の発現を消失して免疫抑制機能を失い、その後パイエル板においてB細胞との相互作用により、ろ胞性BヘルパーT細胞へと分化することを発見しました。

 この研究成果は、制御性T細胞が従来考えられてきたような機能が固定化したT細胞ではなく、少なくともその一部は置かれた環境によって免疫応答を促進するヘルパーT細胞へと分化し得るダイナミックな状態にあることを示しています。そして、腸管における免疫応答の正・負のバランスがどのように保たれているかという疑問に、新たなメカニズムを提唱するものです。制御性T細胞からろ胞性BヘルパーT細胞への分化転換を制御することで、腸管免疫バランスの人為的制御が可能になり、腸内細菌と生体とのよりよい共存関係が樹立できるものと期待されます。

 本研究成果は、米国の科学雑誌『Science』(3月13日号)に掲載されます。


1.背 景
 免疫系は、病気を引き起こすさまざまな細菌やウィルスの感染から個体の生命を守る一方、自分自身の身体や腸管内に生息する共生細菌や食物といった異物に対しては破壊的に反応することなく「寛容」を保っています。生体が生命を健康に維持するためには、免疫応答の正・負のバランスを適切に保つことが大切です。このバランスが負に偏ると免疫不全症を引き起こし、逆に正に偏るとさまざまな自己免疫疾患やアレルギー疾患を発症します。腸管では、この正負のバランスが見事に保たれ、日々取り込まれる病原菌や食物といったさまざまな異物に対して免疫系が機能し、膨大な種類と数に及ぶ腸内細菌が平和的に共存しています。
 腸管において腸内細菌の制御に重要な役割を担っているのがIgAと呼ばれる抗体タンパク質です。IgAは、主に腸管のパイエル板と呼ばれるリンパ組織のB細胞で作られ、消化管内に分泌しています。しかし、パイエル板のB細胞は、それ自身でIgAを作ることができず、ヘルパーT細胞からの司令(ヘルプ)があって初めてクラススイッチ(※6)を受けてIgAを作るようになります。ヘルパーT細胞は、B細胞やマクロファージなどの免疫細胞に働きかけて、その機能を活性化する司令塔の役割を担っており、遺伝子発現の特徴や機能に応じてさまざまなタイプに分類されています。中でも、ろ胞性BヘルパーT細胞と呼ばれるタイプのヘルパーT細胞は、リンパろ胞に存在するB細胞に直接働きかけて、増殖や抗体のクラススイッチ・親和性成熟、抗体産生細胞あるいは記憶B細胞への分化を誘導する重要な役割を担っています。しかし、このIgA産生を誘導するろ胞性BヘルパーT細胞がどのようにして成熟分化するのかは明らかではありませんでした。

 一方、T細胞には、免疫応答を増強するヘルパーT細胞とは異なり、免疫応答を抑制する機能に特化した制御性T細胞と呼ばれるT細胞群が存在しています。制御性T細胞は、すでに自己免疫や炎症、アレルギーの抑制に重要な役割を担っていることが分かってきており、腸管でも腸内細菌や食物に対する過剰な炎症反応やアレルギー反応を抑制していることが明らかとなってきました。制御性T細胞は、転写因子Foxp3を特異的に発現し、Foxp3が制御性T細胞の分化と免疫抑制機能をつかさどるマスター転写因子(※7)として機能しています。ヒトの致死的な遺伝性免疫疾患として知られるIPEX症候群(※8)では、Foxp3遺伝子の突然変異により制御性T細胞の分化と機能に異常が起こって免疫応答が抑制できなくなるために、さまざまな自己組織の破壊や食物アレルギー、炎症性腸疾患が発症することが知られています。しかし、この制御性T細胞もその分化経路はいまだに謎に包まれています。

 また最近になって、堀ユニットリーダーらは、健常マウスから制御性T細胞を純化・単離してほかのマウスに投与すると、多くはFoxp3を発現し続けて安定して抑制機能を示すものの、一部がFoxp3発現を消失して抑制機能を失い、ヘルパーT細胞へと分化転換を起こすことを発見しました(Komatsu et al.PNAS 106:1903-1908,2009)。

 このように、ろ胞性BヘルパーT細胞と制御性T細胞は、一見異なった研究課題です。しかし、どちらも腸管の恒常性(ホメオスタシス)を維持する上で鍵となる細胞であり、免疫応答の正と負のバランスを保つために重要な働きをします。そこで、それぞれの研究に取り組んでいたグループ・チーム・ユニットが、研究センター内での活発な研究交流により、「Foxp3発現を消失した制御性T細胞が、パイエル板でB細胞によるIgA産生を誘導するろ胞性BヘルパーT細胞へ分化するのではないか」と仮説を立て、この可能性を検討することにしました。


2.研究手法と成果

(1)パイエル板において制御性T細胞が、最も効率的にIgAへのクラススイッチを誘導
 遺伝的にT細胞を持たないT細胞欠損マウス(CD3ε遺伝子欠損マウス)のパイエル板では、ヘルパーT細胞からの司令がないために、B細胞はIgAを作ることができません。しかし、このT細胞欠損マウスにT細胞を投与すると、B細胞がクラススイッチに必須の酵素であるAID(Activation-Induced Deaminase)を発現してIgAを作るようになります。研究グループはこの実験システムを用いて、Foxp3を発現する制御性T細胞(Foxp3+T細胞)あるいはFoxp3を発現しない通常の非制御性T細胞(Foxp3-T細胞)のどちらが(あるいは両方が)効率的にIgA産生を誘導するかを調べました。

 Foxp3の発現をGFP(緑色蛍光タンパク質:Green Fluorescent Protein)により標識したFoxp3レポーターマウスから、Foxp3+T細胞およびFoxp3-T細胞をセルソーター(※9)を使って純化・単離し、それぞれをT細胞欠損マウスに投与しました。その結果、驚くべきことに、免疫応答を抑制するはずのFoxp3+T細胞を投与したマウスで、B細胞におけるAID発現とIgAへのクラススイッチが最も効率的に誘導されていることが分かりました(図1)。一方、免疫抑制活性を持たないFoxp3-T細胞は、B細胞にAID発現を効率的に誘導することができませんでした。

(2)制御性T細胞が、Foxp3発現を失ってろ胞性BヘルパーT細胞に分化
 免疫応答を抑制するはずのFoxp3+T細胞が、なぜ抗体産生を促進するヘルパーT細胞として機能するようになったのでしょうか?Foxp3+T細胞を投与したT細胞欠損マウスのパイエル板を詳しく調べたところ、AIDを発現するB細胞の近傍に、多くのT細胞が存在しますが、これらのT細胞は、Foxp3発現を失っていました(図2)。このFoxp3発現を消失したT細胞は、ろ胞性BヘルパーT細胞と同様の遺伝子発現パターンを示し、ろ胞性BヘルパーT細胞へと分化していることが分かりました。すなわち、Foxp3+T細胞は、そのFoxp3発現を消失することで免疫抑制機能を失い、抗体産生を誘導するヘルパー機能を獲得していました。

(3)制御性T細胞のろ胞性BヘルパーT細胞への分化にはパイエル板環境が重要
 Foxp3+T細胞をT、B両方のリンパ球を欠く変異マウスに投与したところ、Foxp3発現の消失が起こるものの、ろ胞性BヘルパーT細胞への分化は見られませんでした。また、Foxp3+T細胞からろ胞性BヘルパーT細胞への分化転換は、パイエル板だけで起こり、脾臓(ひぞう)やリンパ節といったほかのリンパ組織では起こっていませんでした。これらの結果から、Foxp3+T細胞からろ胞性BヘルパーT細胞への分化は、Foxp3発現の消失とそれに引き続くろ胞性BヘルパーT細胞への分化という二段階で進み、パイエル板に存在するB細胞との相互作用が必要であることが明らかになりました。

 研究グループは、制御性T細胞におけるFoxp3発現の消失により、ろ胞性BヘルパーT細胞への選択的な分化と、B細胞におけるIgA産生が誘導されることを明らかにし、ろ胞性BヘルパーT細胞の新しい分化経路の存在を初めて突き止めました。


3.今後の期待
 免疫応答を抑制する制御性T細胞が、免疫応答を促進するヘルパーT細胞の分化転換を受けるという発見は、免疫系のダイナミックで適応性に満ちた性質を改めて明らかにすることになりました。また、今回の発見は、腸管における正と負の免疫バランスがどのように維持されているのかという疑問に対して、新しいメカニズムを提唱するものといえます。今後、制御性T細胞の分化転換メカニズムを分子レベルで解明することで、腸管における免疫バランスを人為的に制御することが可能になると考えられ、消化管における腸内細菌と生体との共存関係の改良に貢献すると期待されます。



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総医研HD子会社、イミダペプチド含有飲料「イミダペプチド」を通販で発売
産官学連携プロジェクトから生まれたイミダペプチド含有飲料「イミダペプチド」新発売!

2009年3月16日(月)より通信販売にて発売開始

日本ハム(株)中央研究所と(株)総合医科学研究所で共同開発


 株式会社総医研ホールディングス(東証マザーズ上場2385 社長:梶本佳孝 本社:大阪府豊中市 URL: http://www.soiken.com/ )の子会社である日本予防医薬株式会社(社長:高橋丈生 本社:大阪府豊中市)は、産官学連携プロジェクトから生まれたイミダペプチド含有飲料「イミダペプチド」(鶏胸肉抽出イミダペプチド含有ドリンク)を3月16日(月)から通信販売で発売します。

 日本予防医薬株式会社では、これまで同様の飲料を医師の認知下で使用することを目的とした専用食品「フロメド(FROMMED)」シリーズとして販売しておりましたが、この度、「イミダペプチド」として、一般に向けて販売を開始するものです。

 イミダペプチド(イミダゾールジペプチド)(※1)は、今、産官学連携プロジェクト(※2)で最も注目されている食品素材で、ヒトや動物の骨格筋に存在するアミノ酸結合体です。食べて体に吸収された後は筋肉に取り込まれることが知られています。

 渡り鳥の中には、アラスカからニュージーランドまで一度も陸地に降りることなく数千キロを飛び続けるものがいます。なぜ、そのようなことが可能になるかを着目した結果、長時間、翼を動かし続ける鳥の筋肉中にイミダペプチドが高濃度に含まれ、牛肉や豚肉に比べて2~3倍も豊富に含んでいることが研究により判明しました。

 日本ハム株式会社 中央研究所では、このイミダペプチドを鶏胸肉から高濃度抽出する製法を開発、株式会社総合医科学研究所が飲料化に成功しました。

 りんご果汁をベースに味わいやすく、30mlと飲みやすい量で、様々なシーンで摂取しやすい瓶入りの飲料に仕上げています。

<ご参考>

(※1) イミダペプチドにはカルノシンとアンセリンがあり、カルノシンはβ-アラニンとヒスチジン、アンセリンはβ-アラニンとl-メチルヒスチジンとのジペプチドです。いずれもイミダゾール基により抗酸化作用、pH緩衝作用を持つことが知られています。

(※2) 産官学連携プロジェクトは、疲労研究に携わってきた大阪市立大学など5大学に、「産」からは製薬・化学9社、食品7社、総合商社2社の計18社、「官」から大阪市が参加し、総合医科学研究所がコーディネーターとして取り組む「疲労定量化および抗疲労医薬・食品開発プロジェクト」です。このプロジェクトの目的は、疲労のバイオマーカーを見つけることで疲労の特徴と強さを数値化・定量化し、最終的に本当に効果のある抗疲労医薬やトクホ(特定保健用食品)を提供することです。( http://www.soiken.info/project.html/ )

 商品名:「イミダペプチド」
 発売日:2009年3月16日(月)
 販売方法:通信販売(電話、FAX、インターネット、ケータイサイトにて注文受付)


<製品概要>
 品種:30ml×10本 2,680円(税込)
     30ml×30本 7,500円(税込)
 送料:個数に関わらず全国一律300円
 賞味期限:年月で表示(1年半)
 販売方法:注文専用電話  0120-189-137
        ※受付時間 9:00~17:00(土日祝を除く)
         FAX 0120-189-565
          ※受付時間 24時間

 インターネット http://imida.jp/
 ケータイサイト http://imida.jp/m


【日本予防医薬株式会社 会社概要】
 所在地 :大阪府豊中市新千里東町1-4-2 千里ライフサイエンスセンター13F
 代表者:代表取締役社長 高橋丈生
 資本金:155百万円
 出資会社:株式会社総医研ホールディングス(100%)
 事業内容:健康補助食品の販売等


お問合せ先:
 日本予防医薬株式会社 お客様相談室 0120-189-139



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三洋電機と東工大、「電気を通すプラスチック」導電性高分子膜の新製法を開発
“電気を通すプラスチック”導電性高分子膜の新製法を開発

高い導電率の実現で、新規用途開発に道


 三洋電機株式会社(大阪府守口市、代表取締役社長 佐野精一郎)と東京工業大学 資源化学研究所(横浜市緑区、すずかけ台キャンパス、山本隆一教授)は、導電性高分子の高性能化に関する共同研究を行っております。この度、三洋電機は導電性高分子膜の高導電率化技術の開発を行い、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)(図1)という高分子(ポリマー)材料において、1,200S/cm(※1)以上というこれまでで最高の導電率を再現良く得ることのできる製法の開発に成功しました。

※1 S(ジーメンス)/cm:導電率の単位。大きいほど電気がよく流れる

 ※ 図1は関連資料をご参照下さい。


1.研究成果の概要

 “導電性高分子”は“電気を通すプラスチック”とも言われ、帯電防止膜、コンデンサなど幅広い用途に使われていますが、更なる用途拡大・性能向上のため高い導電率を簡便に実現できるような材料及び製法の開発が求められていました。
 導電性高分子の製法には、「化学重合」や「電解重合」などの方法が知られており、化学重合の中でも複数の合成法が知られています。数ある製法の中で、比較的簡単かつ安価にできるのは、1ステップで完了する「化学酸化重合法」であり、ディップやスピンコートなどの簡易な方法を用いて基材上に塗膜を形成することもできます(図2)。

 しかし従来の化学酸化重合では反応の制御性が不十分であり、十分に高い導電率を示す高分子材料を合成できませんでした。
 導電性高分子の一種、「ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)」は、安定な分子構造を持ち、導電性や耐熱性において高いポテンシャルを有することから、導電性高分子材料の中でも多くの研究が行われておりますが、導電率は作り方によって大きく変わり、一般的な製法では数百 S/cmが上限でした。
 今回、導電性高分子材料ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)の化学酸化重合において、重合時に加える添加剤の新規開発を行い、1,200 S/cm(最高1,490 S/cm)以上という高い導電率を再現良く得ることのできる製法を見出しました(図3)。


2.技術の応用及び実用化

 今回得られた1,200 S/cmという導電率は、実用できる材料としては、非常に高いレベルのものであり、従来、帯電防止膜と一部の電子部品に限られていた導電性高分子材料の応用範囲を、電極材料としての応用へ拡げることができる可能性があります。
 現在、タッチパネルや液晶テレビ等には、導電率が数千S/cmのITO(インジウム錫酸化物)という金属酸化物系の透明電極材料が用いられています。しかし、インジウムは価格高騰、資源枯渇等の問題を持つ希少金属であり、代替材料の検討が行われています。また良質な透明導電膜を得るため、通常、成膜時にスパッタリングもしくは電子ビーム蒸着といった真空プロセスが用いられています。今後、低コストの塗布プロセスで形成できる導電性高分子の性能が向上し、ITO並みの導電率と透明性が確保できれば、ITOの代替として用いることも候補として考えられます。 
 さらに、導電性高分子膜は柔軟性に優れているため、曲げに強く、低温形成も可能であることから、従来製品と異なり、プラスチックフィルムを基材とした超軽量・薄型のデバイスにも適用することが可能です。
 また、導電性高分子膜の信頼性・耐久性に関しては、実用化されている既存のデバイスで、高い信頼性が実証されています。導電膜としての新しい応用では、空気中の水分や酸素、あるいは、紫外線などが、有機物の劣化原因となるため、用途に応じた耐久性の確保に向け、さらなる技術開発を進めます。


3.環境に配慮した技術の実現に向けて

 今回開発した要素技術は、固体電解コンデンサ、タッチパネル等への応用が考えられますが、実用に向けての課題を克服し、有機導電膜ならではの特性を生かした応用、環境に配慮した技術としても実用化が図れるよう今後の技術開発に努めて参ります。
 東京工業大学では、独自の合成技術を活かし、過去に非常に多くの種類の導電性高分子材料の開発を手がけています。今回の共同研究では、PEDOT以外の材料でも、導電性高分子の耐熱性向上に結びつく研究成果が創出されており、それらの材料要素技術についても実用化を目指した改良を今後行って参ります。


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理化学研究所、10兆分の1秒で形を変えていく分子の瞬間の構造を観測
10兆分の1秒で形を変えていく分子の瞬間、瞬間の構造を観測
- 化学反応の遷移状態の構造解明に道を拓く -



◇ポイント◇
 ・100兆分の1秒の光パルスで分子を瞬間的に揺さぶり、その揺れの変化をキャッチ
 ・異性化反応途中のスチルベン分子の連続的な構造変化をリアルタイムで追跡
 ・化学反応の鍵となる遷移状態の瞬間の構造に迫る


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、分子が炭素原子間の二重結合位置でねじれる「異性化反応」において、分子の形が10兆分の1秒の時間スケールで連続的に変化していく様子を、最先端の分光計測法を用いて解明しました。これは、基幹研究所(玉尾皓平所長)田原分子分光研究室の竹内佐年専任研究員と田原太平主任研究員が、国立大学法人北海道大学の武次徹也教授らと共同で行った研究による成果です。

 分子の異性化は、構造異性体(※1)と呼ばれる互いに関連した化学種どうしを変換する、基本的な化学反応です。この反応は、私たちがものを見る際に、最初に光によって網膜中の光受容タンパク質の中で引き起こされるなど、多くの重要な生化学過程の鍵ともなっています。このため、異性化反応の間に、分子が実際にどのように変形していくのかを解明することは、大変重要な課題でした。しかし、これまで化学反応の前後で分子の構造を調べることはできても、反応(変化)の途中で分子が徐々にその形を変えていく様子を観測することは困難でした。

 研究グループは、スチルベン(※2)という分子に紫外光を照射して異性化反応を開始させ、分子がシス型(※1)からトランス型(※1)へと異性化する様子を、新たなラマン分光法(※3)である「時間分解フェムト秒インパルシブ・ラマン分光法(※3)」を用いて観測しました。具体的には、まさに反応途中で形を変えつつあるスチルベン分子に、100兆分の1秒の光パルスを照射して瞬間的に揺さぶり、その揺れの振動数を精密に決定しました。その結果、異性化反応の進行とともに振動数が10%も低下することを見いだしました。この実験結果を最先端の量子化学計算を用いて詳しく解析したところ、これまで考えられてきたようなスチルベンのフェニル基(※2)の動きではなく、質量の軽い水素原子の動きにより分子のねじれが引き起こされていることが分かりました。これによって、反応中の各原子の動きが明らかとなり、化学反応の間に分子がその構造を連続的に変化させていく様子の追跡が実現しました。

 本研究成果は、化学反応が進む方向に決定的な役割を果たす「遷移状態」と呼ばれる瞬間状態の構造を解明する道を拓くと期待されます。この成果は、米国の学術誌『Science』(11月14日号)に掲載されます。


1.背景
 化学反応では、原子間の結合が切れたり作られたりしながら、元の分子とは異なる分子が生み出されます。このような化学反応による分子変化の過程で、分子を構成する各原子の位置がどのように動き、分子の形がどのように変わっていくのかを“手に取る”ように眺め、その一連の変化の仕組みを解明することは、化学の究極の夢の1つといえます。このために科学者は、化学反応の途中に現れ、反応の行方に決定的な役割を果たす「遷移状態」と呼ばれる瞬間状態に注目し、その遷移状態の分子の構造を決定することを夢見てきました。

 現在では、1兆分の1秒という非常に短い時間内に進む超高速の反応でも、先端的分光計測法を使うと、反応の進行とともに反応前の分子の数が減少し、反応によってできる生成分子の数が増加する様子を観測することが可能です。つまり、反応の速さを決めることができます。また、振動分光法(※4)という手法を用いると、反応前の分子や生成分子の形を決めることもできます。しかし、これまで、反応の途中で分子の形がどのように連続的に変化し、元の分子から生成分子へと形を変えていくかを実際に観測することは困難でした。そのため、反応途中の分子の形を解明するための実験データがなく、真の意味での反応機構の理解を難しくしていました。

 そこで、研究グループは、分子が炭素原子間の二重結合位置でねじれる「異性化」と呼ばれる基本的な化学反応を取り上げ、反応途中の分子構造の連続変化を新しい最先端の分光法を用いて研究しました。分子の異性化は、構造異性体と呼ばれる互いに関連した化学種どうしを変換する基本的な化学反応の1つであるだけでなく、数多くの生化学過程にもみられる重要な化学反応です。実際、私たちの視覚では、目に入った光が、光受容タンパク質の中の発色団分子に吸収され、発色団分子が異性化を起こし、その構造がねじれることによって刺激を誘起することが知られています。このように、異性化に伴って分子の形がどのように変化するかを分子科学的に解明することは、生命活動の仕組みを分子レベルで読み解く上でも重要な課題として認識されています。

 スチルベンという分子は、光によって異性化を起こす基本分子として、光受容タンパク質の発色団分子と同様に精力的に研究されてきました。スチルベンは、中央に炭素原子間の二重結合を持ち、その両側にベンゼン環と水素原子が1つずつ結合した構造を持ちます(図1)。二重結合まわりのねじれ角の違いにより、トランス型とシス型という2つの構造異性体があります。シス型のスチルベンに紫外光(波長267ナノメートル)を照射すると、分子が高いエネルギーを持つ電子励起状態となって二重結合まわりにねじれ、トランス型へと異性化を起こします。この基本分子の異性化の速度は、シス型分子の数の減少を測定する分光法によって詳細に研究されており、約1兆分の1秒の間に異性化が起こることが分かっています。しかし、このように反応前と反応後の構造のよく分かっている最も基本的な分子の異性化反応でさえ、反応途中の構造がどのような変化の経路をたどるかは、これまでまったく分かっていませんでした。


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東北大学など、細胞老化を抑えるタンパク質を発見
細胞老化を抑えるタンパク質を発見
―がんや老化に対する治療標的分子候補同定へ向けて―


 がん抑制因子p53(注1)は細胞老化(非可逆的な増殖停止)やアポトーシスを誘導することにより、細胞のがん化を抑えます。このたび、東北大学大学院医学系研究科細胞生物学講座生物化学分野の土肥由裕研究員(現・広島大学医歯薬学総合研究科)、井倉毅講師、五十嵐和彦教授のグループは、財団法人癌研究会癌研究所などのグループと共同で、転写因子(注2)Bach1(バック1)がp53と結合し、その働きを阻害することにより、細胞老化を抑えることを発見しました。細胞老化は個体の老化とも密接に関係することから、Bach1は、がんや老化をコントロールする上で新しい治療標的となる可能性が考えられます。この発見は米国の学術誌Nature Structural & Molecular Biology誌(ネイチャー構造分子生物学誌)の電子版に11月16日18時(英国グリニッジ標準時間)に発表されます。


【 研究内容 】
 我々の体を構成している細胞は、分裂を繰り返しながら増殖しますが、その分裂回数を一定の範囲に制限する仕組みがあります。この仕組みの一つは「細胞老化」と言われ、これが幹細胞(注3)などで生じると組織・臓器の再生能力が低下することから、細胞老化は個体の老化の一因ともなっていると考えられます。一方、細胞老化は、遺伝子に変異が蓄積した細胞が増殖することを防ぎ、がん化を抑制する重要な仕組みともなっています。細胞老化は、p53という転写因子が働くことにより生じます。p53は、細胞老化に関わる遺伝子を発現させることにより細胞の増殖停止を促し、細胞老化を誘導することが知られています(図1 左)。またこの作用により、p53は異常細胞の増殖を防ぐがん抑制因子としても働いています。しかし、細胞老化の前後でp53の働きが調節される分子機構は長年不明でした。

 今回、東北大学大学院医学系研究科・生物化学分野(五十嵐和彦教授)のグループは、財団法人癌研究会癌研究所(野田哲生所長)、独立行政法人理化学研究所基幹研究所(吉田稔室長)のグループとの共同研究により、転写因子Bach1がp53と結合してその働きを抑え、細胞老化を抑制することをマウスでの遺伝子破壊実験(注4)やタンパク質ネットワーク解析などにより明らかにしました。Bach1遺伝子を欠損する細胞は、野生型の通常細胞と異なりp53が容易に活性化し、速やかに細胞老化に至りました。すなわち、Bach1はp53の働きを阻害することにより、細胞老化のブレーキとして働くことが証明されました(図右)。細胞老化が「がん抑制」としての機能を併せ持つことを考えると、Bach1は、老化を抑制するのみならずがん化を促進する役割を持っている可能性があります。また、個体の老化に対してもBach1がブレーキ役として働いている可能性があります。今回の発見は細胞老化やがん化を理解する上で重要なものであり、この研究をさらに進めることにより、がんや老化に対する治療標的分子が同定され、新しい診断や治療法につながることも期待されます。

 本研究は、文部科学省科学研究費補助金(特定領域研究「遺伝情報デコード」、「遺伝情報システム異常と発がん」および基盤研究B)、東北大学医学系グローバルCOEプログラム「Network Medicine 創生拠点」、上原記念生命科学財団研究助成金、武田科学振興財団研究助成金、財団法人病態代謝研究会研究助成金により支援されました。

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エーザイ、てんかん治療剤「BANZEL」がレノックス・ガストー症候群の治療薬として米国で承認取得
てんかん治療剤「BANZEL(TM)」
レノックス・ガストー症候群の治療薬として米国で承認取得


 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)の米州統括会社であるエーザイ・コーポレーション・オブ・ノース・アメリカ(本社:ニュージャージー州、会長:清水初)は、2008年11月14日(米国東部時間)、「BANZEL(TM)」(一般名:ルフィナマイド)について、FDA(米国食品医薬品局)より「4歳以上の小児および成人におけるレノックス・ガストー症候群(Lennox - Gastaut Syndrome:LGS)に伴うてんかん発作の併用療法」を効能・効果として承認を取得したと発表しました。また、「成人および12歳以上の青年期における、二次性全般化を伴うもの、伴わないものを含む、部分てんかんの併用療法」の効能・効果についても本剤の新薬承認申請を提出しておりましたが、本件につきましては、FDAより Complete Response Letter を受領しました。

 「BANZEL(TM)」は、既存のてんかん治療剤とは類似性のない、新規構造のトリアゾール誘導体です。本剤は、てんかん発作の原因となる過剰電荷を帯びている脳内ナトリウムチャネルの活動を調節することにより、抗てんかん作用を示すと考えられています。

 二重盲検、プラセボ対照で実施したピボタル試験では、「BANZEL(TM)」による併用療法を受けたLGS患者様は、意識消失や転倒を引き起こす転倒発作の発生頻度の中央値が42.5%減少したのに対し、プラセボ投与群では1.4%の増加となりました。

 LGSは最も重篤な小児期てんかんのひとつです。複数の発作型を示し、発作が頻回に発生することが特徴で、通常、低年齢(1~5歳)で発症します。米国では、小児てんかん患者様全体(14歳未満では約30万人)の約1~4%を占めています。LGS患者様のおよそ3~7%が10年以内に死亡すると言われています。LGSは難治性であり、通常、患者様は発作を抑制するために数種類のてんかん治療剤を服用しています。また、発作型が複数に及び発作の発生頻度も高いため、発達遅延や行動障害を伴う場合もあります。

 LGSは患者様とそのご家族の生活に計り知れない影響を及ぼす疾患です。当社は引き続き、最も必要としている方々に新たな治療の選択肢を提供することによって、患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、より一層貢献してまいります。


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アンジェスMG、NF-κB/Etsリボン型デコイの腹部大動脈瘤に対する有効性確認など研究成果を発表
NF-κB/Etsリボン型デコイの腹部大動脈瘤に対する
有効性を動物試験において確認
-米国心臓協会(AHA)年次学術大会2008で大阪大学が発表-


 大阪大学が行ったNF-κB/Etsリボン型デコイの研究において、腹部大動脈溜に対する有効性が動物試験において確認され、同大学の研究グループが米国心臓協会(AHA)年次学術大会2008において11月9日に本研究成果を発表いたしました。

 N F-κB/Etsリボン型デコイとは、NF-κB及びEtsの二つの転写因子に対する阻害作用を有するダブルデコイで、血中での安定性を高める目的でリボン型(末端領域をサークル状に修飾した改良型デコイ)に構造を変化させたものです。
 本研究においては、NF-κB/Etsリボン型デコイをラットの腹部大動脈瘤モデルに腹腔内に投与したところ、コントロール群と比較し、統計学的に有意に動脈瘤の大きさを抑制しました。また、動脈瘤に関連するMMP(matrix metalloproteinase)においても、NF-κB/Etsリボン型デコイは、従来型のNF-κB/Etsデコイと比較し、統計学的に有意に抑制しました。

 腹部大動脈瘤は、基本的に薬剤で治療することは難しく、時間の経過とともに拡大していく疾患です。また、今回抑制したMMPは、血管壁のコラーゲンやエラスチンを破壊し、血管径を膨張させます。治療としては膨隆した動脈壁を取り除き人工血管やステントグラフトに置換する手術が主に行われておりますが、薬剤による治療が可能となった場合には、非侵襲的な治療のため、患者様にとって大きな負担の軽減になる可能性があります。

 また、今回の試験結果は、局所投与を前提とする従来型デコイと比較し、リボン型デコイの生体内での安定性向上を示唆しており、当社としては、NF-κB/Etsリボン型デコイの応用により、腹腔内投与、さらには静脈内投与(全身投与)による、患者様にとって侵襲性の少ない腹部大動脈溜の治療薬開発につながることを期待しています。

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常盤薬品、医薬品成分「南天実エキス」の気管拡張作用メカニズムを発表
武蔵野大学薬学部との共同研究

ノエビアグループの常盤薬品工業は、医薬品成分「南天実エキス」の
すみやかに気管を拡張させるメカニズムを明らかにしました。

「第114回日本薬理学会近畿部会」にて発表



■概要
 ノエビアグループの常盤薬品工業株式会社(本社:東京都港区、社長:大倉 尚(ひさし))は、武蔵野大学薬学部薬理学研究室(阿部 和穂(かずほ)教授)と、医薬品成分である南天実エキスの有効性と安全性を検証するために共同研究をおこなっております。
 呼吸器系の障害による咳に対して、気管・気管支拡張薬が有効であることは既に認められています。私たちはこれまでに、南天実エキスの気管拡張作用を報告すると共に、その作用に関与する成分は、南天実エキス中の主なアルカロイドであるナンテニン(O-メチルドメスチシン)に加えて、最近、ヒゲナミンが含まれていることを明らかにしてきました。
 今回は南天実エキスと、南天実中のナンテニン・ヒゲナミンが、どのようなメカニズムにより気管を拡張しているのかを詳細に調べました。その結果、南天実エキスのすみやかな気管拡張作用は、ヒゲナミンによるβアドレナリン受容体※1(β受容体)を介したメカニズムであることがわかりました。また、ナンテニンはβ受容体を介さず、他のメカニズムにより気管を拡張することもわかりました。

 ※1…気管に存在するβアドレナリン受容体に作用すると、気管が拡張することが知られています


 研究成果は2008年11月14日(金)、『第114回日本薬理学会近畿部会』(神戸)にて発表いたしました。


■結果ならびに考察
 南天実エキスの気管拡張作用には、ナンテニンに加えて、ヒゲナミンも関与していることを明らかにしました。今回、南天実エキスに含まれるヒゲナミンが、β受容体を介して気管を拡張することがわかりました。
 これによって、南天実エキスのすみやかな気管拡張作用は、ヒゲナミンによるβ受容体を介したメカニズムであることが明らかになりました。

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カゴメ、ホウレンソウに血中ホモシステインを低減させる作用を確認など研究成果を発表
ホウレンソウに血中ホモシステインを低減させる作用を確認
~動脈硬化の予防に期待~
カゴメ、静岡大学の共同研究


 カゴメ株式会社経営企画本部総合研究所(栃木県那須塩原市)は、静岡大学(静岡県静岡市)杉山公男教授との共同研究で、ホウレンソウに血中ホモシステインを低減させる作用があることを、動物を用いた試験で確認しました。今回の研究成果により、ホウレンソウの摂取による動脈硬化の予防作用が期待できます。本研究内容は、第13回日本フードファクター学会総会・学術集会(11月17~18日タワーホール船堀)において発表いたします。

■ 共同研究者静岡大学杉山公男教授のコメント
 動脈硬化の発症には様々な因子が関与していると考えられています。一般的に知られているのは、血中コレステロールの関与です。今回は、血中コレステロールとは別のメカニズムによって動脈硬化のリスクを高めるといわれている血中ホモシステインに着目致しました。その結果、ホウレンソウに血中ホモシステインを低減させる作用があることを確認しました。その作用物質は、ホウレンソウに豊富に含まれるベタインであると考えられます。血中ホモシステインは喫煙や過度の飲酒などによって増加するといわれています。ホウレンソウなど野菜をしっかりと摂る健康的な生活を心がけることで、危険な疾病へと繋がる動脈硬化を予防しましょう。

■ 研究の背景
 最近では、ガン、心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病で亡くなられる方が約7割に達し、その中でも動脈硬化を中心とする循環器系疾患は大きな割合を占めています。ホモシステインは必須アミノ酸であるメチオニンの中間代謝物として生成しますが、ホモシステインの血中濃度が高まると高ホモシステイン血症となります。高ホモシステイン血症は、動脈硬化の独立したリスク因子と考えられています。一方で、ホウレンソウに多く含まれるベタインという物質は、ホモシステインからメチオニンへの代謝を促すことで、ホモシステインを低減させます。そこで高ホモシステイン血症を発症させたラットを用いて、ホウレンソウによる血中ホモシステイン濃度に与える影響について評価しました。

■ 研究概要
 * 関連資料 参照

■ 用語の説明
動脈硬化
 動脈が狭くなることで血液の流れが悪くなったり、動脈の壁が堅くもろくなってしまう状態を言います。一般にLDL-コレステロールの増加やHDL-コレステロールの減少などが動脈硬化のリスク因子として知られています。それとは別に、ホモシステインの増加も独立した動脈硬化のリスク因子の1つといわれています。

メチオニン
 人が体内で作り出すことのできない必須アミノ酸の1つです。肝臓中でいくつかの中間代謝物を経たのち、システインへと代謝されます。

ホモシステイン
 メチオニンがシステインに代謝されるときに中間代謝物として生成します。血中濃度が高まる高ホモシステイン血症は、動脈硬化のリスク因子であるといわれています。

ベタイン
 アミノ酸の一種であり、植物ではアカザ科に多く含まれます。アカザ科の野菜にはホウレンソウなどがあります。ベタインはメチル基を供与することによって、ホモシステインからメチオニンへの代謝を促します。

BHMT(ベタイン-ホモシステインS-メチルトランスフェラーゼ)
 ベタインのメチル基をホモシステインに転移させる酵素です。肝臓中でホモシステインからメチオニンへの代謝を促します。

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第一三共、インフルエンザ治療剤CS-8958の第III相臨床試験を開始
インフルエンザ治療剤CS-8958の第III相臨床試験開始について



 当社が自社創製したインフルエンザ治療剤CS-8958の、本邦での第III相臨床試験を開始しましたので、お知らせいたします。
 CS-8958は、長時間作用型のノイラミニダーゼ阻害剤(Long Acting Neuraminidase Inhibitor、以下LANI)であり、1回の投与のみでの治療効果を期待しています。現在、本剤はインフルエンザウイルスの感染部位である肺、気管に直接作用する吸入治療剤として開発中です。また、これまで実施した非臨床試験において、A型、B型のインフルエンザのみならず本剤のH5N1鳥インフルエンザウイルスに対する効果も確認しております。
 第III相臨床試験は、A型またはB型のインフルエンザに感染した成人患者を対象に、1群数百人規模でCS-8958の有効性と安全性を検討することを目的とし、CS-8958 1回吸入投与群とリン酸オセルタミビル75mgの1日2回、5日間連続投与群との二重盲検試験を実施します。
 有効性評価項目は、投与後のインフルエンザ関連症状の改善と解熱効果であり、CS-8958とリン酸オセルタミビル投与群との間で統計的に差がないこと(非劣性)を検証することを目的としています。安全性についても臨床使用上問題がないことを確認します。
 当試験はMARVEL(Multinational Asian Clinical Research for Influenza Virus Extermination on LANI)と名づけられ、台湾、香港、韓国での国際共同試験として実施します。
 また、小児を対象とした第II/III相試験も並行して実施し、小児に対する有効性と安全性を検討する予定です。


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カゴメ、リコピンに血中アディポネクチンを増加させる作用を確認など研究成果を発表
リコピンに血中アディポネクチンを増加させる作用を確認
~メタボリックシンドロームの予防に期待~
カゴメ、北海道大学の共同研究


 カゴメ株式会社経営企画本部総合研究所(栃木県那須塩原市)は、北海道大学(北海道函館市) 宮下和夫教授との共同研究で、リコピンに血中アディポネクチンを増加させる作用があることを、動物を用いた試験で確認しました。今回の研究成果から、トマトの摂取によるメタボリックシンドロームの予防作用が期待できます。本研究内容は、第13回日本フードファクター学会総会・学術集会(11月17~18日タワーホール船堀)において発表いたします。


■共同研究者北海道大学宮下和夫教授のコメント
 脂肪組織は単なるエネルギーの蓄積器官にとどまらず、様々なアディポサイトカインという生理活性タンパク質を分泌し、身体全体に影響を与えていることが分かってきました。内臓脂肪型肥満によって、脂肪細胞が過剰に肥大すると、これらアディポサイトカインの分泌に変化が生じます。
 善玉のアディポサイトカインといわれるアディポネクチンは減少し、メタボリックシンドロームが進行する原因となります。よって、アディポネクチンはメタボリックシンドロームの予防に重要な役割を担っていると考えられます。今回、トマトの色素であるリコピンに血中アディポネクチンを増加させる作用を確認しました。メタボリックシンドロームは様々な疾病リスクが高まる状態です。血中アディポネクチンの増加に寄与することは、疾病リスクを低下させるうえで重要だと考えられます。


■研究の背景
 最近、内臓脂肪型肥満が原因で高血糖、脂質異常症および高血圧の状態となるメタボリックシンドロームが問題となっています。厚生労働省の調査により、メタボリックシンドロームは予備群も含め、中高年世代で2000 万人近いことが報告されています。この問題に対し、平成20年度からは特定健康診査・特定保健指導が開始されるなど、メタボリックシンドロームの予防は健康を保つために重要です。

 アディポネクチンは脂肪細胞でつくられるアディポサイトカインの一種であり、糖尿病や動脈硬化を予防・改善する作用があります。しかし、内臓脂肪型肥満になるとアディポネクチンは減少し、メタボリックシンドロームがさらに進行してしまいます。そこで、メタボリックシンドローム予防対策として血中アディポネクチン濃度に注目し、リコピンが血中アディポネクチン濃度に与える影響を評価しました。

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カゴメ、紫人参のアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用を確認など研究成果を発表
紫人参にアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用を確認

アルツハイマー型認知症の改善に期待

カゴメ、野菜茶業研究所の共同研究


 カゴメ株式会社経営企画本部総合研究所(栃木県那須塩原市)は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所(三重県津市:所長望月龍也)との共同研究で、紫人参のアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用を確認しました。今回の研究成果より、紫人参のアルツハイマー型認知症の改善が期待できます。本研究内容は、第13回日本フードファクター学会総会・学術集会(11月17~18日タワーホール船堀)において発表いたします。

■カゴメ研究者のコメント
 紫人参に、アルツハイマー型認知症の治療薬と同様のアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用が確認されました。この作用をもたらす物質が何かはまだ不明ですが、紫人参にはアントシアニンという紫色の色素が含まれていることから、アントシアニンによるものではないかと考えられます。紫人参を摂取することで、アルツハイマー型認知症での脳機能の維持、症状の進行抑制が期待できます。

■研究の背景
 近年、生活習慣病予防の観点から、食生活の改善が重要視されており、特に野菜の摂取は注目されている項目です。厚生労働省が発表した21 世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」では、野菜を一日350g以上摂取することを目標としています。しかし、平成18 年の「国民健康・栄養調査」結果では、野菜摂取量の平均は303.4gで、「健康日本21」が定める目標値に対し大きく不足しています。

 野菜にはさまざまな健康に寄与する成分が含まれていることが近年の研究で明らかになってきていますが、カゴメでは特に野菜の色に注目し、赤、黄・橙、緑、紫の4色の野菜の機能性について研究を進めてきました。その中で、紫色の野菜に含まれるアントシアニンは、高い抗酸化能を有していることが報告され、その効用として眼や肝臓に対する報告があります。我々は、紫野菜の摂取による効果の中で、これまで報告の少ない脳神経に関する機能に着目しました。

 神経細胞に与える紫野菜の影響を検討すべく、アルツハイマー型認知症改善機能の評価に用いられるヒト神経芽細胞腫を用いた試験系にて、紫人参のアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用を評価しました。


■研究概要

≪目的≫
 紫人参が神経細胞でのアセチルコリンエステラーゼ活性に与える影響について解明するため、ヒト神経芽細胞腫SK-N-SHを用い、アセチルコリンエステラーゼ活性を評価しました。

≪方法≫
 ヒト神経芽細胞腫SK-N-SHをFBS10%添加F12/E-MEM(1:1)培地で培養し、評価に用いました。被験物質として、アントシアニンを多量に含む紫人参を用いました。紫人参は乾燥粉末を用い、その20%エタノール抽出物を調製しました。無血清培地に容量を変えて添加し、その培地で1 日培養後の細胞中のアセチルコリンエステラーゼ活性を測定しました。アセチルコリンエステラーゼ活性はEllman法、およびELISA法で測定しました。ポジティブコントロールとして、既にアセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用が確認されているメチルネオスティグミンを用いました。

図 紫人参のアセチルコリンエステラーゼ活性への影響(※ 関連資料参照)

≪結果≫
 図は、紫人参あるいはポジティブコントロールを添加した際のアセチルコリンエステラーゼ活性を示しています。紫人参の添加により、アセチルコリンエステラーゼ活性は有意に減少し、活性阻害作用を確認いたしました。また、添加する紫人参の量を増やしたところ、アセチルコリンエステラーゼ活性阻害作用が強くなる傾向が確認されました。
 よって、紫人参はシナプス間隙(かんげき)でのアセチルコリンによる情報伝達を促進することによって、アルツハイマー型認知症での神経伝達を促進する可能性が示されました。
 今後は作用物質を明らかにすると共に、メカニズムの解明に取り組んでいく予定です。


■用語の説明

紫人参
 ヨーロッパで栽培、消費されている人参で、紫色の色素であるアントシアニンを多く含みます。

アントシアニン
 ポリフェノールの一種です。pH により色が変わり、一般的に酸性で赤紫、アルカリ性で青紫になります。ブルーベリーやカシス、ナスの皮などに含まれており、活性酸素を消去する抗酸化能を持っています。

活性酸素
 酸素分子から派生する、酸化力が強い物質の総称で、体中では細菌に対する攻撃やエネルギー産生に関与していますが、過剰に存在すると生活習慣病の原因になります。

抗酸化能
 活性酸素からの攻撃を守る力です。抗酸化物質は活性酸素と反応し、反応性の低い物質に代わることで、脂質やタンパク質などを活性酸素の攻撃から守る働きを持っています。

アルツハイマー型認知症
 認知症の一種で、記憶や学習といった脳機能が低下する病気です。治療法は様々なものがありますが、アセチルコリンエステラーゼ活性阻害剤はその代表的な治療剤の1つです。

アセチルコリン
 神経細胞同士が刺激を電気信号として伝えることにより、手足の感覚を脳に伝えたり、脳での記憶や思考を行っています。神経細胞の間はシナプス間隙と呼ばれ、神経細胞から分泌された神経伝達物質が、次の神経細胞に刺激を伝えます。この神経伝達物質にはいくつかの物質がありますが、その1つがアセチルコリンです。

アセチルコリンエステラーゼ活性
 アセチルコリンは、神経伝達物質としての役割を終えた後、アセチルコリンエステラーゼという酵素により分解されます。アルツハイマー型認知症では、神経細胞に障害が起こり、神経刺激が伝わりにくい状態となっています。アセチルコリンエステラーゼ活性を阻害することにより、シナプス間隙の神経伝達物質の量が増加し、神経刺激が伝わりやすい状態になると考えられています。


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理化学研究所、アレルギー性ぜんそくなど気道性過敏症発症をひき起こす細胞を発見
アレルギー性ぜんそくなど、気道過敏症をひき起こす悪玉細胞を発見
- アレルギー・炎症性疾患の根治が大きく前進 -



◇ポイント◇
 ・IL-17RB陽性NKT細胞が、気道性過敏症発症をひき起こす細胞と判明
 ・抗IL-17RB抗体投与で、マウスのアレルギー気道炎症を抑制
 ・IL-25・IL-17RBが、抗アレルギー・炎症性疾患薬の新しい創薬ターゲットに


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、気道過敏症(※1)発症に中心的な役割をする細胞が、インターロイキン(※2)-17レセプターB(IL-17RB)という受容体を発現している一部のナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)(※3)であることを発見し、その分子メカニズムを明らかにしました。理研免疫・アレルギー科学総合研究センター(谷口 克 センター長)免疫制御研究グループの谷口 克グループディレクターと渡会浩志上級研究員らによる研究成果です。
 アレルギー疾患は、日本人の約3割がかかっている国民的な病気です。花粉症、食物アレルギーなど、症状は多岐にわたりますが、中でもアレルギー性ぜんそくは、患者数が約300万人、毎年の死者数が3,000人にも及びます。これまで、アレルギー性ぜんそくの多くは、ダニ・ハウスダスト・花粉などのアレルゲン(※4)や風邪のウイルス、ストレス、タバコの煙、香水の強い香りといった外界からの刺激が引き金となり、これらに対する過敏反応によって、気道過敏症の亢進などを起こし、発作的なぜんそく、咳などの症状をきたすと考えられてきました。しかし、どのようにして、この引き金が引かれ増悪へと向かうのか、具体的なメカニズムは不明なままでした。
 研究チームは、IL-17RBという受容体が、NKT細胞の一部に特異的に発現することを見いだし、この細胞がIL-17RBを介して、そのリガンド(※5)であるIL-25というサイトカイン(※6)に反応し、気道過敏症をひき起こす悪玉細胞であることを明らかにしました。実際に、アレルギーモデルマウスを用いた実験で、IL-17RBを発現したNKT細胞が、気道過敏症発症に関与していることを確認しました。また、このマウスに抗IL-17RB抗体を投与することにより、アレルギー性気道炎症の発症が抑制できることを突き止めました。
 IL-17RBを発現したNKT細胞の機能を人為的に抑制することで、気道過敏症の増悪を抑えられることが明らかになり、社会的要請の高いアレルギー性ぜんそくの克服が可能となります。
 本研究成果は、米国の科学雑誌『Journal of Experimental Medicine』オンライン版(11月17日付け:日本時間11月17日)に掲載されます。


1.背景
 アレルギー疾患は、日本人の約3割がかかっており、国民的な病気の1つとなっています。中でもアレルギー性ぜんそくは、世界保健機関(WHO)のICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems:疾病及び関連保健問題の国際統計分類)の統計によると、患者数は世界で3億人、日本で約300万人と報告され、死亡者数も世界で年間25万人超、日本でも3,000人超にも及び、年々増加の一途をたどっています。これまでぜんそくの多くは、ダニ・ハウスダスト・花粉などのアレルゲンや風邪のウイルス、ストレス、タバコの煙、香水の強い香りといった外界からの刺激が要因と考えられてきました。増悪した慢性のアレルギー性ぜんそくの基本病態としては、2型ヘルパーT(Th2)細胞、好酸球、肥満細胞と呼ばれる一群の炎症細胞が中心的な役割を担っており、IL-4、IL-5、IL-13といったTh2細胞から分泌されるサイトカインが、気道炎症、杯(さかずき)細胞からの気道粘膜分泌、気道上皮細胞の損傷と再構築による肥厚などをひき起こすことが知られています。しかし、このような病態形成に至る発症の分子メカニズムやアレルギー性ぜんそくの引き金となる細胞などは不明のままでした。


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理化学研究所、ゲノムに変化をもたらす新たなDNA組換えの抑制機構を解明
ゲノムに変化をもたらす新たなDNA組換えの抑制機構を解明
- 進化をもたらす遺伝情報の多様化と現状維持の分岐を制御 -


◇ポイント◇ 
・ DNA組換えを抑制する新規 DNA切断酵素「MutS2」を同定、構造と機能を解析
・ 組換え反応の初期に中間体の切断でDNA組換えを抑制
・ 生命の進化や病気のリスク回避など、生命の重要な選択を解く鍵を得る

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、85℃という高温で生育し、進化の起源に近いと考えられる高度好熱菌サーマス・サーモフィラス(※1)を利用して、生命現象の根幹であるDNA組換え反応(※2)の初期の中間体構造を好んで切断する酵素を同定し、新規のDNA組換え抑制機構を明らかにしました。この機構は、ゲノム情報(遺伝情報)の安定化に寄与するもので、進化か危機回避かの生命の重要な選択を制御すると考えられます。これは、理研放射光科学総合研究センター(石川哲也センター長)放射光システム生物学研究グループの福井健二研究員、北村吉章リサーチアシスタント、倉光成紀グループディレクターらが「高度好熱菌丸ごと一匹プロジェクト(※3)」で行った研究成果です。
 生命の遺伝情報はDNAに書き込まれており、これが書き換えられることは進化の原動力となる一方で、細胞死やがん化の危険性を伴います。遺伝情報書き換えの要因の1つは、一方のDNAの情報と他方のDNAの情報を交換する「DNA組換え反応」です。研究グループは、サーマス・サーモフィラスの機能未知タンパク質「MutS2」が、細胞内でDNA組換え反応を抑制する働きをしていることを明らかにし、その立体構造を大型放射光施設 SPring-8(※4)を用いて決定しました。さらに、分子機能解析によって、MutS2タンパク質が組換え反応の初期に生じる中間体を切断することで、DNA組換え反応を抑制することを見いだしました。遺伝情報を更新して進化の可能性を探るのか、現状を維持するのか、生命にとって重要な選択をコントロールするのが、MutS2タンパク質であると考えられます。
 本研究成果は、米国の科学雑誌『Journal of Biological Chemistry』(11月28日号)に掲載されるに先立ち、オンライン版(11月21日付け)に掲載されます。

1. 背景
 研究グループは、タンパク質をはじめとする生体分子の立体構造と機能に基づいて、1つの細胞におけるすべての生命現象を、システム全体として理解しようと研究を展開しています。1999年には「高度好熱菌丸ごと一匹プロジェクト」を立ち上げ、(1)遺伝子数が約2,200と少ない(ヒトは約23,000個、大腸菌は約4,500個)(2)厳しい環境に生きているためタンパク質が丈夫(3)遺伝子を操作する方法が確立されている、などの特徴から、モデル生物として、85℃という極限環境で生育できる高度好熱菌サーマス・サーモフィラスHB8株を選びました。サーマス・サーモフィラスHB8株は、あらゆる生物に共通して存在しいまだに役割がわからない約500種類のタンパク質を持っています。従って、これらのタンパク質の機能を明らかにすることは、サーマス・サーモフィラスHB8株細胞内のすべての生命現象をシステム全体として理解するために欠かせないだけでなく、ヒト由来タンパク質のように、解析が困難なタンパク質の機能の理解につながることになります。
 生命の遺伝情報はDNAに書き込まれており、これが書き換えられることは進化の原動力となる一方で、細胞死や老化、がん化の危険性を伴います。従って、細胞内のDNAは、さまざまな要因により絶えず書き換えの機会を得ると同時に、書き換えを防ぐ多様な機構を備えています。遺伝情報の書き換えの要因の1つは、一方のDNAの情報と他方のDNAの情報を入れ換える「DNA組換え」と呼ばれる反応です。この反応は、細菌においては外来DNAの取り込みによる新しい薬剤耐性遺伝子の獲得、ヒトにおいては減数分裂期(精子や卵などの生殖細胞ができるときに起きる細胞の分裂期)の相同染色体(2個ずつ対になっている同形同大の染色体)の入れ換えなど、遺伝情報の多様化になくてはならないものですが、同時に、細胞死やがん化の危険性を伴うため、厳密に制御される必要があります。
 研究グループは、サーマス・サーモフィラスHB8株の機能未知のタンパク質に注目し、X線結晶構造解析および生化学的手法を用いて、DNA組換え制御機構の解析を行いました。

2. 研究手法と成果
(1) 新たなDNA組換え抑制酵素「MutS2タンパク質」を同定
 細菌が、組換え反応により外来のDNAを自身のゲノムに取り込むと、薬剤に対する耐性を獲得します。従って、薬剤耐性株の出現率を調べると、DNA組換え反応の効率がわかります。研究グループは、この方法を用いて、サーマス・サーモフィラスHB8株由来のmutS2遺伝子欠損株と、野生株の組換え反応の効率を比較しました。mutS2遺伝子欠損株は、野生株より高い組換え効率を示し、機能未知のタンパク質MutS2が細胞内でDNA組換えを抑制していることが明らかになりました(図1)。このタンパク質は、それまで知られていたDNA組換え抑制酵素が持つアミノ酸配列と似ていなかったため、新たな組換え抑制機構の酵素として働くと考えました。

(2) 原子レベルの分解能でMutS2タンパク質をイメージング
 SPring-8の理研ビームラインBL26B2を用いて、MutS2タンパク質のX線結晶構造を解析しました。その結果、MutS2タンパク質の部分構造は、既知のDNA/RNA切断酵素と非常によく似ていることが判明しました(図2)。さらに、生化学的な手法を用いてMutS2タンパク質によるDNAの切断活性を調べたところ、MutS2タンパク質は、2本鎖DNA、特にDNA組換え反応における初期の中間体構造を好んで切断しました(図3)。これらの結果から、MutS2タンパク質が、反応の中間体を切断するという、これまで知られていなかった直接的で新規な組換え抑制機構(図4)を見いだしたことになりました。
 DNA組換えによってもたらされるゲノムの変化は、進化の原動力となりますが、それは同時に細胞死やがん化など生命の危機を伴うものです。DNAを組換えて新たな遺伝情報を獲得して進化するのか、それとも現状を維持して生き延びるのか、生命にとって重要な選択をコントロールするのがMutS2タンパク質といえます。
 また、MutS2タンパク質のDNA/RNA 切断酵素と似た領域に相当するタンパク質は、細菌からヒトまでほとんどすべての生物に保存されていますが、そのすべてが機能未知のタンパク質です。今回の解析結果は、それらのタンパク質の細胞内での役割についても手がかりを与えるものとなりました。

3. 今後の期待
 ヒトでは、MutS2タンパク質部分構造とアミノ酸配列が、非常に似た部分構造を持ったタンパク質「BCL3 - 結合タンパク質」が存在します。BCL3タンパク質は、ヒトの乳がんやマウスの皮膚がんなど、がん化した細胞において発現量が増加していることが知られており、BCL3 - 結合タンパク質のゲノム安定性維持機構への関与が疑われています。アミノ酸配列の高い相同性は、同じ機能を持つことを示唆するため、ヒトなどの高等生物においても、高度好熱菌と同様の反応機構がゲノム情報の維持を担っている可能性が考えられます。
 高度好熱菌に存在する約500種類の「あらゆる生物に共通して存在しながら機能のわかっていないタンパク質」の機能を明らかにすることは、細胞内のあらゆる生命現象をシステムとして理解することに必須であり、それは同時に、ヒトを含めた高等生物における生命現象の理解にもつながると期待されます。



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理化学研究所、右脳と左脳の神経構造レベルの違いを発見
右脳と左脳の構造の違いを発見
-記憶をつかさどる海馬に違い-



 ヒトの右脳と左脳の機能的な違いについては、例えば言葉は左脳優位、空間認知は右脳優位、と知られています。しかし、神経のつながり方が右脳と左脳でどのように違うのか、を明らかにした研究はありませんでした。今回、JST基礎研究事業の一環として、自然科学研究機構 生理学研究所の篠原 良章 研究員(現・理化学研究所)は、重本 隆一 教授のもと、記憶形成をつかさどる部位(海馬(注1))では神経のシナプス(注2)(神経と神経のつなぎ目)の形や大きさが右脳と左脳で異なることを明らかにしました。この成果は、右脳と左脳の働きの違いのメカニズム解明につながると期待できます。本研究は、理化学研究所との共同研究による成果で、11月17日(米国東部時間)の週に「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」(電子版)に掲載されます。
 研究チームはこれまで、シナプスにあるグルタミン酸受容体(注3)(神経の間の信号の受け手のたんぱく質)の量の左右差について研究してきました。今回、新しく、左脳と右脳の海馬でシナプスの形や大きさが違うことを初めて見いだしました。また、シナプスの形や大きさによって、グルタミン酸受容体の量と種類にも違いがあることが分かりました。こうしたグルタミン酸受容体の量と種類は、記憶を形成する上で非常に重要な役割を担っていると考えられています。「右脳と左脳のシナプスは同じ」という説もありますが、そうではないことが分かりました。
 重本教授は、「記憶の原理として注目される“長期増強(LTP)(注4)”という現象は、シナプスのグルタミン酸受容体の量と種類に影響されるので、左脳より右脳で起こりやすいのかもしれません。この研究を足がかりにすれば、右脳と左脳の機能が実際に違う理由を科学的に説明できるようになるのではないか」と話しています。


<研究の背景と経緯>
 ●右脳と左脳の違いは何?
  一般的によく言われる右脳と左脳の機能の違いについては、数多くの心理学的な実験から明らかになっています。例えば左右の脳の機能的な違いは、言葉は左脳優位、空間認知は右脳優位、と知られています。しかし、この機能的な違いを、脳の神経の構造レベルに着目して研究した例はありませんでした。具体的には、脳の中の神経のつながり方など、細かい構造の違いや、つながり方の違いは分かっていませんでした。
  神経は、シナプスというつなぎ目で他の神経へ情報を伝えています。この時、主に使われている神経伝達物質(神経の間の信号である化学物質)がグルタミン酸です。シナプスにはグルタミン酸を感じるたんぱく質「グルタミン酸受容体」が存在し、その機能と構造の違いにより複数に分類されています。
  本研究チームはこれまでに、右脳と左脳では、このグルタミン酸受容体のたんぱく質の分子が異なる配置をとっていることを明らかにしました(2003年にScience誌で掲載など)。ただ実際に、こうした分子配置の違いが、神経のつながり方やシナプスといった脳の微細構造の中で、どのような違いや意味があるのかは分かっていませんでした。


<研究の内容>
 本研究チームは今回、脳の中の記憶をつかさどる海馬におけるシナプスの形や大きさ、その右脳と左脳での違いを、電子顕微鏡を用いてミクロの構造レベルで明かにしました。
 海馬(特にCA1と呼ばれる場所)にある神経シナプスの形を調べたところ、色々な大きさのものがあり、小さなものや、大きなマッシュルーム型のものも見つかりました(図1)。
 そして、このシナプスの大きさの違いは、そのシナプスに存在するグルタミン酸受容体のたんぱく質の分子の数(密度)の違いと関係していることが分かりました。また小さいシナプスと大きいシナプスでは、豊富に含まれるグルタミン酸受容体の種類も異なっていました(図2)。
 シナプスのつながり方を調べたところ、左脳と右脳では、つながり方によってシナプスの大きさと受容体の密度が左右非対称になっていることが分かりました(図3)。例えば、左脳では同じ左脳からの信号(海馬CA3領域からの信号)を受け取るシナプスは小さく、反対側の右脳からの信号を受け取るシナプスは大きくなっていました。また、右脳ではそれと正反対になっていました。
 なお、本研究はJST 戦略的創造研究推進事業 発展研究(SORST)における研究課題「記憶の脳内表現と長期定着のメカニズム」(研究代表者:重本 隆一 教授)の一環として実施されました。

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理化学研究所や国立がんセンターなど、8種類のがんのゲノム変異を包括的で高精度な解析を開始
国際がんゲノムコンソーシアムが、8種類のがんゲノムプロジェクトを開始
- 理研、国立がんセンター、医薬基盤研究所など8カ国11機関が解析に着手 -


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)、国立がんセンター(廣橋説雄総長)および独立行政法人医薬基盤研究所(山西弘一理事長)が参加し、主要ながんのゲノム変異(異常)カタログを作成するための国際共同プロジェクト「国際がんゲノムコンソーシアム」(International Cancer Genome Consortium:ICGC)は、2008年11月18日(火)午前8時(日本時間同日午後10時)、参加機関のうち8カ国の11機関が、ICGCで取り組む最初のプロジェクトとして、肝炎ウイルス関連肝臓がんなど8種類のがんのゲノム変異について、包括的で高精度な解析を開始すると発表しました。
 がんの患者数は、先進国、発展途上国を問わず世界中で急速に増加しており、がん罹患の早期発見やがん死の減少が人類社会にとって喫緊の課題となっています。がんは、かつては1種類の疾患と考えられていましたが、現在では多くの病態から成り立っているという実態が明らかになっています。しかし、ほとんどすべてのがんでは、共通して遺伝子の設計図であるゲノムに異常(変異)が生じ、正常な分子経路が破綻した結果、無秩序な細胞増殖をきたすことが分かっています。さらに、特定のがんや病態では、特徴的なゲノム変異が認められることが明らかになっています。このため、それぞれのがんに生じたゲノム変異を網羅的に同定し、カタログ化することができると、新たな予防・診断・治療法を開発するための基盤となる可能性が高まり、大きな期待が集まっています。
 このような状況の中、2008年4月、世界各国を通じて臨床的に重要ながんを選定し、国際協力でそれらのがんについてゲノム変異の姿を明らかにするため国際共同プロジェクトとして発足したのがICGCです。ICGCの各メンバーは、ICGCの定めたデータ収集・解析に関する共通基準に従い、特定のがんに関する各種ゲノム変異の包括的かつ高精度な解析を分担します。
 2008年11月15日から17日まで、米国ワシントン近郊で米国国立衛生研究所(NIH)を幹事としてICGCワークショップが開催され、肝炎ウイルス関連肝臓がん(日本)、胃がん(中国)、すい臓がん(カナダ)など、ICGCによって開始される初のがんゲノムプロジェクトが決定しました。
 ICGCのプロジェクトで産出されるがんゲノム変異のカタログは、がんの予防・診断・治療の新規かつ有効な方法を開発しようとしているすべての研究者にとって、極めて貴重な情報源となることが期待されます。ICGCでは、得られた高精度のゲノム変異データを世界中の研究者に迅速かつ無償で提供する予定です。


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NEDOと産総研、有機色素による高性能色素増感型太陽電池を開発
有機色素による高性能色素増感型太陽電池を開発

 次世代太陽電池として期待される色素増感型において光吸収材料に新規開発の有機色素(MK-2(注1))を採用。

 従来型のルテニウム系のように希少金属を含まないため低コストで製造できるだけでなく、 高効率、高耐久性も実現した。 


【新規発表事項】

 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の産業技術研究助成事業(予算規模:約50億円)の一環として、独立行政法人産業技術総合研究所の研究員、原浩二郎と甲村長利は、次世代太陽電池として有望視される高性能な有機色素による色素増感型太陽電池を開発しました。

 本技術は、現在、主流となっているシリコン太陽電池が抱えている問題である製造コストと高純度シリコンの供給不安の両方の解決策となり得る、新規次世代太陽電池です。経済産業省の技術戦略マップ2008では、2020~2030年までに本格実用化とそれによる太陽電池の発電価格の大幅低減が期待される革新的太陽光発電技術として位置づけられています。

 従来の色素増感太陽電池に用いられていたルテニウム錯体を使用しないため、希少金属であるルテニウムの資源的制約をクリアしています。またイオン液体電解液の使用により、低沸点の有機溶媒系電解液では耐久性が100時間以下であったものが、2000時間以上の耐久性を得ることに成功しました。

 更に、色素増感太陽電池(イオン液体電解液(注2)タイプ)としては世界最高レベルの変換効率7.6%(セル効率)の高効率を達成し、イオンゲル電解質(注3)タイプでも5.5%の効率を得ることに成功しており、革新的な太陽光発電技術として実用化が期待されます。


(注1)MK-2とは、2-Cyano-3-[5’’’-(9-ethyl-9H-carbazol-3-yl)-3’,3’’,3’’’,4-tetra-n-hexyl-[2,2’,5’,2’’,5’’,2’’’]-quarter thiophenyl-5-yl]acrylic acidのこと。カルバゾール、オリゴヘキシルチオフェン、シアノアクリル酸基からなるドナー・アクセプター型の有機色素分子で、カルバゾール骨格が電子供与部位で、シアノアクリル酸基が電子吸引性部位として機能します。

(注2)イオン液体電解液とは、イミダゾリウムのヨウ化物などのイオン液体とヨウ素レドックスイオンをベースとする電解液です。
(注3)イオンゲル電解質とは、上記イオン液体電解液にゲル化剤(例えば、Poly(pyridinium-1,4-diyliminocarbonyl-1,4-phenylene-methylene iodide)など)を加えて擬固体化した電解質。 

 図3.有機電解質オリゴマーゲル化剤の構造
   (※関連資料参照)

 産総研プレス発表 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2007/pr20070525/pr20070525.html
 特許PCT/JP2006/301402
 

1.研究成果概要 
 環境負荷を低減する次世代太陽電池のひとつとして、色素増感太陽電池の実用化に向けた研究開発が活発になっています。しかし、従来型の色素増感太陽電池は希少金属であるルテニウム錯体を光吸収材料として用いるため、資源的制約による価格高騰が問題になると予測されます。また、揮発性の有機溶媒を含むヨウ素レドックス電解液(ヨウ素やヨウ化物イオンを含む)を用いており、セルの耐久性の向上が課題となっています。 

 本プロジェクトでは高効率化と同時にこれらの問題点を解決するため、ルテニウム錯体の代替となる新規の有機色素光吸収材料(MK-2)を開発するとともに、有機電解質オリゴマー(注4)構造を有するゲル化剤(平成17年度第2回産業技術研究助成事業、簡便に合成可能な新規電解質ゲル化剤およびそれを用いた高機能ハイブリッドゲルの開発(研究代表者、産業技術総合研究所、吉田勝氏)の研究成果)と難揮発性のイオン性液体からなる新規の電解質を用いることで、新規有機色素太陽電池を開発しました。 

 新規有機色素の開発には、分子設計技術を援用して最適化を行いました。クマリン色素(注5)は8%という高効率(有機溶媒系電解液を使用)が得られますが、色素から酸化チタン電極への電子移動効率が低いことや電子寿命が短いことなどがわかったため、新たにMK色素(カルバゾール色素(注6))を合成し、この問題を解決しました。

 また、イオン液体電解液とイオンゲル電解質を組み合わせることで、高効率を保ちつつ十分な耐久性を得ることができました。

(注4)有機電解質オリゴマー:有機塩モノマー(単量体)が複数連なった構造をもつ分子。有機塩モノマーの数は3から30と比較的少数。

(注5)クマリン色素:クマリン骨格を電子供与部位として、これに電子吸引性部位であるシアノアクリル酸基などを連結した有機色素分子。(図4参照)

(注6)カルバゾール色素:カルバゾール骨格を電子供与部位として、これに電子吸引性部位であるシアノアクリル酸基などを連結した有機色素分子。(図4参照) 

 図4.クマリン骨格(1)、カルバゾール骨格(2)、シアノアクリル酸基(3)の構造(Rは置換基)
    (※関連資料参照)


2.競合技術への強み

1)高効率:新規に設計・合成したMK-2色素とイオン液体電解液を組み合わせることで、7.6%の変換効率を達成しました(現在、イオン液体電解液を用いた色素増感太陽電池で世界最高レベル)。 
 
2)高耐久性:紫外線がカットされた擬似太陽光照射という比較的穏和な条件下では、十分な耐久性を有します。また難揮発性のイオン液体電解液を使用することで比較的高温下でも性能劣化の心配がありません(イオン液体の難揮発性が耐久性の向上に寄与)。 
 
3)資源的制約がない:希少金属であるルテニウムとは異なり、資源的制約の少ない有機材料を使用しています。
 
4)低コスト:セルの作製方法が簡単で、材料も安価なことから低コストで製造できます。
 
  表1.結晶系シリコン太陽電池(既存技術)と有機系色素増感太陽電池(本技術)との比較表 
    (※関連資料参照)


3.今後の展望
 エネルギー変換効率については、最終的にはセル効率18%、モジュールでは15%(結晶シリコン系の効率に相当)を目指します(NEDOの太陽光発電ロードマップPV2030における、色素増感太陽電池の2030年での目標値)。当面は屋内用途での早期実用化を目標として、さらなる効率や耐久性の向上を目指していく予定です。そのため、新規有機色素の分子設計と合成、イオン液体やゲル電解質の研究開発の他、新規の電極材料の開発についても連携企業と共同で研究開発に取り組んでいきます。

 また実用化に向けて、大面積モジュール化技術等についても共同研究を進めていく予定です。


関連情報一覧 
 http://www.aist.go.jp/db_j/list/relation.php?&co=8353



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武田薬品、非小細胞肺癌患者対象の「AMG706」臨床第3相試験の患者登録を一時中断
AMG706に関する非小細胞肺癌患者を対象とした

臨床第3相試験の患者登録一時中断について


 武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下、「武田薬品」)および、その100%子会社であるMillennium Pharmaceuticals, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州 ケンブリッジ、以下、「ミレニアム社」)ならびにAmgen Inc.(本社:米国カリフォルニア州サウザンドオークス、以下、「アムジェン社」)は、本日、現在進行中のAMG706(一般名:Motesanib)に関する非小細胞肺癌を対象とする臨床第3相試験について、独立データモニタリング委員会(Independent Data Monitoring Committee、以下、「DMC」)が実施した600例の登録患者による安全性評価の結果を踏まえ、患者登録を一時的に中断することを決定しましたのでお知らせします。

 Motesanibは、アムジェン社と武田薬品が実施している複数の共同開発プログラムの一つです。ファーストライン治療薬として、非小細胞肺癌患者を対象としたパクリタキセルおよびカルボプラチン併用のプラセボ対照二重盲検比較の臨床第3相試験を実施中であり、欧米での開発をアムジェン社が、日本での開発を武田薬品の100%子会社である武田バイオ開発センター株式会社(以下、「武田バイオ社」)が担当しています。

 DMCは、Motesanib群において投与初期における死亡率がプラセボ群に比して高いという結果が得られたことに鑑み、今回の投与対象である非小細胞肺癌患者(扁平上皮癌患者および非扁平上皮癌患者)の新たな登録を行わないよう推奨しています。また、扁平上皮癌患者の喀血頻度が明らかに高かったことに鑑み、扁平上皮癌の患者へのmotesanibの投薬を中止することを推奨しています。なお、扁平上皮癌以外の患者への投薬中止は推奨されておらず、DMCは、3ヶ月後に最新データを再調査します。

 アムジェン社と武田バイオ社は、DMCの勧告を履行するとともに、今回の決定を、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品審査庁(EMEA)、医薬品医療機器総合機構(PMDA)を含む世界の監督官庁ならびに臨床試験担当医師に対して通知いたします。

 武田薬品の医薬開発本部長 兼 武田バイオ社会長 宮本政臣は、「患者さんの安全性確保が最優先事項であり、DMCの推奨内容に従って対応してまいります。DMCの評価を踏まえ、今後、開発パートナーであるアムジェン社と協力の上、扁平上皮癌以外の非小細胞肺癌、転移性乳癌、その他固形癌におけるMotesanibの治療薬としての可能性を探索してまいります」と、述べています。

 ミレニアム社の研究開発責任者であるNancy Simonianは、「非小細胞肺癌は、新規性が高く、また優れた効果が得られる治療法が必要とされ続けている疾患です。私たちは、本剤の開発に向けて、最適な道筋を与えてくれるであろうDMCからの今後の調査結果の内容に期待しています」と、述べています。


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産総研、旭化成ファーマと免疫抑制剤ミゾリビンの血中濃度を測定する酵素を開発
■免疫抑制剤ミゾリビンの血中濃度を測定する酵素を開発

-短時間で簡便な血中濃度測定の実現に期待-


<ポイント>
・ ミゾリビンの血中濃度測定に使用できる酵素を発見し、酵素の効率的な製造方法も開発した。
・ 血中濃度を短時間に正確に測定できるので、適正な投与量のコントロールが可能になる。
・ 現在は1時間に3検体程度の測定しかできないが、600検体程度の測定も可能となる。

<概要>
 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)ゲノムファクトリー研究部門【研究部門長 鎌形 洋一】遺伝子発現工学研究グループ 田村 具博 研究グループ長は、旭化成ファーマ株式会社【代表取締役社長 稲田 勉】と共同で、免疫抑制剤として使用されているミゾリビン(MZR)の血中濃度測定に使用できる酵素(ミゾリビンリン酸化酵素)を見つけ、その効率的な製造方法を開発した。

 ミゾリビンは、腎移植における拒否反応の抑制・ループス腎炎・慢性関節リウマチ等の治療などに広く用いられている低分子化合物(分子量259)である。しかし、ミゾリビンの効果と治療の安全性を確保するための至適量に関しては不明な点があり、個人ごとの最適な投与量を把握するためには、血中濃度を測定しながら投与量を調整することが必要であると指摘されている。

 現在、ミゾリビンの血中濃度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定できるが、手間と時間がかかる。今回開発した酵素を用いると、短時間で簡便な測定が可能となる。本技術の詳細は、2008年11月27日~30日に名古屋国際会議場で開催される「第55回日本臨床検査医学会学術集会」で発表される。

 * 関連資料「今回発見されたミゾリビンリン酸化酵素によるミゾリビン濃度の測定原理」参照

<開発の社会的背景>
 ミゾリビン(MZR)は、腎移植における拒否反応の抑制・ループス腎炎・慢性関節リウマチ等の治療などに広く用いられている低分子化合物(分子量259)である。しかし、ミゾリビンの効果と安全性を確保するための至適量に関しては不明な点がある。ミゾリビンは同様の薬効を示す他の薬と比べて、白血球減少などの血液系障害が少ないものの、主として腎臓から排泄されるため、腎障害のある患者では排泄が遅延し、骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがある。そのため血中濃度測定による投与量の調整が必要であることが近年指摘されている。

 現在、ミゾリビンの血中濃度は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による測定が可能である。しかし、HPLCによる測定は、( i )装置が限られた施設にしか配備されていない、(ii)検体の前処理が必要である、(iii)測定に時間を要すると共に多検体同時測定が出来ない、(iv)血液の他の成分分析に比べて試料の必要量が多い(最低でも0.8ミリリットル)、などの問題点がある。そこで、より短時間で簡便な測定を実現するために、汎用自動分析機で測定可能なミゾリビンの血中濃度測定法の開発が望まれている。

<研究の経緯>
 産総研ゲノムファクトリー研究部門遺伝子発現工学研究グループでは、ロドコッカス属放線菌(Rhodococcus erythropolis)による化学物質やタンパク質の生産系を構築する研究を行ってきた。特に放線菌によるタンパク質の生産は、既存技術である大腸菌による生産が困難なタンパク質の生産を可能にする特徴がある。一方、旭化成ファーマ株式会社診断薬製品部では、診断薬用酵素の開発や、酵素を用いた診断薬の開発を行っている。そこで、産総研は旭化成ファーマ株式会社と共同で、ロドコッカス属放線菌を用いた診断薬用酵素製造技術の開発に取り組んできた。

<研究の内容>
 本技術によるミゾリビン濃度の測定原理は図1に示すような2つの反応からなる。

 * 関連資料「図1 今回発見されたミゾリビンリン酸化酵素によるミゾリビン濃度の測定原理」参照

 第1反応では、ミゾリビンリン酸化酵素の働きで、ミゾリビンにリン酸が結合してミゾリビン5’-モノリン酸(MZR-P)になる。このMZR-PがIMPデヒドロゲナーゼという酵素の働きを阻害するので、第2反応ではその阻害の程度を測定することによってMZR-P濃度、すなわちミゾリビン濃度が算出される。IMPデヒドロゲナーゼという酵素は化合物IMP(イノシン一リン酸)を化合物XMP(キサントシン一リン酸)に変換する酵素であり、この時化合物NAD+(補酵素酸化型)が化合物NADH(補酵素還元型)になる。NADHの濃度は波長340ナノメートルの吸光度を測定することによって容易に測定できる。これによってIMPデヒドロゲナーゼの酵素活性の阻害の程度が算出され、MZR-P濃度からミゾリビン濃度が算出される。

 第1ステップのミゾリビンをリン酸化する酵素は、ヒト生体内においてどの酵素がその役割を担っているか明らかになっていないので、ゲノム情報が登録されているデータベースの中から、予想される遺伝子を検索した。候補とした複数の遺伝子を組み換えタンパク質として大腸菌で発現させ、生産されたタンパク質がミゾリビンのリン酸化能力を有するかどうかの探索を行った。ところが、それらの酵素を大腸菌内で生産すると、生産された酵素により、細胞内の核酸やリン酸化された核酸の濃度バランスが崩されるために、大腸菌が死んでしまうことが多く、探索が進まなかった。

 そこで、産総研のロドコッカス属放線菌(Rhodococcus erythropolis)を用いたところ、菌が死ぬことなく、探索が容易になった。さまざまな微生物由来の酵素遺伝子をこの放線菌で発現した。その結果、ミゾリビンをリン酸化する酵素遺伝子を発見した。さらに、その遺伝子を用いて放線菌でミゾリビンをリン酸化する酵素の効率的な製造方法も開発した。詳細に解析した結果、本酵素はバクテリアでは世界で初めて発見された核酸のリン酸化酵素(ヌクレオシドキナーゼ)であり、学術的にも価値の高い酵素である事が明らかになった。

 本酵素を用いて、ミゾリビン血中濃度測定の酵素法を開発した。第1反応でこの酵素によるリン酸化反応の様子をHPLCで解析した結果を図2に示す。反応途中なので未反応のATPとミゾリビンも残っているが、ATPがADPに変化され、ミゾリビンがMZR-Pに変換されていることが確認された。この第1反応は、5分間で完結する。

 * 関連資料「図2 HPLCにより解析した本酵素によるミゾリビンのリン酸化反応(第1反応の確認)」参照

 第1反応の反応液を第2反応の試験液(IMPとNAD+とIMPデヒドロゲナーゼを含む)に加えて第2反応を行い、波長340ナノメートルの吸光度の測定を行った。吸光度からIMPデヒドロゲナーゼの酵素活性の阻害の程度が算出され、MZR-P濃度、ミゾリビン濃度の算出を行った。その結果、図3のようにHPLCを用いた濃度測定結果と一致することから、正確に血中に存在するミゾリビン濃度の測定ができることが確認された。

 * 関連資料「図3 酵素法ミゾリビン(MZR)血中濃度測定結果とHPLC法との比較」参照

 現在、ミゾリビン血中濃度測定は、検体の前処理時間を除いたHPLC測定だけでも18分必要で1時間に3.3検体しか測定できない。このミゾリビン血中濃度測定酵素法を利用すれば汎用の生化学自動分析機による多検体同時測定が可能で、1時間に600検体測定できるようになる(汎用生化学用自動分析機、日立7080形自動分析機を使用した場合)。

<今後の予定>
 この研究成果をもとに、産総研はミゾリビン(MZR)をリン酸化するヌクレオシドキナーゼの機能解析をさらに進め、旭化成ファーマ株式会社はミゾリビン血中濃度測定試薬を開発する予定である。

<用語の説明>
 * 関連資料 参照


<問い合わせ>
独立行政法人 産業技術総合研究所
北海道産学官連携センター
〒062-8517 北海道札幌市豊平区月寒東2条17丁目2番1号
TEL:011-857-8428 FAX:011-857-8901
E-mail:sgk.contact.hokkaido@m.aist.go.jp



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東北大学、インスリン分泌細胞を増殖させる神経ネットワークを発見
インスリン分泌細胞を増殖させる神経ネットワークを発見

糖尿病の再生治療に応用性


 東北大学大学院医学系研究科創生応用医学研究センター・片桐秀樹教授、分子代謝病態学分野・岡芳知教授らのグループは、肝臓からの神経ネットワークにより膵臓のインスリン分泌細胞(β細胞)が増殖することを発見し、さらにこの仕組みを刺激することで糖尿病を治療できることを見出した。この研究成果は、米国科学誌サイエンス(米国時間11月21日号)に掲載予定である。

 肥満になるとインスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)が、この時、膵臓にあるβ細胞が増殖し、多くのインスリンを分泌して血糖値の上昇を防ごうとする。本研究グループは、この体に備わった糖尿病予防機構を解明し、「肝臓が、肥満状況を感知し神経シグナルを発して脳にインスリンを増やす必要性を伝え、それを受けて脳は、膵臓に向かう神経を使って、膵臓のβ細胞を増殖させる」という臓器間の神経ネットワークを発見した。これは、神経系、特に脳が、血糖値などの全身の代謝調節を行っていることを見出したもので、メタボリックシンドロームの解明にも意義深い。

 一方で、この反応が不十分だったり膵臓のβ細胞が減少したりして、インスリンの分泌が悪くなると、糖尿病となる。そこで、本研究グループは、インスリン分泌の低下した糖尿病のモデル動物でこの神経ネットワークを刺激してみた。すると、β細胞が増殖しインスリン分泌が改善、糖尿病を治療することができた。インスリン注射を行っている糖尿病患者は国内だけでも60万人を超えるといわれ、このような患者にとって、β細胞の再生につながる本研究は、大きな福音となるものと期待される。

 現在、ES細胞やiPS細胞といった多分化能をもつ細胞を試験管内で分化させて移植することが再生治療研究の主流と捉える向きもある。しかし、本研究は、神経ネットワークという体に元来備わっている仕組みを発見し、それを刺激することで、障害を受けた臓器を体内で再生させるという全く新しい概念での「再生」医療を切り開く可能性が考えられる。



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協和発酵バイオ、配合成分強化の「リメイク植物から生まれた発酵グルコサミン」を通販で発売
『リメイク植物から生まれた発酵グルコサミン』リニューアル新発売

グルコサミンのサポート成分「MSM」*を増量


 協和発酵バイオ(東京都千代田区 社長:小谷 幸亘)は、細胞の間を結合させる軟骨などの組織中に広く存在する成分であるグルコサミンを主成分とする健康食品『リメイク植物から生まれた発酵グルコサミン』の配合成分を強化して、11月5日より通信販売で新発売しました。
 
 本製品の特徴は、従来品と比べ、1粒あたりの「MSM」(メチルスルフォニルメタン)含有量を300mgから3倍以上の1,000mgに増やし、円滑さに関係するグルコサミンのサポート力をアップしました。そのため、1日当たりの摂取目安の粒数が以前より少なくて従来品と同量のグルコサミンを摂取できます。

 また、従来の個別包装から、無駄のない大袋タイプになり、価格もさらにお求め安くなりました。

 植物を原料に微生物の力を利用して作った「発酵グルコサミン」配合の製品『リメイク 発酵グルコサミンZn』は2005年9月末の発売以来、根強い人気で、ふしぶしの健康が気になる方々から大変好評をいただいています。

 このたびの配合成分増強によって、「立ち座りや膝の曲げ伸ばしが気になる方」「階段の上り下りが気になる方」「運動・ウォーキングなどをいつまでも楽しく続けたい方」の「歩く健康」をサポートします。


 ※MSM(メチルスルフォニルメタン):たんぱく質やコラーゲンに関係する有機イオウ化合物。ヒトの身体をはじめ、自然界に広く存在。 


〈製品概要〉
 ●製品名    『リメイク植物から生まれた発酵グルコサミン』
 ●荷姿     1袋/84g(350mg/240粒) 
 ●販売価格   4,500円 (消費税込み、送料無料)
 ●主な成分   (※ 関連資料参照)
 ●製造者    協和発酵バイオ株式会社
 ●総発売元   株式会社協和ウェルネス(協和発酵バイオ100%子会社)

 ●お客様からのお問い合わせ先(通話料無料)
          0120-80-7733(日曜・祝日除く 9:00~21:00)
 ●注文先
   [電話]0120-80-7733(日曜・祝日除く 9:00~21:00)
   [FAX]0120-80-2227(24時間受付)
   [ハガキ]〒103-0015東京都中央区日本橋箱崎町36-2
         株式会社協和ウェルネス 通信販売部 行き
   [ホームページ]http://www.kyowaremake.jp/

[会社概要]
 協和発酵バイオ株式会社 
 設立:2008年10月1日 
 資本金:100億円 
 代表者:代表取締役 社長 小谷 幸亘 
 本社:東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル
 事業内容:医薬品原料、各種アミノ酸、健康食品、農畜水産関連製品および原料用アルコールの製造販売 2008年10月1日、協和発酵バイオは、協和発酵キリン(東京都千代田区 社長:松田 譲)の100%子会社として新たに設立されました。新会社は協和発酵がグルタミン酸発酵の発明以来50年間培ってきた資産、人材、技術開発力を引き継ぎ、その基盤の上に、「発酵と合成の有機的結合」を大きな目標として掲げ、今後も多種多様な製品を革新的に開発し、医薬品や健康食品などを通じて世界の人々の健康と豊かさに貢献してまいります。

お問い合わせ先
 お客様窓口 0120(80)7733(9:00~21:00 日曜・祝日除く)


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タカラバイオ、寒天由来成分配合のサプリメント「グルコサミン+アガロオリゴ糖」を発売
寒天由来の「アガロオリゴ糖」を配合したサプリメント
「グルコサミン+アガロオリゴ糖」新発売


 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、アガロオリゴ糖を配合したサプリメント「グルコサミン+アガロオリゴ糖」を平成20年11月18日(月)より新発売いたします。

 「アガロオリゴ糖」はタカラバイオが独自製法により開発し製造した、寒天由来のオリゴ糖で、タカラバイオでの長年の研究により、他のオリゴ糖には見られない特有の機能性があることを発見しています。

 本製品は、独自製法により製造・開発したアガロオリゴ糖を使用し、軟骨の構成成分であるグルコサミンおよびII型コラーゲン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12を配合した飲みやすいサプリメントに仕上げました。
 1回4粒、1日3回程度を目安にお召し上がりください。(12粒当りグルコサミン1,500mg、アガロオリゴ糖200mg、II型コラーゲン100mg、ビタミンB6 1mg、葉酸200μg、ビタミンB12 2μg を含有しています。)

 本製品は、宝ヘルスケア株式会社(宝ホールディングス株式会社の100%子会社)を通じて販売いたします。

【製品概要】
製品名:     グルコサミン+アガロオリゴ糖
種類:      グルコサミン、アガロオリゴ糖加工食品
内容量:     90g(250mg×360粒)
希望小売価格: 5,040円(税込)
販売地域:   全国
お問い合わせ: 0120-810-771(宝ヘルスケア株式会社)

当資料取り扱い上の注意点
 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。


【語句説明】

アガロオリゴ糖(寒天オリゴ糖)
 アガロオリゴ糖は、寒天より生成されたオリゴ糖です。寒天は、ガラクトースと3,6-アンヒドロガラクトースとが交互に直鎖状に並んだ「アガロース」という糖鎖からできています。
 これを酸性の条件で加温すると、アンヒドロガラクトースとガラクトースとの間の化学結合(α-1, 3結合)が加水分解(切断)され、還元末端にアンヒドロガラクトースを持つ、それぞれ2糖、4糖、6糖、8糖からなる「アガロオリゴ糖」が生成されます。

グルコサミン
 グルコサミンは、カニ、エビなどの甲殻類の外皮を形成するキチン質に含まれ、また人間では糖蛋白質の成分として軟骨、爪,靱帯、心臓弁などに存在しています。軟骨細胞を形成する基礎となる成分で、関節部分で重要な役割を果たしています。

II型コラーゲン
 コラーゲンはその構造の違いにより19種類以上あることがわかっています。体内で最も豊富に存在しているのはI型コラーゲンで、皮膚や靭帯、骨に多く含まれます。
 それに対しII型コラーゲンは、関節をやさしく包み込んでクッションの役割を果たす関節軟骨に主に含まれるコラーゲンです。



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タカラバイオ、活力サポートサプリメント「クーガイモ」をリニューアル
ヤムイモサプリメント 活力サポート「クーガイモ」リニューアル新発売


 タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)は、活力サプリ「クーガイモ」を平成20年11月18日(月)よりリニューアル新発売いたします。

 昨年9月の発売以来、活力サポートサプリメントとして大変ご好評いただいております「クーガイモ」をリニューアルいたします。食品添加物を使用せずに打錠することで、1日の摂取目安量を従来品の12粒から8粒に減量し、飲みやすさにこだわりました。ヤムイモの一種である国産クーガイモ(和名:トゲドコロ)とニンニクエキスだけで仕上げ、クーガイモの健康成分はそのままに、健康素材として認知の高いニンニクエキスを従来品に比べ約10倍増量いたしました。

 本製品は、自然豊かな国内で栽培したクーガイモ(和名:トゲドコロ)と青森産ニンニクエキス(福地ホワイト六片種)を使用した国産100%の飲みやすい粒状のサプリメントです。1日8粒を目安にお召し上がりください。

 本製品は、宝ヘルスケア株式会社(宝ホールディングス株式会社の100%子会社)を通じて販売いたします。

【製品概要】

 製品名:クーガイモ ドゲドコロ(クーガイモ)
 種類:加工食品
 内容量:60g(250mgX240粒)
 希望小売価格:5,040円(税込)
 販売地域:全国
 お問い合わせ:0120-810-771 (宝ヘルスケア株式会社)

<参考資料>
【語句説明】

ヤムイモ
 ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属する食用種の総称です。例えば、ナガイモ、イチョウイモ、ツクネイモ、ジネンジョ、ダイジョをはじめ、トゲドコロもそれぞれヤムイモの一種です。

クーガイモ(トゲドコロ)
 ヤマノイモ科ヤマノイモ属に属するヤムイモで、市販されているナガイモ、ツクネイモ、イチョウイモ、ジネンジョ等と近縁のヤムイモです。国内では主に沖縄周辺で栽培されていますが、その生産量は年間数t程度の希少品種です。日本で栽培されているヤムイモのなかでは圧倒的にジオスゲニン含有率が高い品種です。


 当資料取り扱い上の注意点 資料中の当社の現在の計画、見通し、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の業績に関する見通しであり、これらは現時点において入手可能な情報から得られた当社経営陣の判断に基づくものですが、重大なリスクや不確実性を含んでいる情報から得られた多くの仮定および考えに基づきなされたものであります。実際の業績は、さまざまな要素によりこれら予測とは大きく異なる結果となり得ることをご承知おきください。実際の業績に影響を与える要素には、経済情勢、特に消費動向、為替レートの変動、法律・行政制度の変化、競合会社の価格・製品戦略による圧力、当社の既存製品および新製品の販売力の低下、生産中断、当社の知的所有権に対する侵害、急速な技術革新、重大な訴訟における不利な判決等がありますが、業績に影響を与える要素はこれらに限定されるものではありません。 この資料は、11月6日に京都経済記者クラブに配布しています。

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細胞から脳を作る
ヒトES細胞から層構造を持った大脳皮質組織の産生に成功
- 次世代の幹細胞医学応用を大きく拓く組織形成技術 -



◇ポイント◇
 ・ES細胞から、70%の高効率で大脳皮質組織を試験管内で産生
 ・生体に似た立体構造と特有の神経活動を持つ大脳皮質組織を世界で初めて産生
 ・異なる大脳皮質の領域を選択的に分化誘導する技術を開発


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、マウスおよびヒトES細胞(※1)から脳の高次機能をつかさどる大脳皮質(※2)組織を、生体に近い立体構造で産生し、特有の神経活動の一部を再現することに世界で初めて成功しました。発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)細胞分化・器官発生研究グループの笹井芳樹グループディレクター、永楽元次研究員を中心とした研究グループの成果です。
 研究グループは、これまでマウスおよびヒトES細胞から多様な中枢神経系の神経細胞などを試験管内で分化させる研究してきました。しかし、これまでの研究では、個々の神経細胞の分化を制御することが主で、多くの神経細胞などが整然と集合して機能する「神経組織」の形成は困難でした。
 今回、研究グループは、これまでに開発していたES細胞からの大脳分化のための無血清浮遊培養法(SFEB法)を改良した「SFEBq法」を新たに開発し、従来の倍以上となる70%の効率で大脳皮質前駆細胞(※3)の分化誘導を可能としました。この大脳皮質前駆細胞を立体的にで浮遊培養(※4)し続け、大脳皮質に特有の層構造(※5)を持った立体組織の形成に成功しました。特にヒトES細胞から分化させたものでは、ヒト胎児の大脳皮質とよく似た4層の組織構造(成人の皮質は6層)を作製することができました。また、この方法で形成した大脳皮質組織は、一定の神経ネットワークを形成し、大脳に特有の同期した神経活動を自発的に行うことから、誘導した大脳皮質組織が生体組織に似た神経活動の一部を示すことも分かりました。さらに、異なった誘導因子を加えることで、大脳皮質の中でも運動野周辺の領域、視覚野周辺の領域、嗅覚の中継をする嗅脳、記憶をつかさどる海馬周辺領域の4つの特徴を持った神経組織を、選択的に分化誘導することにも成功しました。
 この研究成果は、組織を用いた次世代の再生医療や創薬研究などに貢献することが期待されます。また、試験管内での神経組織の自己組織化を明らかにした点でも大きな意義があります。
 本研究成果は、一部を文部科学省「再生医療の実現化プロジェクト」の一環として行い、米国科学誌『Cell Stem Cell』オンライン版(11月6日付け)に掲載予定です。また、『Cell Stem Cell』誌は11月号の表紙に、SFEBq法でヒトES細胞から自己組織化的に形成された大脳皮質組織を取り上げます。



1.背景
 大脳皮質は、運動と感覚を統合的に制御し、記憶・意識などをつかさどる脳の高次機能の「最高中枢」です。その機能異常は、アルツハイマー病、てんかん、知能障害、運動障害、意識障害、精神病などをはじめとする重篤な脳障害を引き起こします。また、脳血管障害(脳出血、脳梗塞)や頭部外傷でも、大脳皮質に重度の障害が引き起こされ、手足の麻痺などの後遺症を残すことも多くあります。成人の大脳皮質は、複雑な6層構造になっていますが(図1)、妊娠中期までの胎児の大脳皮質は4つの層から成り立っています。こうした層状の構造は、大脳皮質の高度な機能に必須であることが分かっています。
 研究グループはこれまで、マウスやヒトES細胞を用いて、試験管内で選択的な神経細胞へ分化させる培養法を複数開発し、大脳前駆細胞、中脳ドーパミン神経細胞、小脳ニューロン、網膜細胞などの分化誘導に成功してきました。しかし、これら従来の分化誘導研究では、個々の種類の神経細胞を効率よく分化誘導しても、それらが機能的に集合し、整然とした構造を形成してできる「神経組織」を産生することができませんでした。
 今回、研究グループがすでに開発していたES細胞からの大脳前駆細胞への分化誘導法(SFEB法)を改良することで、大脳皮質神経細胞を効率よく分化させ、さらに、生体内で見られるような組織構造を形成させることに挑みました。


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脳の階層性の一側面
行動に必要な脳の機能的な階層性に新たに活動時間のメカニズムを導入
- 複雑で多様な行動をスムーズに学習する脳型ロボット開発に新たな道 -



◇ポイント◇
 ・脳が生み出す行為生成に従来の空間的階層メカニズムに代わる新モデルが存在
 ・神経システムの機能的な階層を実現する、一般原理の理解に貢献
 ・神経活動の多時間スケールモデルを実装したヒューマノイドロボットで確かさを確認


 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、動物が行動するとき、脳内で発現するとされている機能的な階層性について、従来の空間的な階層のメカニズムに代わる神経活動の時間スケールによるメカニズムを提案、実際にこのメカニズムを組み込んだロボットが複雑な行動パターンを学習、動作することを確認しました。理研脳科学総合研究センター(田中啓治センター長代行)動的認知行動研究チームの谷淳チームリーダー、山下祐一テクニカルスタッフらによる成果です。
 動物の複雑で多様な行動や運動は、さまざまな場面で繰り返し使われる運動のパーツ(運動プリミティブ(※1))とその柔軟な組み合わせ、という機能的な階層により実現しているとされています。これまでの研究では、この階層は運動プリミティブに相当する低次のモジュールと、それらプリミティブの組み合わせに相当する高次のモジュール、という空間的な階層によるとされてきました(局所表現モデル)。しかし、脳の運動皮質(※2)では、解剖学的に、この局所表現モデルに対応する明確な空間的階層構造は見いだされず、行為生成の機能的な階層が、どのような神経メカニズムによるものかがわかっていませんでした。
 研究チームは、局所表現モデルに代わり、多時間スケールモデルという新しい神経回路モデル(※3)を提案しました。このモデルは、活動の時間スケールが異なる神経細胞(ニューロン)(※4)群の存在を仮定しています。実証には、多時間スケールモデルによって運動が制御される、小型ヒューマノイドロボット(※5)を使用しました。その結果、ロボットが、物体に手を伸ばす、物体をつかむ、物体を上下に動かす、などの運動プリミティブと、その組み合わせを含む複数の行動パターンを学習し、動作することに成功しました。また、学習した運動プリミティブの組み合わせを柔軟に変化することで、ロボットが新しい行動パターンで動作することにも成功しました。モデル化した神経回路の解析の結果、神経活動の時間スケールの違いが、自己組織的に運動プリミティブとその組み合わせの役割を担う、という階層的な機能分化の実現を確認できました。
 今回の結果は、実際の脳における行為生成の神経メカニズムの理解に貢献する可能性があります。さらに、提案した多時間スケールモデルは、これまでのロボットと比較して多様な運動を学習し、それらを柔軟に組み合わせて動作することを可能にしました。このモデルを発展させることで、介護ロボットなど、実社会で活躍しうる、より高度なロボットの開発に貢献できると考えています。
 本研究成果は、科学雑誌『PLoS Computational Biology』(11月7日付け:オンライン版)に公開されます。なおロボット実験はソニー株式会社の協力を得て行われ、研究成果の一部は、文部科学省特定領域研究の科学研究費助成を受けて実施されました。


1.背景
 動物の、複雑で多様な行動や運動は、さまざまな場面で繰り返し使われる運動のパーツ(運動プリミティブ)と、その柔軟な組み合わせ、という機能的な階層性の構造を持っているとされています。例えば、テーブルの上のカップを手に取り、コーヒーを飲むという一連の動作は、カップに手を伸ばす、カップを持ち上げる、持ち上げたカップを口元に持ってくる、といった一連の運動プリミティブと、それらプリミティブの適切な組み合わせで成り立っていると考えられます。この運動プリミティブは、似たような行動を繰り返し経験することによって獲得されると考えられていますが、実際の連続した行動では、明確な運動プリミティブの切れ目はありません。それではどのようなメカニズムによって、連続した運動の中から運動プリミティブが切り出され、またその運動プリミティブがどのように多様な運動パターンとして組み合わされるのでしょうか?
 これまでの研究では、そのような機能的な階層性が、運動プリミティブに相当する低次のモジュールと、それらプリミティブの組み合わせに相当する高次のモジュールという空間的な階層で実現していると考えられてきました(図1A:局所表現モデル)。しかし、この局所表現モデルを組み込んだロボットは、連続した運動の中に似ている部分や重複する部分があると、うまく機能しないことが知られていました。また、脳の運動皮質の解剖学的所見でも、局所表現モデルのような明確な空間的階層構造は見いだされておらず、機能的な階層性の本当の神経メカニズムは謎とされていました。

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